ジブリへの好き嫌い
ジブリの映画はどれも美しくて好き。スタンダードな画風もそうだけど、かぐや姫とかレッドタートルも全然ありだと思った。ポノックだけど、アーヤと魔女もいい加減見ないとな。久石譲さんの音楽もめちゃくちゃ好きでピアノで耳コピを試みるも数小節分やったところで限界を感じ断念、大人しく楽譜を買った。ジブリなら有名どころの映画に関しては音楽だけでどこのシーンか分かるということもよくある。テレビで偶然流れた曲を「これ久石感ある!!!!」と思って急いで調べたら作曲者が久石さんだったこともある。久石感ってなんだよ。ここまでくると気持ち悪い。
「続編を作らない」というこだわりも、ちょいちょいわざと棒読み声優を入れるのも好き。
シンプルにキャラクターも可愛い。中トトロと暮らしたいってここ7年ぐらい言ってる。
そして烏滸がましくも私なりに好き嫌いがある。見る人が見れば私がめちゃくちゃ浅い話を偉そうに語る小娘に見えて不快になってしまいかねないので、ジブリ映画の見方に自分なりのこだわりがある方はここから先読まないでください。地雷かもしれません。
おそらくジブリの有名どころで人気のある、所謂「ジブリらしい」作品の第一線はトトロナウシカ耳すまハウルもののけ千と千尋魔女宅とかそのあたりだと思う。宮崎駿の色が濃い(ように見える)作品。比較的誰が見ても面白く、キャラクターも全体的に可愛らしい。
「好き嫌い」という言い方をしたわりに嫌いなものは今のところ無くむしろ好きだが、ド陰キャ厨二病の私にはそれらの映画が眩しすぎてしまう部分もある。女性が理想化されすぎたり全体的に明るくポジティブすぎたりといった傾向を感じてしまう。おてんばヒロイン。わかりやすいボーイ・ミーツ・ガール。ジブリアンチの気持ちは暫く分からなかったが、この眩しさが苦手な人達がそれにあたるのかもしれないと最近思った。口調や画風がそれとかけ離れているだけで本質に苦手なラノベと近しいものを感じるという人の気持ちも分からなくはない。
私が特に好きなのはそれ以外……という言い方は雑かもしれないが、高畑勲とか米林宏昌とか宮崎吾朗とかがメインっぽくて「ジブリらしさ」が少し影を潜めた作品。アリエッティゲド戦記マーニーかぐや姫火垂るの墓コクリコとか。好みは分かれるけどジブリ映画の明るい美しい部分以外の部分も見えて、「美しいものが全てじゃないんだよ」と言ってくれている気がする。主人公ががっつり陰キャだったり、可愛い少女キャラに偏っていなかったり。
「生きづらさ」「孤独感」をしっかり描いている作品が多いところも好き。アリエッティ一家も、アレンもテルーも、杏奈もかぐや姫も生きづらさを抱えている。清太と節子は究極すぎるけど。コクリコのメルの普段オカン並にしっかり者のお姉ちゃんが恋をして心揺さぶられる感じとか。人気どころの方の作品はヤングケアラーを「面倒見の良い少女」としてナチュラルに描きすぎな気がしちゃう。アリエッティのあの、無事に引越しできたかどうかも翔の手術の結果も分からないまま終わっていく感じとかたまらない。小人としての生きづらさもそうだけど、「人間と仲良くできるかもしれないのに」と自分だけが思っていることによって家族内でアリエッティが孤立感を感じるのとかすごい好き。なんで興行収入少ないの、もっと評価されてほしい。ゲド戦記やかぐや姫やマーニーのジブリとは思えない主人公の病み加減。可愛いのが当たり前みたいになってるジブリヒロインたちの中で唯一顔に傷があるテルー(それでも可愛いけど)。かぐや姫のおじいさんの絶妙にリアルな毒親加減。マーニーなら杏奈が序盤で話している「世界のあっち側とこっち側の話」。あれめちゃくちゃわかる。
社会へのメッセージ性も、森林の減少についてならナウシカより平成狸合戦、戦争についてなら風立ちぬより火垂るの墓が格段に強い気がする。
ゲド戦記やコクリコ坂からといった宮崎吾朗監督作品に私が感じている魅力はもしかしたら、監督の父親に対するコンプレックスから来ているのかもしれない。私は宮崎吾朗監督が好きだよ、自信持って。でもコンプレックスがあるからこそ描けるものもあるのかな、難しい。
……本当に私は何様なの???
私はたしかに厨二病出身だが、今回ばかりはちょいマイナー寄りの作品を好む「分かってる自分」に浸りたいわけではない。本当にどこまでも陰キャなのだ。高尚さの欠片も無い感性で陰キャなりにジブリの映画を好きでいるだけだ。これくらいでジブリを分かった気になるなんて烏滸がましいし、「ジブリの中では比較的」というだけでマイナーというほどマイナーだとも思っていない。
そういえば隣の山田くんとか海がきこえるとか見てないな。見なきゃ。ギブリーズは見た。面白かった。ジブリの本当にマイナーなところまで全制覇してから語れよ愚か者。
来週やっと都合がつくので、最新作を見に行こうと思う。
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