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果物の天ぷらで日本の秋は今年も上々

時たま自分達へのご褒美で行く。ちょっといい居酒屋さんがある。

その日は家の掃除を頑張り、新しい本棚も作り、そこに溜まりにたまった本やら漫画やらを整頓して入れるなど、かなり頑張ったので、夫婦ともに文句なしでそこに行くことに決定した。むしろあらかじめその店に行くための口実として、休日に掃除を頑張ったと言っても過言ではないのかもしれない。

で、店についておすすめを見ているとこんなメニューを見つけた

「柿とカキの天ぷら」

ギャグかよ!と思わず突っ込みたくなる。
けれどここは間違いなくすべての食べ物がおいしい、そして、日本酒もたくさん取り揃えていて、「君たちのことは何でもわかっているのですよ」と言わんばかりに多くの酒飲みたちが店主の手のひらでころっころ転がされるくらい、信頼できる店である。
ということは、まさか冗談で作ったメニューでもないのだろう。

というわけで頼んでみた。柿とカキの天ぷら。

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いやまぁ、ここでこんな風に書いてるくらいですから、結果なんてわかっているとは思うのですが、それでも言わせていただくとですね

これが、馬鹿みたいに美味しかったのです。

カキの天ぷらが美味しいのは当たり前だと思うので感想は割愛しますが(それでも心の中で拍手喝采するくらい美味しかった)、
カキの天ぷらが、初体験ながらもすごい美味しかったのです。

外は衣をつけて少しカリッと。そして中は火が通っていてすこしトロットした食感になっており、これはあのフルーツのカキなのだろうか、と思ってしまうくらいの変わりよう。少し塩をつけて食べるもよし、天つゆに浸してたべるもよし、

そして何より日本酒に合う・・・!

諭吉が笑顔で遠くに旅立っていく幻覚を見つつ、僕は日本酒のお替りを店主にお願いしたのでした。

で、酔っぱらった頭でそう言えばと思いだしたのが、以前食べたことのある「栗の渋皮煮の天ぷら」だった。食べたのはやっぱり和食のお店で、親族のお祝いで連れて行ってもらった、自分だったら手の届かないお店だ。

栗は栗ご飯などで食べられることもあるけど、やっぱり主戦場はモンブランや羊羹などのお菓子業界だろう。なので最初に目の前に出されたときは「変わったことするなぁ」くらいにしか思わなかった。

けれどそんな中で食べた栗の天ぷらは、これまたサツマイモの天ぷらほど甘すぎず、食感もホクホクとしていて「あぁ、なんで今まで人は栗を天ぷらにしなかったんだろう」と思わされるほどだった。

こう考えると、果物と天ぷらって実は相性が良いのかもしれない。

例えばスイカ。
甘くない外側の方とかで作ってみたら、案外おいしいんじゃないだろうか。塩をかけて食べると、塩分とスイカの甘みがいい具合に進化して、異世界の味になりそうな気がする。断面が真っ赤な天ぷらと言うのも、映えててひょっとして受けるんじゃなかろうか。

桃だって、売れてない少し固めくらいのものを揚げてみたら、外はカリッと、中はトロっとした、柿と同じようなおいしさの新しい料理が出来上がるのかもしれない。

あくまで想像でしかないけれど、みかんとかイチゴとか、少し酸味があるものはおそらく合わない気がするけど、葡萄の天ぷらとかもおいしそうだけど、それは流石にデザートか。

天ぷらにされることで本来酒のつまみには程遠かった「果物」が「おつまみ」になる。

なるほど、やはり料理とは奥深いものなのだなぁと思う今日このごろ。

あと油と小麦って本当にすごい食品。

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