キャプテン翼の有名な「燃えてヒーロー」、よく聴いてみたら実はスーパーガッツマン石崎君の曲だった。

 日本がスペイン戦に勝利し、決勝トーナメント出場を決めた今日この頃、ワールドカップのために寝不足な方々も多いのではないでしょうか。

なお、今回の記事は権利上、殆どイラストやの画像でお送りします

 寝不足と言えば、昔からその代名詞と言われているのが「深夜ラジオ」。ミュージシャンや芸人さん達の軽快なトークが面白く、ついつい夜更かし・・・となっていたものですが、今はスマートフォンのアプリもあるおかげで、深夜までラジオにかじりつかなくても、昼間に聞くこともできます。ありがとう文明。

 先日、私大好きなマヂカルラブリーさんの「オールナイトニッポン0」(12月1日放送分)を、掃除の合間に聞いていたのですが、そこで最初に流れた曲が、キャプテン翼のアニメでおなじみ『燃えてヒーロー』が流れたんですね。

 タイミング的にはスペイン戦の直前の放送だったので、なんともぴったりな曲だな~!と思って聴いていたのですが

 歌詞を聞けば聞く程思ったのです。
 これ、「石崎君の曲じゃない?」って。

★登場用語説明★

 ここまで太字にした「キャプテン翼」「燃えてヒーロー」「石崎君」すべてに「???」となる方もいると思いますので、簡単に説明させてください。

 まず「キャプテン翼」は、日本を代表すると同時に、世界中でも愛されているサッカー漫画です。この記事を書くに当たって調べたら、noteにも公式ページがありました。


 1981年に連載が始まり、以後「ワールドユース編」「ROAD TO 2002編」など、学校や世界のクラブやワールドカップなど様々な舞台で、主人公である大空翼君や仲間・ライバルたちの成長が描かれている漫画です。「ボールは友達!!」という言葉を体育の球技の授業で必ず誰か一人は言っていると思いますが、その元ネタはこの漫画です。

 このサッカー漫画の影響は大きく、日本のプロ選手たちの多くもこの漫画のファンであるばかりか、海外出身の選手、例えばあのメッシ選手や、今神戸でプレーしているイニエスタ選手なども、この漫画から影響を受けたと言われています。

 そんな大人気漫画ですから、とうぜんアニメ化もされるわけで。「燃えて燃えてヒーロー」はそのアニメ版キャプテン翼のオープニングで流れていた曲なのですね。

 そして最後に「石崎君」について紹介します。

 この記事のキーマンとなる「石崎君」(フルネームは石崎了)はキャプテン翼の漫画において欠かすことのできない登場人物の一人。

 キャプテン翼の物語は、この石崎君がキャプテンを務めていた南葛小サッカー部に、主人公の翼君が転校してきたことから物語がスタートします。

 それまで0-30というスコアで負けることもあった弱小サッカー部だったところに大空翼君が加入したことで、後々全国大会まで出場するようになるチーム。

 正直僕が石崎君だったら、かるく不貞腐れそうなものですが、彼は持ち前の努力と真っ直ぐな心で、ゆくゆくは自身も日本代表になるほどにまで成長します。

 代名詞である「顔面ブロック」は、「ボールは友達!」と同じくらい全国のサッカー少年たちが使う言葉(=経験すること)の一つでしょう。

 この漫画、他の人たちはシュートでネットを突き破ったり、ゴールポストをける反動でシュートをブロックしたりする究極サッカー変人ばかりなので、主人公である大空翼君の近くにいた人物の中で一番「普通の人目線からこの漫画に参加している」人物が、この石崎君なのです。

(公式グッズもあります)

