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不揃いのパーツで、強く美しい全体を組み上げる

宮大工は、ひとつひとつ特性の異なる木材のパーツを見極め、組み合わせることで強く美しい建築を作り出す。これも、安宅さんの「シン・二ホン」に登場する例えだ。

これからの私たちには、完璧にサイズや特性を揃えた工業製品のパーツで大量生産するのとは全く別次元のスキルが求められる。それはかつての日本に確かに存在したもの、そして今失いつつあるもの、失ってはならないもの、だと思う。

日本はプラットフォーム開発が苦手と言われる。部分と全体との関係でいえば、現場で察知した個々の変化を、仕組み全体にフィードバックして修正する力が鈍ってしまった結果といえるのではないか。

魂は細部に宿る、というコトバもある。担当の細かいことだけちゃんとやっておけばよいという意味ではなく、現場の一つ一つが全体システム全体に及ぼす影響を理解することだ。これを誤って運用してしまったのではないか。

異なる個が柔軟にそれぞれの役割を果たし、全体として強く美しい社会を形成していくことへの願いが「シン・二ホン」には、込められていると思う。

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