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チャイコフスキー:『聖 金口 イオアン 聖体礼儀 』作品41より第10曲『ケルビムへの賛歌』

Tchaikovsky: Hymn of Cherubim - "Liturgy of St John Chrysostom Op. 41"
合唱:ソヴィエト国立文化省室内合唱団
指揮:ヴァレリー・ポリャンスキー
Uploaded: 2012/03/23

少しばかり、時間をさかのぼらせて頂き、チャイコフスキーの教会音楽を
ご紹介いたしたく存じます。

チャイコフスキーは、1870代後半から1880年代中頃の特定の時期に、
伝統ある ロシア正教会の音楽を 丹念に研究し改良したいという強い願望を抱き、集中的に聖歌に基づく作品を残しています。

主な作品は、

1.『聖金口イオアン聖体礼儀』作品41

2.『晩祷』作品 52 (Hymns of the All Night Vigil, Op. 52)。

カソリック教会での音楽とは趣が異なり、オリエンタルなメロディに包まれてはいますが、いずれも、教会にしめやかに響きわたる、清らかな、且つ
敬虔で真摯な「祈りの音楽」です。

本文をお読み頂く皆様に 8分だけ お時間を頂き、ご案内する「ケルビムへの賛歌 」の、張り詰めた祈りの中に身を委ねて頂ければ、と思います。

チャイコフスキーが 沈んだ深い懊悩の詳細を、つまびらかに解き明かすことはできません。

ただ神への祈りを捧げ、心身に 安らぎ と 平穏 と 豊饒 が 回復することを、ひたすらに願った彼の悩める魂が ここに あります。

彼が敬愛したモーツアルトのミサ曲にあった、ブラームスのレクイエムにあった、敬虔な神への祈りが、はっきりと ここに あります。

この 精神的 鬱屈 から自分自身を解き放つために、彼には さらに約7年間もの長い時間を乗り越える必要があった。
それだけは確かです。

以下、Wikipedia より抜粋させて頂きました。

ご紹介する『聖金口イオアン聖体礼儀』作品41(せい きんこう イオアン せいたい れいぎ)は、チャイコフスキーが 1878年に作曲した 正教会の奉神礼   儀式用の音楽 です。
(西欧世界では「聖ヨハネ・クリソストムの典礼」と呼ばれます。)

金口 イオアン の定めた「聖 金口 イオアン 聖体 礼儀」に曲づけを行ったもので、無伴奏の四声の混声合唱により無伴奏で歌われます。
奉神礼の聖歌においては人の声以外の楽器を使用しないという正教会の伝統にしたがっています。

本作品は1893年のチャイコフスキーの埋葬式において歌われました。
以降、現代に至るまで本作品は世界各地の正教会で、時に部分的に取り上げられて、歌われております。

1.金口 イオアン (Ioannes Chrysostomos、西暦345年頃 - 407年)

金口 イオアンは、東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルのキリスト
正教会で、398年から404年まで主教を務めた人です。
いわゆるギリシア正教の、教父を代表する一人で、名説教で知られたことから、死後100年以上経った6世紀以後に「黄金の口」(その口から出た言葉が黄金のように素晴らしい、という意味) を意味するクリュソストモスと呼ばれるようになりました。
正教会においては「三聖者」の一人であり「聖人」として崇敬されています。

2.「聖 金口 イオアン 聖体礼儀」

東方正教会において最も頻繁に用いられる典礼祈祷文で、「金口 イオアン」の名が冠され、「 聖 金口 イオアン 聖体礼儀 」と呼ばれます。


⇒ チャイコフスキー:晩祷 作品52 (All-Night Vigil for choir) へ
  まいります。


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