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【朗読する会 第6回開催決定!】2024.4.21(日)7時『ゴドーを待ちながら』


2024.3.20 サミュエル・ベケット著『ゴドーを待ちながら』朗読する会を開催しました。参加いただいた4名の皆様,ありがとうございました。p.83-104第一幕終わりまでを朗読し,印象に残る箇所や感想を自由に語りました。
振り返ってみて、「現実と虚構(夢)のあわいの世界があると考えるのが、きっちり区分けして生きるより生きやすいのかも。」と感じました。そのあわいの世界は、本を読むことだったり、思考を漂わせる時間だったり。



1.最近読んだ本


・トーマス・マン『魔の山』
 普通の暮らしを下界とよぶ。魔の山は、パーティをして楽しかったりするが、死の空気が流れる。
 魔の山の主人公ハンスカストルプと(自分を)重ねながら読んでた。下界に戻れないんじゃないか。
 本書には、極端な2人が出てきてバトルする。それは、生と死の対立だったり。論争を聞いてると、生と死の中間地点を探す感じがすごくよい。主人公はエンジニアをしてた。どこかしら、宮崎駿『風立ちぬ』につながるみたい。堀越じろうもエンジニアで、海を越えて主人公が軽井沢に来て話をしてるみたい。
・ケアをひらくシリーズで『居るのはつらいよ』を読み、『聞く技術聞いてもらう技術』を読んだら、同じ著者つながりだった。『ふつうの相談』の東畑開人さん。
・ひとつの好きなストーリーを好きなところばかり読むのが、自分に合ってる。若松英輔著『悲しみの秘義』。生きる上で悲しみはついてくる。
 人間観察が好き。怒りの感情の奥に、悲しみがあるように思う。それは深い青色に見える。怒りの底に愛情を求めてるんやな、と思う。
・ナボコフ著『ロリータ』を読んだ。ひとりでは読めないけど、読書会の課題本なので読み切った。
 前半は、9-13歳の少女偏愛かと思ったが、最後に変わり果てたロリータを愛するハンバードと、拒絶するロリータの生きざまが急展開した。
 再読を進める著者が言うように、細かい伏線があって、どこからが現実でどこからが妄想なのか曖昧模糊でもあった。

2.【第5回開催レポ】


・ゴドーにことづてを頼まれた男の子が登場する。この子の兄をゴドーは打つが、この子をぶたない。
 序盤で、2人の泥棒が出てきて、1人は救われてもう1人は乞食になる場面と重なる。不条理な世界。
・本人は自分が幸せか分かっていない。誰か人のことを幸せだね、と判断する時は自分の価値判断で言ってる。
・お金がなくても満たされてる人もいる。
・人としゃべるとコミュニティが出来ると言うが、以下の上下関係は友達だったらないのかも。
・ウラジーミルとエストラゴンは、コントロールしたい側と愚直な側。
・ポッツオとラッキーは、支配者と従う側
・ゴドーと男の子は経営者と雇用される側。上下関係、階級がある人間。
・経営者側は、自分で切り拓いていかなきゃならない。それもあってポッツオは不安定なのか。
・ウラジーミルは出来事が起きたらすぐ判断したがってる。でもどっちでもないものがあってもいいんじゃないのか。
・すぐ判断したらしんどいんじゃないのかな。
・ウラジー(統治する)ミル(世界)の名前から、世界を切り分けたい欲望がありそう。
・はっきりすると気持ちがいい。答えを出しちゃうと楽。はっきりしない状況にいるとしんどい。
・ネットの世界でも、AかBか切り分けたい傾向があるみたい。人には理解しがたい領域もあると思うけど。
・今までウラジーミルとエストラゴンがどういう関係か分からなかったが、50年居たとか、地名が出てきた。
・夜になる展開が早くてありえない時間の動きをしてる。
・舞台の場所はわからないが、劇中劇では地名が出てきた。魔の山でも、時間論が出てきた。小説と音楽の時間の流れの違い。
 小説の中に流れている時間と、小説を読んでる時間は違うという話がある。
・時間の速さが一瞬に変わる不思議。
・映画「きちがいピエロ」でも、現実ではありえない出来事が、映画の中で起きる。その演出がすごく面白いのを思い出した。
・現実と虚構の間に、ふわふわした部分がある。あいまいな世界に生きると楽しくなるのか。不思議な話。
・ウラジーミルとエストラゴンは依存っぽい。
・ゴドーは何かの象徴なのか。ゴドーが来たら苦しみから解放されるような。
・思い込みがあって、その思い込みが怖いのかな。
・今回夜に急展開する場面は、光がなくなって、黒い世界に入るのが夜。ゴドーが現れたら明るい白い世界に行くってことか。
 自分から変わるのが怖いからじっとしてることが多い。でも動いてみると大したことないことも多い。
・本を読むときも、何かを待ってるのかな。この本を読んでどう感じるかを待ってる。分かってたら読まないから。
・カフカ『失踪者』は、ゴドーに近い感覚があるが、ゴドーよりは分かる感覚。物語は目的があってそれに向かっていく。トランクを預けてそれを取りに行かなきゃいけないのに、ずっとしゃべって別の事をしてる。
 目的がどうでもよくなって、それを繰り返すと、目的は取って付けたものに。人間は行動する時、予測できない行動をする。
 目的=ゴドーとなっているが、あるようでない。それがカフカの失踪者と似ている。
・この本みたいに、現実も進んでいくのを期待するけど、あまり変わらず同じところをグルグル回ってる気がする。
・実は生活もそんなもんなのかなと。まさにそう。
・目的は最後手に入らない方が面白いんじゃないかな。
・自分が固まらず、動きがあった方が、周りが動いてた時に入っていきやすいように思う。
・自分の知らないこと、興味ない事も聞けた方が世界が広がる。昔読めなかった本が読めるように。
・実は、聞くってこともよく分かんない部分の方が大事なんじゃないかな。と思う。
・慣れちゃうと、ノイズ部分を見ずに自分が分かるとこだけ読んじゃう。それだと続いてる日常の小さい変化に気がつかないかも。
・わからないってことを大事にしたい。

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