【まとめ】僕が小説新人賞の最終選考に残るまでに取り組んだこと一覧
こんにちは、山本清流です。
小説新人賞の最終選考に残った経験があります。
もちろん、実力としてはまだまだですが、ある一定のラインはクリアできたのではないかと感じています。
そこで、そんな僕がいままでに取り組んできたことをまとめておきます。
なにか参考になれば幸いです。
さっそくですが、以下のとおり。
〇なんとか頑張って長編を書く
〇プロの作品を書き写してみる
〇主語を意識して書く
〇ノウハウ本などを読む
〇できるだけたくさん本を読む
順番に解説していきます。
よかったら、ぜひ。
【なんとか頑張って長編を書く】
まずは、これ。
もちろん、僕にも書けないときはあったし、スランプにはまりすぎたこともあるのですが、
とりあえず、書くことが大事なんだと思います。
僕は、意外に、たくさん長編を仕上げていました。
その多くは小説とは呼べないものですが、それでもよかったと思います。
たくさん書いていく中で、だんだんと小説の形に近付いていったのだから、過去は水に流そうというつもりです。
逆に言うと、選考にまったく引っかからなくても、とりあえず長編を書き上げられているなら、
そこでひとつ、安堵してもいいかもしれません。
僕の場合、ずっと一次オチでしたが、急に最終選考に残りました。
選考という形では目に見えなくても、わからないところで徐々に小説として改善していたのだと思います。
長編をちゃんと完成させていけば、ちょっとずつ進歩しているはずです。
【プロの作品を書き写してみる】
続いては、これ。
僕は、個人的に貴志祐介さんの文章が好きなのですが、
代表作でもある『悪の教典』を書き写すという修行をしていました。
ほかにも、辻村深月さんの作品や、道尾秀介さんの作品などを書き写していくことで、いろいろな気づきがありました。
一冊まるごとやる必要はないと思います。
数ページだけで意外に、たくさんのことに気づきます。
たとえば、『――』ってこうやって使うんだ、とか、『しまう』ってこんなところで使っていいんだ、とか。
登場人物の目線の動きに合わせて場面状況を描写しているんだな、とか、思考の描写の中にときどき動作の描写を紛れさせているな、とか。
冒頭の5ページくらいを書き写すだけでも、いろいろ勉強になると思います。
正直、僕も、数ページ程度しかやっていませんが、それでもタメになったという実感です。
時間のあるときにまたやりたいです。
【主語を意識して書く】
続いては、これ。
小説って、けっこう無秩序な印象でした。なにを書いてもいいし、どんな表現をしてもいい、という感じです。
でも貴志祐介さんの小説を読んでいるときに、あることに気づきました。
「めちゃくちゃ秩序じゃん!」ということです。
貴志祐介さんの文章は、(語弊があるかもしれませんが)わりと機械的でロボットが書いたようなところがあります。
それが心地よく読めるのですが、それはなぜだろうと考えたときに、
著者が主語をはっきりと認識しているからだ、と気づきました。
貴志祐介さんの文章においては、主語のあとはだいたい読点があって、大きく強調されています。
そして、主語+述語が何度も繰りかえされ、主語はもちろん、述語の多くも作品内で統一されています。
主語、述語、主語、述語、主語、述語……。という秩序の世界が築かれているんです。
それに気づいて以来、僕は、主語を意識して書くようになりました。
文章が改善した一因だったのではないか、と思っています。
主語がなにをして、なにをして、なにをして……。と主語の動きを書いていくだけで小説は出来上がるみたいです。
その意味においては、小説は=「主語にさまざまな述語を連結させていくことで、ストーリーを語るもの」かもしれません。
【ノウハウ本などを読む】
続いては、これ。
ノウハウ本などはいろいろありますが、
なかなか手を伸ばせないでいました。
しかし、読んでみると、役に立つことはいろいろありました。
現在は、現役作家が書いたものなども流通しているので、とても参考になるはずです。
僕がいちばん参考になったのは、『ミステリーの書き方』という本です。
実例に沿って現役作家が解説してくれるので、
理論とか方法だけでなく、具体例における思考が垣間見えて、とても参考になりました。
【できるだけたくさん本を読む】
最後は、これ。
やはり本を読んでいなかったときに比べたら、
できるだけ本を読んでいるときのほうが完成度は上がっているなと感じます。
面白い本と出会うと、自分でも再現したくなるので、
モチベーションも上がっていきます。
量もたぶん大事なのでしょうが、
量というよりは、自分のモチベーションにつながるような傑作と出会っているかいなか、が重要だと思います。
僕の場合、ミステリにおいては『十角館の殺人』というのが個人的傑作であるし、ホラーにおいては『隣の家の少女』という傑作があります。
そういう作品が自分の心の中にあるので、執筆への意欲が掻き立てられるという側面はあると思います。
【なにがよかったのか、結局、わからない】
しかし、実のところ、
なにが小説の改善に向かったのか、定かではありません。
そんな単純な話でもないかもしれませんが、
でも、いちばん重要なのは、なんだかんだ書きつづけていたことかな、と思います。
小説を書くのは大変なことなので、書きつづけていることが自分でもびっくりです。
これからも書きつづけていくことで、徐々に改善していきたいです。
【僕は6回、一次オチしている】
最後にひとつ。
僕は一次オチしまくっている人なので、
そういう方の励みにもなれば幸いです。
選考に残らなくても、ひとつ作品を完成させるごとになにか得ていくものがあるんじゃないかと思います。
そんなところで、今日は以上です。ありがとうございました。