映画

ディーン・フジオカの音楽に、やられてしまった。

ディーン・フジオカにハマりはじめた。
と、いってもここ3日くらいの話だ。なにをいまさら、と思う方も多いだろう。もちろん、存在も活躍も知っていた。でも私は『あさが来た』も『ダメな私に恋してください』も観ていなかったのだ、許してほしい(放送当時は社畜すぎて、ほぼ家にいなかった)。

きっかけの一端は、今期ドラマの『シャーロック アントールドストーリーズ』にある。かの有名な探偵小説『シャーロック・ホームズ』シリーズを下敷きにしつつ、舞台を現代の東京に設定した作品である。

1話完結型の謎解きドラマ。
「犯人はだれだ?」、「真実はどこだ?」。そんなことを考えながら過ごす1時間は、推理好きには至福だっただろう。私も毎話、血湧き肉躍らせながら視聴していた。

しかし放送期間中は、おディーンさまのことを「誉獅子雄」としか見ていなかった。近頃はタピオカ屋とコラボし、「ディーン・タピオカ」なるドリンクを誕生させるなど、「クールな見た目に反してお茶目さを兼ね備えている人」という印象がプラスされた。でも、それ以上でも以下でもなかった。これらの情報が、イコール彼だった。

そんな私がなぜ、ディーンワールドにどっぷり浸かってしまったのか。それも、ドラマが最終回を迎えたあとに。

その理由は、音楽にある。
(やっと本題だね)

これまたみなさんご存知かと思うが、おディーンさまは俳優だけでなく、音楽の畑にも軸を持っている。歌唱のみならず作詞・作曲も、ほとんどを自身で行う。この度の『シャーロック』でも、主題歌“Shelly”とオープニングテーマ“Searching For The Ghost”を担当していた。

この2曲が入っている『Shelly EP』が、めちゃくちゃに良い。
Apple Musicの新着音源を眺めていたところ発見し、「シャーロック観てたしなぁ〜」となんの気なしに再生したらドンズバだった。いや、ドラマで聴いてはいたよ? でもイヤホンからだと、また違う趣きだ。

まじで音がかっこよすぎる。気持ちよすぎる。歌い方がすてきすぎる。
この5曲だけエンドレスリピートしても、私はまったく苦にならない。むしろずっとノリノリでいられる。

松下奈緒が演奏と歌唱でコラボした4曲目、“Chasing A Butterfly”はうつくしいピアノバラード。男女混声曲っていいよね……。大好物です。ふたりが出演している映画の主題歌らしい(未視聴)。
こちら以外の曲は、それぞれ毛色の違ったダンスミュージックとなっている。

“Shelly”はR&B調のトラックに甘いボーカルが特徴の1曲。この曲のすごいところは、日本語、英語、そして中国語の3ヶ国語が使用されている点だ。ディーン・フジオカは日本に生まれ、大学時代はアメリカに留学した。その後は台湾や香港などのアジア圏でモデル・俳優として活躍。その功績から日本では「逆輸入俳優」と称され、名を轟かせた。のは、さすがに私も知っていたけれど、その足跡をこの1曲に凝縮してしまうとは! スゲー!

つづく2曲目の“Searching For The Ghost”は、低音ぶりぶりのトラックの上に、セクシーでウィスパーなボーカルが乗っている。ひぃいい、色気全開でかっこいい! ドラマでは、この曲が流れるとタイトルバックが登場する。またこの演出がかっこいいんだなぁ。おディーンさま扮する獅子雄が、カメラの画面にペンで「シャーロック」と書くのだ。これを毎回心待ちにしていたファンも多かったはず。

3曲目“Made In JPN”はいちばんさわやかで明るいポップソング。軽やかでリズミカルな曲調は、やわらかい日差しのようである。でも、歌詞は結構辛辣だ。世界を旅し、また報道番組にも携わってきた彼。その口から語られるいまの日本は、雨模様なんだもの。

この街に ほしいモノなんてなかった
他に選択肢はない
信じろとか 信じるなとか
謙虚さ忘れてない?
もう何もかも 全部あいまい
みんな場違い Tokyo砂漠で
このままじゃ雨なんだって
ホントは知りたくない?

そしてラストを飾る“Send It Away”の歌詞は、ほぼ中国語。
中国のラッパーとコラボした1曲らしい。中国のヒットチャートでもかなり好成績だったようだ。どこか憂い漂うミドルテンポなナンバーなのは、失恋ソングだからなんですね。

本当に、どの曲も良い〜〜〜。

各種ストリーミングサービスに名を連ねておりますので、ぜひ聴いてね。YouTubeでMVも観れるよ。

***

「俳優」という肩書きで知られる人が、音楽をやる。
それはなぜか、冷たい目で見られがちだ。「商業臭が濃い」とか、「片手間でやっているように見える」とか、たぶんそういったことで。

でも待ってほしい。
そのどちらにも真剣に向き合っている人は多い。ディーン・フジオカもそのひとりだ。間違いない。彼の音楽制作に対する熱意はハンパじゃないのだ。

『Shelly EP』のインタビューじゃないけど、とても良いです。

それに単純に、「その人」に触れられる窓口が多いというのは魅力的だ。私は「俳優」のディーン・フジオカに出会い、「ミュージシャン」の彼に落ちた。もう少し時間を経れば、どちらにせよハマっていた可能性は高い。でも今回は、音楽が彼の元まで導いてくれたのだ。


こうしてすっかり骨抜きになった私は、彼の出演作も何作か観た。
特に『8月の物語』はよかった。

2006年の作品なので、当時26歳くらいかな。ストーリーも雰囲気も大好物だった。私にとっての、はじめての香港映画になった。国をまたいで活躍している人というのは、国と国、そして文化と文化の架け橋にもなる。すごい。
Prime Videoで観れるのでぜひ。

* * *

彼の俳優業、音楽業それぞれにかける真摯な思い、生い立ち話。どれも深くて本当におもしろい。彼について興味が湧いた! という方はインタビュー記事も読んでみてくださいね。


あ〜〜〜、おディーンさまの沼は底が見えねえ〜〜〜!
好きだ〜〜〜!!!


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