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すぴーの考えごと

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仕事、趣味、家族、社会、哲学などジャンルを問わず、なるべく平易な言葉で自分の考えをまとめていきます。世界は分からないから面白い。
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#哲学

生きるために生きる、それが人生の目的だと自信を持って言えるように

私は健康に気をつけている。お酒もタバコもやらないし、よく寝るし、駅から徒歩10分のところに住むことで歩く距離を確保し、BMIは標準、健康診断や歯科検診も定期的に受ける。健康を保つことが趣味ということに関しては、最近はさほど否定する人はいないのかもしれないが、「何のために生きているのか?」という眼差しで見られた経験が私にはある。 アンチエイジングなども似た立場にあり、この眼差しを持つ人々は「人間は老いて死ぬのが自然なのだ」と言ってアンチエイジング派を蔑む。本記事ではこの眼差し

自由意志が幻想だったら何がまずい?

NHKの科学番組「ヒューマニエンス」で、「”自由な意志”それは幻想なのか?」の回を見た。今日はこのテーマについて少し考えてみる。 自由意志が幻想だという話はずいぶん昔からあるが、そうだったら超ガッカリだ!という文脈で言われることが多い気がしていて、ヒューマニエンスの出演者も同様の反応だった。しかし自由意志という言葉が、今からの行動を意識内で好きに決められること、また、無意識に頼らず決めなければならないことを指すのであれば、それは明らかに誰も望んでいない事態だろう。 我々は

世代間倫理において純粋な利他行動はあり得るのか?

自分のためではなく他人のためにする行動を利他行動、他人のためではなく自分のためにする行動を利己行動といいます。また、利己主義という言葉がありますが、これには他人のことを顧みないで自分のことばかり考えるという、ネガティブな響きがありますね。誰しも自分のために行動したいのですが、他人のことを考えて行動する人のほうが信頼されるため、多くの人は程度の差こそあれ、利他行動をとっています。 逆に言えば、利他行動をする人は、巡り巡って自分のためになるということを分かって行動しているので、

責任の語源に”責める”という意味はない

哲学の世界では、責任は自由意志と関係があるものと考えられているようです。人間は次に行う行動を自由に選択することができるので、ある行動をした人にはその選択をしたことについて責任があるでしょ、というわけです。正当防衛とかの文脈では、選択の余地がないので責任が軽減されると。 しかしこの、自由意志の存在というのは人類の歴史を経るに従って、そんなものはないかもしれないという論調が多く見られるようになってきました。人間が行動したり考えたりするメカニズムが科学によって明らかにされてきたか

死の教育は生の教育と共に

教育の中でも難しいことの1つに、「死」と「性」があると思います。特に前者については、大人でも分からないことだらけなために、どう説明したらいいか迷います。うちの子はまだ0才なので難しい説明が必要になるのは当分先でしょうが、直前になって考えて整理できるほど甘いテーマではないので、練習がてら記事にしておきたいと思います。 死に関しては、主要な問いが2つあると思っています。1つ目は、死という概念を知らないほどの小さい子供が「死ぬってなに?」という形で問うもの。2つ目は、もう少し大き

ムーミンは哲学の才能があると思う話

ムーミンとスナフキン 「楽しいムーミン一家」のアニメなどムーミンの話を見ていると、いろいろなキャラクターがポロッと哲学的なフレーズを言ったりするのですが、中でもそのイメージにピッタリくるのはスナフキンでしょう。ムーミンの親友で、すぐ一人旅に出てしまうスナフキンは、経験豊富でいつも落ち着いていて、どんな質問にも答えます。すごいですよね。 でも私は、哲学的なフレーズをさほど言わないムーミンのほうが哲学の才能がある、何なら哲学者のじゃこうねずみをはじめ、登場するどの大人のキャラク