見出し画像

◯拷問投票105【第二章 〜重罪と極刑〜】

 被害女性は、第一の被害者が殺害された現場でもある被告人宅の防音設備のある一室で、第一の被害者の遺体が部屋の隅っこに転がったままの状況で、膣性交によってレイプされている。  その犯行の一部始終は、同室に設置された監視カメラの記録映像に残されていた。これが直接証拠となる。
 その監視カメラは事件発生よりずっと前に、被告人自らが設置したものらしい。念のために映像関係の専門家によって鑑定されており、偽物の映像ではないことが確認された。その信用性は否定されていない。
 レイプされたあと、映像の中で被害女性は泣きながら言葉を発している。音声はないが口の動きからすると、「殺して」と言っているようである。
 そのまま解放する予定だったが、殺してほしいと訴えてくる被害女性のことが不憫になり、望み通りに殺すことにした、と被告人は供述している。被害女性の腹部に尻を乗せ、両手で被害女性の首を絞めた。被害女性は暴れたが、二分ほどして気絶した。それからサバイバルナイフを被害女性の心臓に突き刺し、絶命させた。
 だから同意殺人というわけか……納得できるわけもない。
 世にも恐ろしい犯行の内容が明らかになるにつれ、佐藤の中では、どんどん疑問が膨らんでいった。
 いつも俯きがちの覇気のない被告人は、はっきり言って、凶悪犯のようには見えない。どこにでもいるような、少し身体の大きいだけの男だ。この男が、犯罪史に刻まれるような残虐な犯行を――なぜ。