#3 大人が楽しめる「かぐや姫の物語」 2023/04/02
はじめに
神話は、古代から現代に至るまで、ある文化や民族が持つ信仰や価値観、歴史や起源、自然現象の説明などを伝える物語です。神話は、一般的には歴史的事実や科学的根拠に基づいていないとされますが、それでも人間の心の内面や、ある種の真実を象徴的に表現するものとして、重要な意味を持っています。そのことを理解していると、よく知っている物語も一際味わい深いものになります。
かぐや姫の物語について
スタジオ・ジブリの「かぐや姫の物語」を観ました。幼い時からよく知っている物語ですが、大人になって観ると、とても感慨深いものでした。「かぐや姫の物語」は、スタジオジブリが制作した2013年の日本のアニメーション映画で、高畑勲監督によって手掛けられました。物語は、10世紀の日本の古典文学『竹取物語』を基にしており、かぐや姫という謎の少女の成長と運命を描いています。有名な物語なので知っている人は多いと思いますが、あらすじは以下となります。
ある日、竹取の翁という老人が竹林で輝く竹を見つけます。竹から出てきたのは、小さな女性で、翁は彼女を連れて家に帰ります。翁と妻は子供がいなかったため、彼女を自分たちの娘として育てることに決めます。彼女を「かぐや姫」と名付け、やがて彼女は美しい大人の女性に成長します。次第に、かぐや姫の美しさは広く知れ渡り、多くの男性たちが彼女に求婚します。しかし、かぐや姫は誰も受け入れず、彼らに難題を出して遠ざけます。その後、かぐや姫は自分の出生の秘密を知り、彼女が月の都から地上に送り下ろされた理由を理解します。
生まれ変わり論について
それ以降は、皆さんご存知と思いますが、大事な部分のネタバレになりますので書かないでおきます。私は、人生の意味として「生まれ変わり論」を採用しています。その「生まれ変わり論」では、魂は何度も生まれ変わる存在だとされています。魂は大きな光の玉の中にあり、そこから私たち一人ひとりの魂が現れるのです。魂たちは仲良く過ごしながら、その世界を楽しんでいます。魂の世界は時間軸・空間軸を超えた世界で、好きな場所に行けたり、好きなものが手に入ったり、何でも手に入る世界です(欲しい物があるのかはわかりませんが)。魂たちは一つの塊でつながっていて、互いの考えが分かり合える状態で、たくさんのことを共有しています。
悩みや苦悩のない、穏やかな世界です。しかし、この世界では魂が成長できません。楽しい楽園のような世界にいると、居心地が良いですが、それでは成長できないことを魂は知っています。そしてまた挑戦したくなるのです。この制約のある世界に生まれることで、様々な勉強ができるのです。魂たちは順番を待って、神様から地球へと送り出される許可をもらいます。それはまるで学校に行くような感じで、勉強の機会が与えられるわけです。神様や友達と一緒に、これから生まれる人生について相談します。どんな人生を歩むべきか、前回の人生では得られなかった経験や、自分が苦手とする部分を克服するための人生を選ぶのです。
例えば、お金持ちの人生を過ごしたので、今回はお金に困る人生を選ぶかもしれません。前回の人生で結婚相手に恵まれなかったので、今度は結婚する人生を選ぶかもしれません。まるで小学生の夏休み前のように、わくわくしながらいろんな計画を立てるのです。神様や友達からは、「そんなにたくさんのことを経験するのは大変じゃないか」と言われることもあるでしょう。しかし、自分はできると信じて、地球に生まれるための準備を進めます。盛りだくさんの人生計画を立てることで、さまざまな経験を積み、魂の成長を目指すのでしょう。
この魂の物語では、地球に来てお父さんやお母さんを選び、自分が望む人生を歩むために生まれてくるのです。そして、自分の計画に沿って、人生を歩んでいくのです。
この「生まれ変わり論」が科学的に証明されているかというと、2000報以上の研究があります。退行催眠を用いて過去世について調べる研究がその一例です。例えば、小学生に退行催眠をかけて、彼らが前世でどのような人物であったかを話させることができるのです。その子どもたちが話す前世の情報を調べてみると、実際にそのような人物がいたことが分かることがあります。このような研究を通じて、輪廻転生や何度も生まれ変わって経験を積むという考え方が科学的に証明される日が来るかもしれません。またどんな研究があるのか紹介させていただきます。
人生を生きやすく
これには様々な意見があるかと思いますが、このような論文や研究が存在することは確かです。だから、これが事実かどうかと言われれば、事実かどうかは私にとってはあまり重要ではありません。ただ、そのような論文があることで、勇気づけられる気持ちになることは確かです。サンタクロースがいるのかどうかと同じような感覚で、信じたいと思う気持ちがあるのです。人間には物語が必要だと思います。生きていくための物語です。例えば、自分が生まれてきた意味や生きる意味、出会った人との意味を考え、自分の中に持っておくことが大切です。人間は、言葉を持ち、社会性のある生き物なので、ただ生きて年を重ねて死ぬだけでは満足できません。自分の生きる意味や目的を意味付けしないと生きづらい生き物だと思います。
そのときに、物語があると、生きやすくなります。宗教であってもいいし、他の何らかの物語でも構わないと思います。大切なのは、自分が生きやすく感じる物語を持つことです。私は生きづらいと感じることの多い日々を過ごしています。だから、どんな手段でも生きやすくなればいいと思います。僕にとって、そのツールが「生まれ変わり論」であったというだけです。つまり、大きな塊の中から生まれてきて、自分の人生計画を練り、この世界で勉強し、魂を成長させ、元の世界に帰るという物語があるといいなと思います。
まとめ
私にとって、この「かぐや姫の物語」は、「生まれ変わり論」を美しいビジュアルと感動的な物語で魅了した作品でした。もちろんいろいろな見方があると思います。私の大切にしている考えなので、より寄せて想ってしまうのでしょう。物語の中での私の解釈は以下になります。
竹から現れた小さな女の子を翁は見つけます。するとその女の子は翁に笑いかけます。
自分が成長できる親を選んで子は生まれてきます。
翁は小さな女の子を家に連れて帰り、妻に渡すと女の子は赤ちゃんになります。
赤ちゃんは女性から生まれますよね。
ある日、翁は竹の中からお金や美しい衣を見つけます。
その子供に宿った才能のことを示していると思います。その才能を存分に生かして、この世を渡っていくのです。
彼女はその才能を与えられ、学校に行き、時にはうんざりしながらも、先生に導かれて成長していきます。
それは現代と同じですよね。
彼女は5人の高貴な男性から求婚されます。
これは人生の課題を示していると思います。それぞれの課題に対して、精一杯がんばってクリアしていかなければなりません。
これ以上は書けませんが、その後も美しいビジュアルと感動的な物語で「生まれ変わり論」が展開されます。人生の喜怒哀楽、つらいことや楽しいこと、感情の営みがあるこの世界を、月の世界の人々は懐かしく思い、羨ましく思って再びこの世界に生まれ変わることを願っています。そして、彼らは再びこの世界で様々な課題に取り組み、学び、そしてまた月に帰っていくのです。月の世界は平和な場所でありながら、彼らが願うのはこの地上の世界なのです。この生まれ変わり論をとても美しく表現してくれるのが、しんぼう流の切り口で観た「かぐや姫の物語」でした。
Reference
飯田 史彦:[完全版]生きがいの創造 スピリチュアルな科学研究から読み解く人生のしくみ
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上記のお話に加え、慈悲の瞑想と今日の言葉を放送しています。
音声の方が聴きやすい方もおられると思いますので良かったら利用ください。
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