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傷つかないための予防線を、壊せ。


「え? おまえってオフェンスタイプちゃうの?」

先日会社の先輩と飲みに行った時に言われた言葉だった。先輩がもう少しで会社を辞めてしまうので、その前に色々コミュニケーションを取っておこうよ、というふたりの会だった。

その場で先輩に、「(仕事や人に対して)結構攻めてくタイプやんなぁ」と言われた時に、「いや、そんなことないですよ。めっちゃビビりですから。きらわれたらどうしようとか、仕事できへんやつやとか、しょうもないなとか思われてたらどうしようとか、そんなんばっかり考えてますよ」と答えたら、冒頭のようにすごく驚かれたのだった。

先輩との付き合いは、私が入社試験を受けている頃からだ。入社後2年は働く拠点が違っていたけれど、私が大阪に戻ってきてからは直属のリーダーとして関わってくれていた。その先輩にも気づかれていなかった、私のある種のプライド、虚栄心、「ちゃんとしなきゃ」の呪縛。それが自分の恐怖心からきていること。

「意外やったわ。俺の感じてたオフェンスなお前は、ビビり心からきてたんやなぁ。そうやって自分を守ってるねんや」

そう。そうなの。
それはもう物心ついた時からずっとそうで、やめたいと思ってもやめ方がわからず、生まれてからこの方、27年間ずるずると引きずってきたものだ。

「しんどいやん、そんなん。早よ心を裸にした方がええで」
「いや、もうずっとこれなんですよ。やめたいと思っても挫折してきました。自分の親にも『たまに殻に閉じこもるよな』って言われたことあるけど、殻を破る方法がよくわからんかった。人生の課題なんです、私の」
「そっかぁ、それは時間かかるかもしれへんなぁ。でも、肩の荷下ろした方が絶対生きやすいで」

わかってるんだけどなぁ、なんでかできないんだよ。

「ビビりを隠すための攻撃性なんて、損な方に働く方が多いやろ。みんながみんな、そんな裏のことまで察してくれることはないで」

わかる〜、それもわかるの。
でも、もうクセみたいなもんだから。

自分をどうやって解放するのか、そして考え方を変えるのか、その糸口がどこにあるのか。それをずっと、ずっと探し求めている。

でも、最近ちょっとだけ掴めてきたんだ。意外と他人は怒らないし、失敗して「ごめ〜ん!」って言ったらある程度は許してくれるということ。自分が勝手に思いつめて、勝手にいらぬ予防線を張ってるだけだってこと。

そろそろ変えられそうなのだ。変われそうなのだ。そのきっかけのひとつを、先輩との飲み会で見つけた気がするのだ。

「ま、俺が辞めたとしても、そこで縁が終わりやとは思ってないから。なんでも言ってこいよ。ほんでいつか、おまえが変わったところを見届けたいなぁ」


身近にこんなに懐の広い人がいたんだ。気づいているようで、半分くらいしか分かっていなかったかも。私はこの人がいなくて、今後この会社でやっていけるのかなぁ、と不安になった。と同時に、だったら変わろう、変わってやろう、とも思った。

27年間の私の悪いクセが、ある日突然消えてなくなるなんてことはないだろう。けれど、少しずつ解いて行くことは努力次第でいくらでもできると思う。

地道な、地味な戦いになるだろう。
その努力の方法をまずは探していこう。

探すのだ。
でも、本当にできるのかな。まだ、ビビっている。


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