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ロハスは遠くなりにけり

単語のトレンドには抗えない。定番になると思った言葉がスーッと時代に消えていくこともあるし、「一発当てに来た」と思ったら日本語の定番になっていることも珍しくない。だからネーミングの難しい。

というわけで、タイトルの通りロハスについて。一時期、あらゆる場所で使われたじゃないですか。ロハスな気分、ロハスなスローライフ、ロハス弁当、ロハスなわたし……挙げたらキリがない。最近聞くのは「い・ろ・は・す」ぐらいでしょうか。そう思ってGoogleで「ロハス」を検索したら、トップニュースに出てくるのは、阪神タイガースのロハス選手の雄姿。阪神、最近強いよね。

別の調べものをしていたら、あの『MY LOHAS』の記事に行き当たったのだけれども、よく見ると更新が止まっていた。「あの」と書いたのは他意があるわけではなく、女性の健康・美容系のwebメディアの中では大きな存在感を持つひとつだったのだが、2022年6月末を最後に更新を止め、別のメディアにひっそりと吸収された。

一部の連載中の記事は、以下に「お引越し」のようだ。お引越し先はのライフスタイルメディア『ROOMIE』とのこと。こちらのメディアは「おうち時間」に焦点を当てている。より今っぽい。人気だった食に関する記事は『ROOMIE』で引き継ぐとのことだが、それはロハスじゃなくても良かったのでは、との思いがぬぐい切れない。

最後に、ロハスについて忘れてしまいそうなので、定義を紹介。「Lifestyles Of Health And Sustainability」の頭文字それぞれを取ったもの(わかりやすいように、単語ごとに大文字を使っています)。意味はそのままだ。ここ最近で、急激に古びてしまった感じがある。トレンドから急降下した理由は、言うまでもなく、SDGsに取って代わられた。ロハスはSDGsの中に含まれる。

オウンドメディアとかwebメディアとか呼ばれて、雑誌と同等に扱おうとしようとも困難があるのは、跡形もなく消えてしまうことだ。物理的に存在しなくなる。

『MY LOHAS』は「MY LOHAS」という言葉を、このまま消し去って良いと考えているのだろうか。国連という政治的な場所を介してしかものが考えられない2022年のキナ臭さが表れている。わざわざ手放さなくてもいいのにな、などと、部外者ながら考えてしまった。

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