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ごはんが人と人の心をつなぐ - ドラマ・『広告会社、男子寮のおかずくん』 -

 料理をたのしそうにつくる人が好きだ。自分なりの料理メソッド持っている人が好きだ。ごはんを心底おいしそうに食べる人が好きだ。食べっぷりがいい人も好きだ。ひとりで食べるごはんも好きだけれど、みんなでわいわい食べるのはもっと好きだ。そんな私の、ごはんにまつわる「好き」がぎゅっと詰まったドラマ。それが、『広告会社、男子寮のおかずくん』だ。

金曜の夜、働いた後につくるごはんはおいしい。
ミナト広告で働き、社員男子寮に入居している営業2課・西尾(通称:おかずくん/黒羽麻璃央)、マーケティングチーム・東良(崎山つばさ)、アートディレクター・北(小林且弥)、経理部・南郷(大山真志)の4人は、クセのあるクライアントに悩まされながらも、“幸せな広告を作るため”日々残業をしながら、お仕事にまっしぐら。1週間の疲れを癒すため、毎週金曜には晩ごはんを持ち寄る「ハナキン持ち寄りごはん会」をひらいて、美味しい手料理をほおばっている。幸せになれる匂いとホカホカ湯気に包まれながら、心のスイッチをOFFにして、今宵もほっこり “いただきます!”
公式WEBサイトより

 この「1週間の疲れを癒すため、毎週金曜には晩ごはんを持ち寄る」っていうのが良いですよね。日々ばたばたと仕事をしていると、ギリギリまで寝ていたくて朝ごはんを食べなかったり、ランチは適当にコンビニ飯で済ませたり、残業続きの夜は外食も続いたり。そんな人は多いのではないでしょうか? 私もそうだし、おかずくんたちも例に漏れない。でも彼らの場合、金曜日の夜だけは違うのだ。それぞれの「担当」のブツをおかずくんの部屋に持ち込んで、ビールをぷしゅっと開け、みんなで食卓を囲む。


 おかず担当のおかずくんと汁物担当の東良くんは、おかずくんの部屋で一緒に料理をつくることが多い。このふたりのやりとりが、本当に本当にかわいい。めちゃくちゃ癒される。見て見て、このシーン。

 入社当時は東良くんのことを一方的にライバル視していたおかずくんだったけれど、いまでは気の置けない同期どうし。仕事の相談を持ちかけたり、激励しあったり。料理の時間が、お互いの関係をより深める時間になっている。


 私が特に好きなのは、第6話の『4人で宴会!おにぎり唐揚げ編』。自分の意見を押し通そうとし、他人からの助言を受け入れようとしない新人くんに、自分を犠牲にして「気づき」を与える東良くん。そのため新人歓迎会にも行けず、残業をすることになってしまう。そんな彼のがんばりを見ていたおかずくん、北さん、南郷さんは、歓迎会を途中で抜け出し、おにぎりと唐揚げを会社に差し入れに行く。仲間って、ごはんっていいなぁ、と沁みるエピソードだ。人と人の真ん中にごはんがある空間が、私はすごく好き。

 広告会社での仕事模様(特におかずくんの)は、デザイン会社で営業をやっている自分にも身に覚えがありすぎて、時に叫び出したくなるほどつらく、時に彼らとハイタッチしたくなるほどうれしくなる。そんな悲喜こもごもを乗り越えた先の「ハナキン持ち寄りごはん会」が彼らにとって癒しになるように、私の心にもすーっと染み込んでくる。仕事に行って、帰宅したら家事もして。毎日やることばっかりで大変だけれど、『おかずくん』を観ながら自炊したごはんを食べて、また明日からの英気を養おうじゃないか。


 ちなみに。北さん役の小林且弥さんは、2005年公開の映画・『リンダリンダリンダ』で大江くん役をやっていた方だ(ほら、あの、響子が思いを寄せる坊主頭の子だ)。

 当時からイケメンだったけれど! 『おかずくん』で再会した彼は、なんだか大人の色気もまとっていて、さらに格好良くなっていた。同窓会で10年以上ぶりに会った同級生男子がこんな風に変化を遂げていたら、テンションあがるだろうなぁ……(笑)。ただ小林さんがタイプなだけでしょ! 不純でスミマセン。ふふふ。


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