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【有益】小説のアイディアをつくるプロセスを実況中継します【本気でつくったアイディア3つを例に】

 こんにちは、山本清流です。

  

 カクヨムでショートショートを半年以上、毎日更新している大学生です。

 毎日小説のアイディアを考えつづける生活を送っています。


 さきほど、次のようなツイートをしました。

【小説のアイディアをつくるときは、基本、回避です。面白いものを生みだそうとするのではなく、面白くないものを回避する。それがベストだと思います。面白いものはよくわからないけど、面白くないものやありきたりなものはよくわかります。何度も、回避。回避、サイコー】

 アイディアをつくる際、面白くないものを回避したほうが、楽です。

 この考えについて、実際に僕がつくったアイディア3つを例示しながら深掘りします。


 【小説のアイディア3つ、公開します】

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 僕のアイデア帳のアイディア3つを公開します

 そのアイディアは以下のとおり。


 【①SFホラー】

 南米の南米のジャングルの奥地の村で、近隣の村と相互関連のない意味不明な言語が発見される。

 かれらの言語がどこから来たのか。村に潜入した言語学者は、村の中で不可解な儀式を目撃する。言語を分析する中、宇宙人の存在が浮き彫りになってくる。


 【②「してはいけない」系ホラー】

 他人の顔を判別できない相貌失認の主人公が、殺人を目撃する。殺人犯の顔は見たが、どんな顔かはわからなかった。

 やがて最先端の手術を受けて相貌失認が解消するが、そこに、「殺人犯は俺だ」と男が現れたため、相貌失認のふりをする。

 殺人犯の男は半信半疑ながら、主人公をともない、逃避行。顔がわからないふりをつづけなければいけないホラー。


 【③新感覚ホラー】

 ブラインドサイトとは、盲目であるにもかかわらず物を除けながら歩くことができるような無意識の視力のことだ。

 盲目の老人は、無意識に殺人をおこなう。その裁判が実施された。裁判の争点は、無意識的な殺人は殺人にあたるのか、だった。

 主人公の弁護士は、犯意がなかったとして老人の弁護をする。そのうち、老人は、無意識に裁判で暴れ出す。裁判官を殺害。老人はなにも見えないが、老人の脳には見えている。悪意のない老人に襲われるホラー。


 いかがでしょうか。評価はお任せします。

 さっそく、上記した3つのアイディアをつくったプロセスを実況中継します。


 【アイディアをつくるプロセスとは

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 以下に、上記した3つのアイディアをどうつくったか、公開します。


 【①SFホラーについて】

 これは、大学で言語学の勉強をしているときに耳にした話題がきっかけでした。

 ジャングル地帯などで言語が点々と散らばっていて相互連関がよくわからないという現象があるようで、そこから、その意味不明な言語を小説にでいないかと考えました。


 その結果、意味不明な言語と、宇宙人を組み合わせました。

 意味不明な言語は宇宙人の言語で、宇宙人から現地人はその言語を学んでいた、と展開させたのです。


 【回避ポイント】

 言語はふつう人間が生み出したものです。それが当たり前です。

 しかし、あえて、そのありきたりな前提を回避しました。


 人間のものでないなら、誰のものか? そうだ、宇宙人だ。

 と、人間を回避することで、宇宙人に辿りつきました。


 ありきたりな前提を回避し、新しい展開をつくれたのです。


 【②「してはいけない」系ホラー】

 大学で認知心理学を勉強していたとき、相貌失認を知りました。

 そこから考えました。


 相貌失認の人は相手の顔を認識できないから、殺人を目撃してもその殺人犯が誰かはわからない。このシチュエーションを使えないか、と考えたのです。

 その結果、相貌失認を治癒したあと、殺人犯に捕まり、殺されないために「相貌失認です」と嘘を吐かなければいけない展開をつくりました。


 【回避ポイント】

 最初は相貌失認の主人公が殺人犯に囚われ、自分は「相貌失認だから、あんたの顔はわからない」と弁解する流れを考えました。

 しかし、それでは、面白くない。展開もつくりづらい。


 そこで、その考えは捨てました。

 すると、べつの考えが浮かんできました。はじめに設定した相貌失認という設定を途中で解除すればいいのではないか、と。

 相貌失認の設定がなくなれば、主人公は嘘を吐かねばいけない緊迫感が生まれます。展開もつくりやすそうです。「してはいけない」系ホラーとして書きやすいです。


 面白くない選択肢を切り捨てて、面白いアイディアに出会えた例ですね。

 

 【③新感覚ホラー】

 盲目というテーマで考えていたときに生み出したアイディアです。

 盲目×サイコパスは面白いのではないかと考えていました。


 考えていった結果、盲目本人に悪意はないけど、盲目の脳が勝手に指令して無意識に行動してしまうというストーリーを思いつきました。


 【回避ポイント】

 盲目×サイコパスで最初は考えていました。

 しかし、サイコパスはありきたりで、使い古されている。どうにか回避したいと思いました。


 サイコパスでないとしたら、なんだろう? そうだ、ブラインドサイトだ、と思いつきました。

 見えていないけど、勝手に身体が動いてしまう無意識の現象。つまり、本人に悪意はない。


 使い古されたアイディアを捨てることで、新しいアイディアに辿りつけました。


 【回避して、その先へ】

 以上のように、つまらないもの、ありきたりなもの、使い古されたものを回避していった先にアイディアを見つけていました。


 回避すること、めちゃめちゃおススメします。

 

 【回避して、なにを考えるか】

 「これでないとしたら……」と考えるのがおススメです。


 「これ以外になにかないかな……」と広く考えるのではなく、「これでない場合、なんだったらいいのか」と狭く考えるのがいいです。


 イメージ的には、膨大なピースの中から面白いピースを探すのではなく、一つ空いた穴にピタッとはまるピースを探す感じです。

 回避して空いた穴に、ピタッと。


 【いざ、回避の旅へ】

 今回はこれくらいで。最後に、ちょこっと。


 新人賞は基本、オリジナルな作品を求めています。

 従来の作品と被ったらいけないわけですね。


 新人賞を目指されているなら、回避思考が役に立つと思います。

 僕も、回避思考で、新人賞を狙います。


 ついでに。ご紹介したアイディアは好きに使ってもらってもOKです。

 

 以上で。読んでいただき、ありがとうございました。