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僕はお父さん、そっくり?

「もう、本当に、ポチはお父さん、そっくりなのよ~💕」

これは、ご主人様のお母さんの口癖だ。
僕が、ご主人様の処に来たときには、もう、お父さんは亡くなっていたから、僕は、ご主人様のお父さんのことを知らない。

ただ、ご主人様の机の上に飾ってあるお父さんの写真を見ると、結構なイケメンだったようだ。
そして、とっても寡黙で厳しい人だったらしい。
もちろん、それは他人にだけではなく、自分に対しても、とても厳しい人で、自分で決めたことは、必ずやるし、とても義理堅かったらしい。

なぜか、お母さんは、僕の中に、そんなお父さんの姿を見ているらしい。

お父さんのことを思い出しているお母さんは、いつもこんな感じ。

そんな話を聞くと、僕としては、お父さんに一度、会ってみたかったなと、ちょっと、思う。
そうしたら、僕たちは、きっと、とっても仲良しになれたんじゃないかと思うんだ。

男同士、二人で、散歩に出かけて、ベンチに腰掛けて、人間ウォッチングをするんだ。
何を話すわけじゃない。
ただ、そうしているだけで、通じ合うものがあるわけだ。
そうして、今日も、1日、良い日だったな…って、感謝して、帰ってくる。

でも、もし、僕がそんな風にお父さんと仲良くなったら、お母さんは焼きもちを焼いたかもしれない。
それとも、「男同士、嫌ねぇ…」って笑っていたかもしれない。

僕は、そんなことを思いながら、お母さんの口癖をいつも聞いているのだ。

きっと、こんな感じ。

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