#34 交響曲
小学生3,4年生の時、ドラえもんが凄く好きだった時期があってクラスでもドラえもんマスターと呼ばれるくらい知識が豊富だった。
なんで好きになったのかは全く覚えていないのだが、勉強もスポーツもイマイチで、おっちょこちょいなのび太君にどこか親近感を感じていたのは間違いない。
漫画やアニメも信じられないほど観た。原作者の藤子・F・不二雄さんについても沢山勉強したし、ひみつ道具も沢山暗記した。オープンしたての川崎市にあるミュージアムにも真っ先に足を運んだ。当時の自分の頭の中は、
ドラえもんや藤子・F・不二雄さんの他の作品
のキャラクター達で頭がいっぱいだった。
ハマる前に、初めて親に買ってもらった漫画もドラえもんだったこともあって文字や言葉の勉強はそこから吸収していた。
大袈裟な表現ではあるが、ドラえもんから全てを教わったと言っても過言ではない。
(大袈裟だなぁ!!!!!)
今はドラえもんが好きではないのか?と聞かれたら「好きだ」と答えるだろう。
#33でも書いたが毎年映画を観ているし、
欲しいものは何?という質問に対しては
「ドラえもん」だと必ず答えている。
(これはあんまり好きと関係ないか…)
今年度の作品
「映画ドラえもん のび太の地球交響曲」は
中学3年の頃から観てきた計6作品の中でも
特に自分がドラえもんに熱中していたあの2年間を思い出せるようなとても良い作品だった。
(ここからはネタバレをかなり含めて書いていますので映画を観る予定のある方はご注意ください!)
今回のテーマは音楽。作品の中ではオーケストラを使った楽曲が沢山使われているため、映画館の迫力あるサウンドで最高の臨場感を味わうことが出来る。
もうこの説明だけで分かると思うが、今までのドラえもんの作品に壮大な音楽が加わったもの。それが今作の特徴である。
ストーリーはザ・ドラえもんのお話。
学校で行われる音楽会で、クラス全員でリコーダーを演奏するのだがのび太君だけが一向に上達しない。もうリコーダーなんてやりたくないといつものようにのび太は不貞腐れるのだが、ドラえもんのある道具に、「音楽がなくなる」と書き込み音楽の授業を無くすことに成功する。
「音楽がない」という言葉を使ってしまったが故に一時的に世界中から音楽が消えてしまった。ドラえもんのおかげその場を凌ぐことが出来たが、これが後に地球全体を巻き込む大きな問題になる。
と言った始まり方で、ひみつ道具を上手く使って問題をしずかちゃん、ジャイアン、スネ夫と力を合わせて解決する。
いつもと変わらないお話の流れなので、
飽きるのでは?と思うかもしれないが
変わらずにドラえもんらしさを貫いてくれることで、何も気にせず安心して観ていられるのが、ドラえもんの映画の魅力だと自分は思っている。
ラストシーンで使われた第3楽章まである地球交響曲。ドラえもんを含めた5人やその仲間達が音楽を奏でて、敵を倒すシーンなのだが
音の迫力とメロディーの温かさが合わさって
物凄く心に響いた。
最後のワンフレーズで
夢をかなえてドラえもんの冒頭部分
「心の中 いつもいつも〜」のメロディーが使われていて、何故だがその瞬間一滴だけ目から涙がこぼれ落ちてきた。
夢をかなえてドラえもんは自分がアニメを毎週欠かさず見ていた時のオープニング。
心を踊らせながら観ていた過去の作品の記憶。
そして温かいメロディーで作られた劇伴。
その3要素のおかげで、一瞬で脳内に
ドラえもんで頭がいっぱいだった時の記憶が蘇り、あの時の幸せな気持ちを追体験した気分だった。
映画を観終わり、階段を降りていると
とても明るい子供の声がかすかに聞こえてきた。下に降りるにつれてその声がはっきり聞こえるようになり、ようやく言葉が聞き取れた。
「ポケモン終わっちゃったねぇ〜」
ある意味、忘れられない1日になった。
楽しかったあ!
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