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ペヤング超大盛やきそばギガマシキャベツは72時間と3分あれば食べられる。

とにかくあのキャベツが美味しいなと思っていた

ペヤングについて書く。
このことは昨今のwebメディア界隈では中々に難しいことな気がする。
ペヤングのことを書くとなるとどうしても、そのバリエーションの多さとその色味の強さから
「極激辛カレー味を食べてみた!」とか
「超超超大盛ペヤングを食べてみた!」とか書きたくなるのだけれど、
それは多くのyoutuberなりライターさんが腕に寄りをかけて記事にしている。
そして僕が今回書きたいのはペヤングのそこではない。
キャベツだ。
今回僕はペヤングのキャベツに着いて書きたいと思うのですよ。

ペヤングのキャベツは美味しい。
ペヤングの主役は何といっても麺だ。それはもう言うまでもないことなのだけれど、じゃあ二番はとなったら、僕はあの「かやく袋」に入っている少量の肉のようなものよりも、断然キャベツ!と言いたくなる。

中途半端なザクザクとした食感。
そこにソースが絡まってこれだけで十分おかずと言うかおつまみになりそうな攻撃力。
野菜ですよとアピールしているようで、「いや、でも僕からは栄養を期待しないでね…」と言っているような謙虚さ
でもでも茶色一色になりがちなペヤングに彩をあたえるかすかな安らぎ。
人間にしたらすごくいい奴なんじゃないかと思えてくる。

世の中には僕と同じように考えいた人は多いみたいで、そこを敏感にキャッチしたまるか食品さんは去年の春ごろに「ペヤング超大盛やきそばマシマシキャベツ」なる商品を発売した。

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(見た目からしてキャベツ)

大量のかやくの入った袋のおかげで、あの乾燥キャベツをこれでもかというほど堪能でき、ペヤングキャベツ愛好家に大いなる満足感を与えてくれたのである。

ところが、こういう「スペシャル商品」の定めなのか「ペヤング超大盛焼きそばマシマシキャベツ」は期間限定での販売だったらしく、現在は店頭で見かけることはない。
HPを見ると現在では「ペヤングソースやきそばマシマシキャベツ」という、通常サイズのペヤングに4倍のキャベツが入ったものは売っているらしいが、そこそこに田舎にある僕の町にあるのは通常サイズの「ペヤングソースやきそば」か大きなサイズの「ペヤングソースやきそば超大盛」だけなのである。
あぁ、あのマシマシキャベツよ…と僕は夜空の星にその不在への涙を流したものだった

★乾燥キャベツは要するに干しキャベツだ★

春も近づいたある日、ペヤングを食べていた僕に天啓が舞い降りた
「キャベツ…干し野菜でキャベツ作ったら…マシマシし放題…」

そうだった、そうなのだった。

あのキャベツはお湯で戻る乾燥キャベツ。
キャベツを乾燥させたら乾燥キャベツになるのだ。
そして我が家にはそれを作りうる道具がある

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干し網~~★

「テレビで見た時に欲しいと言っていた」という理由で数年前に妻からクリスマスプレゼントにもらって以来、ちょくちょく干し野菜を作っていた私。コロナ禍でスーパーの野菜が少なくなりそうなときには、葉物とかを干して備蓄したりと、意外に便利なアイテムです。

これでキャベツを干せば、夢の「ペヤング超大盛やきそばギガマシキャベツ」が作ることが出来る。

僕はさっそくその準備に取り掛かった。

と言ってもやることは簡単で

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キャベツ6分の1個くらいを

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一口大に刻み

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刻みまくったのを

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干し網に並べて

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干す!楽!時間にして20分もかからない。(ついでにシメジも干した)

注意点と言えば重ねたりするとそこからカビの原因になるのと、夜は部屋に取り込むこと。後はひたすら外に放りだすだけ。
思い立った日からしばらくの間の天気が晴れ続きだったので、心置きなく干し野菜を作ることが出来た。

★キャベツが干しキャベツに変化していく

干して丸一日。

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結構ギュッと縮まっているのが分かるが、まだまだキャベツの水分は残っている感じなので干すのは続行。

干して48時間。

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かなりいい感じになってきた。

と、ここで謎の現象。
キャベツの切り口から、透明な球体が出てきた。

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(指で持ってるやつの先に見える丸いのがそれ)

最初は「あれ、寒暖差で露がついたのか?」と思ったのだけれど、触ってみるとこれがべたべたしている。丁度ガムシロップを触ったような感じ。
「え、カビ??」と、この企画失敗かと一瞬思ったのだけれど、気候的にも湿度的にも、かびるってことはないはずだしなぁ…と思い、思い切ってなめてみたらほんのりと甘いし、何となくキャベツっぽい味がする。

これはキャベツの糖分が水分の蒸発と一緒に押し出されて、凝縮しているものなのでは…と仮説を立てて、「とりあえずセーフ!」とすることにした。

そして干して72時間。

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どーよどーよ!と、すしざんまいの社長のように自慢したくなるレベルの干しキャベツが出来上がった。

日光に当たってアントシアニンが出るらしく、色味は悪いが、見た目はまさしく干しキャベツ。
ちなみにこのまま冷凍保存もできるので、困った時の備蓄として、葉物が安い時に干し野菜を作るのは本当におすすめです。

さて、72時間経っていよいよ本題。

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ペヤング超大盛焼きそばに、このありったけの干しキャベツを盛る。

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通常のかやくと比べ物にならないこのキャベツの量。

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蓋を半分あけ、まずは通常の火薬を入れ

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次に干しキャベツを全部入れる。なんだこの量。
キャベツが多すぎてぎゅうぎゅうと押し込めるように入れなくてはならなかった。大変だったけれどこれは期待が持てる。

そしてお湯を注ぐこと3分。

制作当初から考えるとだいたい72時間と3分。

ついに完成したのがこちら

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「ペヤング超大盛やきそばギガマシキャベツ」である。

圧巻。圧巻のキャベツの量。

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ソースを入れて混ぜても、キャベツの存在感が一切消えない。

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ちなみに普通のペヤングだとこんな感じなのでその差がお分かりいただけると思う。

そして…念願の実食!

★そこには干しキャベツの楽園があった

普段だったら「キャベツばっかり食べるともったいないから…」とケチってしまうペヤングキャベツ愛好家の私も、今日ばかりはどこからどのように口をつけても、麺とキャベツがキャベツ過多の状態で口に入ってくる。

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分け入っても分け入っても干しキャベツ。

嚙んでも嚙んでも干しキャベツ。

理想のペヤングが生まれてしまった。

しかもきっちりと最初から自分で作った干し野菜だからか、キャベツの味自体も濃くて、ソースの濃さによく合う。麺のもさもさ具合と、キャベツのザクザク感、本当にハーモニーとはこのことだ。

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食べ進めてもまだこれだけキャベツが!(やや汚い写真ですみません。嬉しくてこんな写真ばっか取ってた)

飽きることなく、むしろもっともっと!と思ってるうちに完食。
大満足の一杯だった。これはまた干しキャベツを作って是非作りたい…。

ちなみにこれだけ大満足の干しキャベツだが、何といってもお日様はタダなので、実際にかかった材料費だけで考えるとキャベツ6分の1で、高く見積もっても30円。

30円でこの満足度!自分で書いててびっくりだ。

今後急に「あぁ、ペヤングキャベツが死ぬほど食べたい…」となった時のために、干しキャベツは常備しようと思ったのでした。皆様も是非チャレンジしてみてくださいませ。

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(そんな夫の行動を見透かしたかのように、妻がでかいキャベツを買ってきていた。これで何杯分のペヤングが…!)


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