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Intermittent fasting について

今さらですが、intermittent fasting (略してIF)
のやり方について。
日本では16時間断食と呼ばれていますが、何時間断食するかは個人の自由です。最も一般的なのは18時間断食、残りの6時間が食べられる時間です。この6時間のことを、eating windowと言います。eating windowが狭まるほどファスティング時間は長くなり、4時間や2時間の人もいます。これを突き詰めたものが1日一食のOMAD (オマド、one meal a dayの略)です。IF実行者は1日2食は2MAD(トゥマド)の人が多いと思いますが、これは食事の間隔が12時間や14時間の場合はIFではなくなってしまいます。6時間から8時間の間に2回食事を摂るのが現実的なスケジュールです。

さらに長時間のファスティングのことをProlonged fastingといい、24時間以上の長時間にわたります。外国人はかなり長期間のファスティングをする人もいますが、そもそも極度の肥満が少ない日本人には危険なのでおすすめしません。ファスティングの中にも種類があり、ゼロカロリーの水分だけ摂って良いものはwater fasting、水分も一切摂らないものをdry fastingと言います。ドライファスティングは非常に危険なので短期間でもおすすめしません。人によっては水分によって空腹感が誘発されるためドライファスティングをするようです。
日本人に勧められるのは24時間以内のファスティングです。急いで減量したい場合でも、無理なファスティングはリバウンドを招くので注意してください。ファスティングが体質に合っている場合は月に1度や2度などのペースで長時間のファスティングを取り入れるのも良いと思います。

ファスティングのメリットは、痩せやすくなること、内臓を休ませること、長寿遺伝子の活性化などです。デメリットは断食明けの食事で糖質が多いと血糖値が上がりやすくなることや、最近発表されたように心臓血管系の病気のリスクが上がることです。なので持病のある方はまず医師に相談してから行うようにして下さい。

IFの注意点として、1日の最初の食事はタンパク質と繊維質を最初に摂ることです。難しい場合は同時でも構いませんが、糖質単体で大量に摂ることは避けてください。
2度目の食事の場合も同様に糖質をいきなり摂ることは避けたほうが良いのですが、食事の前後に運動をする場合は糖質を摂っても血糖値が上がりにくくなります。食後に軽くウォーキングをするといいと言いますよね。食前にも運動をするとさらに効果的です。
また、食事前にお酢を水で希釈して飲むと血糖値が上がりにくくなります。アップルサイダービネガーが人気ですが、日本では手に入りにくいのでどの種類のお酢でもいいのですが糖質などを加えていないものを希釈して歯を傷めないようにストローを使って飲みます。

ファスティング中に摂取しても良いものは、ブラックコーヒーや無糖のお茶やボーンブロスなど。要はカロリーと糖質がほぼゼロのものです。

お腹が空いて寝られない時は軽く食べましょう。質の良い睡眠は痩せやすくなります。減量を優先するならチーズや野菜などの低糖質のもの、睡眠を優先するならば少量の炭水化物はメラトニンが出やすくなります。炭水化物は少し食べるともっと食べたくなる性質があるので、そこは気をつけてください。寝る直前にたくさん食べると睡眠の質が落ちます。夕食は寝る4時間前までに済ませるのが理想です。

ではeating windowをどの時間帯にするのが良いのかについて。食べる時間帯を1日のうち早い時間帯に持ってくるものをEarly time-restricted feeding (eTRF) と呼び、減量に効果的という研究結果があります。できれば朝食と遅い昼食を食べるのが理想的です。次に良いのが昼食と早めの夕食。避けるべきは遅い夕食で1日の摂取カロリーの多くを摂る場合です。しかし仕事柄、毎日のように夜に会食でコース料理を食べる人の場合は仕方がありません。そうでなくても、1日の終わりに夕食は好きなものを食べたい、朝はお腹が空かないので食べなくても平気、という人も多いと思います。その場合は無理に早い時間帯に食べずに、ストレスがたまらない方法を選んでください。

IFと糖質制限を組み合わせると痩せやすく空腹感を感じにくいのですが、カロリーを減らしすぎないように気をつけてください。逆に普段よりカロリー摂取が増えるとIFの意味がありません。基本的には摂取カロリーが消費カロリーを下回るかどうかです。同じ摂取カロリーならばeTRFと低糖質食の組み合わせのほうが痩せやすいという感じです。

糖質、脂質、タンパク質のことをmacronutrientsと言い、その他のビタミン類やミネラル類はmicronutrientsと言います。私たちがカロリーを摂取するのはマクロ栄養素からです。理想のマクロ栄養素の割合は専門家によって意見が分かれますが、栄養素によって消化のために使うカロリーが異なります。タンパク質は消化に20-30%、糖質は5-10%、脂質は0-5%と言われているため、タンパク質を多く摂取すると吸収されるカロリーが少なくなるということになります。しかしタンパク質を摂り過ぎると腎臓に良くないという説があるのでほどほどにしましょう。

体重が減り始めると気分が良くなって、どんどんファスティングの時間を長くしたり摂取カロリーを減らしたり運動量を増やしたくなります。しかしやり過ぎには要注意です。女性の場合はBMIが17を切ると生理不順や無月経になる人が出てきます。また、体重減少とともに基礎代謝がどんどん少なくなります。そして停滞期がやってくるのですが、この停滞期を乗り越えるためにcheat dayと言って摂取カロリーを増やす日を設ける方法があります。しかしこれはダイエットの挫折や過食につながる可能性があるので気をつけてください。基礎代謝の低下は減量がゆっくりでも必ず起きることなので、私は筋肉量を増やして摂取カロリーは減らさない方法をとっています。一度落ちた基礎代謝は再び上げるのに長い月日を要します。食事量を減らすなら運動量は増やさない、運動を増やすなら食事量は変えない、などの工夫が必要です。体重の減少は穏やかになりますが、継続可能かどうかが1番大切です。減量に成功しても多くの人がリバウンドして以前よりも体重が増えてしまうのは、減量のストレスからbinging(ドカ食い)をして、さらにそれが慢性的な過食(BED, binge eating disorder)になり基礎代謝が下がっているので簡単に体重が増えてしまうためです。リバウンドしなくても、過剰な食事制限はanorexia (拒食症)などのED( eating disorder 摂食障害)の引き金になります。減量で大切なのは、ストレスをためないことと継続できる方法で行うことです。私は上記の2つを経験しているので、性格的に自分を追い詰めやすい人は気をつけてください。

ファスティングについてまとめてみました。断食はあくまで健康や減量を手助けするものです。断食時間よりも何をどれくらい、どのタイミングで食べるかが重要です。健康的な食生活において大切なことは、ultra processed food(超加工品、自炊では使わないような添加物がいくつも入っているもの)や酸化した油や糖質の塊のようなものを避ける、栄養バランスの良い食事をする、適度な運動をする、よく寝る、です。

スピリチュアルに関係ないのにファスティングの記事?と思う方もいると思いますが、聖書ではファスティングに関する記述があり、イスラム教と仏教とユダヤ教でも断食は行われています。宗教的断食の場合でも、最初の食事でいきなり大量の糖質を摂ったり反動で食べすぎることは避けて欲しいと思います。

スピリチュアル的には長時間の断食で霊感が強くなる人もいるようです。私は長時間断食のファンではないのでIFにとどめていますが、宗教やスピリチュアル面から断食について考えるのも面白いので、機会があれば書こうと思います。

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