★燃えてヒーローは1フレーズで印象が変わる曲だった★

 ではいよいよ、「燃えてヒーロー」(作詞:吉岡治)の歌詞を見ていきましょう。

 冒頭はこんな歌詞から始まります

ちょっとあれ見な エースが通る
すぐれものゾと 町中騒ぐ

「燃えてヒーロー」(作詞:吉岡治)より引用

 これは間違いなく「エース=翼君」ですね。わざと変換されたカタカナの「ゾ」の辺りに時代を感じます

 で。どんな曲でもそうだと思うのですが、印象(記憶)に残るのってやはりサビの部分だと思うんですよね。

 この曲のサビの歌詞は

ダッシュ ダッシュ ダッシュ
キック・エンド・ダッシュ
いつかキメるぜ 稲妻シュート
そんとき俺が
スーパー・ヒーローさ

「燃えてヒーロー」(作詞:吉岡治)より引用

 となっています。サッカーアニメにふさわしいサビの歌詞ですね。

 私はこの曲をラジオで再聴するまでこのサビの部分しか覚えていなかったので、翼君がダッシュしてキックして稲妻シュートが炸裂するシーンしか頭に浮かんでいませんでした。
(実際、youtubeで当時のOPを見てみたらそんな感じでした。)

 でも、冒頭からこのサビに到るまでに、ある歌詞があるんですね。
それがこれ

それにつけても俺たちゃなんなの
ボールひとつに キリキリ舞いさ

「燃えてヒーロー」(作詞:吉岡治)より引用

 この歌詞を聴いた時の驚きと言ったら!(大げさかもしれないけど本当に驚いた)

 記憶には全くなかった歌詞なのですが、この歌詞が歌われた瞬間に、一気にそれまで翼君賛歌だと思われたこの曲が、「エースを羨む俺たち」というポジションにいる人によって語られている曲だと分かるのですね。

 そのポジションにいるのは間違いなく、翼君が来るまで南葛小のキャプテンとして君臨していた石崎君でしょう。

 0-30で負けるような試合を経験し、それでもサッカー愛し、プレーを続ける彼の前に現れた天才、大空翼。

 素晴らしいプレーでチームを勝利に導いてくれる、まさに救世主であることは間違いないのですが、彼に対してきっと石崎君はまさしく家に帰った後で「それにつけても俺達は…」と思っていたことでしょう。努力と誠実の人間、石崎君も人の子だったのです。

 そしてそうとわかると、さっきまでは翼君の歌詞だと思っていた

ダッシュ ダッシュ ダッシュ
キック・エンド・ダッシュ
いつかキメるぜ 稲妻シュート
そんとき俺が
スーパー・ヒーローさ

「燃えてヒーロー」(作詞:吉岡治)より引用

 この歌詞が、「それでも俺だって必ずいつかは・・・!」とサッカーで上を目指すことをあきらめない石崎君の、努力と向上心を表しているのだと気づかされるのです!!!!(興奮のあまり!が多くなりました)

 石崎君はその後、才能を徐々に開花させ、作中では日本代表の一人として、得点に繋がるアシストも。

 稲妻シュートは決めていないとしても、スーパーヒーローの一人になったことは間違いありません。

 一人の男がスーパーヒーローの存在に自分の存在の揺らぎを感じつつも、「いつかは」と願い、そしてそれを作品の中で叶える…そう考えるとこの歌、めちゃくちゃアツいですね。

 すげぇぜ、キャプテン翼!

 すげぇぜ、スーパーガッツマン石崎…!

 タレントに溢れたスーパーヒーロー以外の夢も叶えてくれる作品だからこそ、夢を追うサッカー選手たちに愛されている作品なのだと確信できます。全国高校サッカー選手権のテーマ曲とかもこれでいいんじゃなかろうか。

★俺もいつかは稲妻シュート★

 
 というわけで、アツい思いの秘められた歌だと数十年ぶりに再確認できた、「燃えてヒーロー」。

 サッカーに限らない、実生活においても、自分よりもはるかに能力が高い人や、タレントに恵まれた人に出会うことは多々あります。

 そんなとき、この曲を聞くと勇気をもらえるのではないでしょうか。

 僕もいつかは稲妻スーパーおもしろ記事を放ちたいです。


いつか決めるぜ!


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