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【子ども食堂インタビュー】はぐくみさんに聞いてみた! EP.3これからの子ども食堂について

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EP.1

EP.2

神戸市長田区で子どもの居場所づくり活動を行われている「地域で作る子どもの居場所・はぐくみ」さん。月一回の子ども食堂や、各行事のイベントを開催されています。今回は広報担当の堀田さんにお話を伺いました

インタビューの様子

1.学生団体スピカについて

――では続いて、高校生だけで子ども食堂を作るというスピカの活動についてどう思われますか?

堀田さん 皆さんが抱える社会に対する問題意識とか、そういうのは絶対将来生きてくると思うんです。それこそ官僚とか政治家になるわけじゃなくても、市井のおじさんおばさんで生きていくにしても、自治会長になったりとか、それこそ自分が何か子ども食堂とは違うほかのことをやってみたいなって思ったときに、その思いって絶対役に立つんですよ。
「あー、でも、自分もこういう高校生活をしたかったな」というのも心の中で一つありました(笑)
力を合わせて、できることを頑張ってくださいと応援しています。

――ありがとうございます。

堀田さん 皆さん部活もしながら、しかも通学しながら活動してるんですよね。それだけでもすごいと思いますけどね(笑)
今の世代の子って、いろんなことを知って、しかもそれを行動に移す行動力ってすごいよなって思います。自分が高校生の時って、そんなこと思いつきもしなかったし、社会問題に興味はあったかもしれないけど、それを実行に移すときに周りに誰も協力してくれる人がいなかったなと思います。
自分の時のことを思うと、今の子ってすごいなって(笑)でもその立派な思いが、やっぱりいつか結実すると思うので、自分たちとしても後押ししたいなということで感じています。

2.次世代への継承

――では続いて、今後「はぐくみ」さんは、このような子ども食堂にしていきたいというような目標ってあったりしますか?

堀田さん そうですね、今後どのようにしていきたいかというのが結構悩むところでして。
というのも主力メンバーの高齢化が進んでいるというのが1つ。若い10代から40代の人も結構おるんですけど、次の活動への継承というのがすごく難しいなと感じています。会長の次に中心になってくれる人が欲しいなと。 今はスタッフの人数的にも体制的にも月1が限度ですし。 
あとは施設の老朽化とかもあったりするので。喫茶店の建物自体結構古いので水回りがもうボロボロなんですよ。喫茶店はもう開業していなくて、子ども食堂のために月一回開いているという形なので改修費用も出せないし。
という点では次の展開がなかなか考えにくいんですけども。まぁただ昨日話していたらはぐくみを共生食堂にしたいという意見もあったりして。共生食堂というのは幅広い世代の人たちが利用できます。幅広い世代の人と一緒に食べられるようにしたいなっていうのがその人の願いらしいです。

お子さんや親御さんにとって日常の一部となるような場所にしたいって言っている人もいました。
だから結構次の展開っていうのは考えにくかったりするんですけども、ただまぁそんな中で、大人も子供もボランティアもみんなが楽しくいられる場所であり続けたいというのは変わりはありません。

――そうですよね、ちょうど私たちも引継ぎをどうしようかという話をしているんですよね。私たち主力メンバーが今高校2年生で、来年になると大学受験が次にあるので。そろそろ今年度の引継ぎをしないといけない時期に入ってきていて、代表と引継ぎをどうしようかという話をしながら悩んでいるので、すごく共感できる部分がありました。

堀田さん 高校生や大学生は半強制的に引継ぎが来るからね(笑)
こっちは社会人の団体という意味では引継ぎに対する危機感というのがあまりなくて、やっぱりいつ引継ぎするのかっていう難しさはありますね。
どんどん次の代に引き継いでいって、活動がもっと盛り上がるようにスピカも頑張ってください。

3.はぐくみ・スピカの思い

――では続いて、最後の質問になります。活動を続ける中で子どもたちや社会のために、子ども食堂以外の目標とかやりたいなって思ったことはありますか?

堀田さん そうですね。ちょうど出産を控えるスタッフがいて、自分自身の子ども食堂のスタッフとしての目線だけでなく、親としての目線や子どもからの目線を学べたらいいなと言っている人がいました。

また、別の彼女は障碍があって車いすで移動しているんですけど、年齢や体調のこともあって、やりたいことはたくさんあるんだけどもなかなかできないらしいんですね。そうやっていろんなことがある中で、他者へのやさしい気持ちをはぐくめたらいいなと言っていました。 いろんな人から料理を教わってそれを次の世代に教えていきたいなとか、普段から困っている人がいたら助けてあげられるようになりたいとか。あとは共生食堂の話につながるんですが、だれが来てもいい場所を作りたいとか。

最後に僕自身の話を言うと、今通信教育で社会福祉の勉強をしています。ちょうど来月から(2023年9月)実習に行くんですけども、その勉強を始めた理由っていうのはやっぱり、子ども食堂の活動の中で、困っている人の力になることとか、楽しく元気になれる場所を作ることとかを専門的に学びたくなったというのが1つです。自分自身ができることを増やしたいという思いがあります。
今まではぐくみでやってきたようなことをほかの分野に応用して、その人たちの良さを活かして住み続けられる町づくりをやっていきたいなということを思っています。そういう思いは子ども食堂を続ける中で生まれたものかなと感じています。

――私たち自身高校生で、将来について考える時期なんですね。それでスピカに入って広報部に配属されて、初めて画像を編集したりしたんですよ(笑)それで初めて編集とかの楽しさを知って、少し変わったかなという風に思います。
小林さん(インタビュアー)も何かそういうことあったりしましたか?

――やっぱり、「伝える」っていうのは大変だなと思って。今まで全くSNSとかは使ってなかったんですけど、一つの団体をやるうえで、子ども食堂だからってご飯を作ってだけいればいいわけではなくて。一個一個の広報のことでもデザインとかいろいろ準備が必要で、やっぱり行動に移すっていうことは大変だなという風に思いました。

―私たちの方でもいろいろ発見があって、楽しいなと思って活動しています(笑)

4.編集後記

ここまで読んでいただきありがとうございます。
学生団体スピカ広報部長の宮木です。
今回、「子ども食堂の運営側の視点を沢山の人に知ってもらい、より身近に感じていただきたい。」という思いから、このインタビュー企画をお届けしています。
さて、はぐくみの堀田さんですが、実はインタビューの前日がちょうど月一回の子ども食堂の開催日で、事前に質問事項をメンバーの皆さんと共有してくださいました…解答要旨もいただいて、前日にして「この企画をやってよかった…」と、はぐくみさんの活動に対する温かい思いを感じました。
インタビューしてみると、本当に明るく会話してくださいます。特に、メンバーの皆さんのことをものすごく楽しそうに話されるんです。堀田さんの「運営メンバーとの繋がり」という言葉を肌で感じました。
私はまだ学生ですが、大人の方がこうした活動をされていると、多くの経験をされたからこその思いがあったり、様々な年齢層の方と活動して見えてくるものがあったり。普段同年代のメンバーに囲まれて活動しているからか、お話を聞いて「子ども食堂についてこんな考え方もあるのか」とものすごく刺激になりました。
一緒にインタビューした広報部の小林さんは、「スピカの活動を見直す機会になった」と、我々もとても有意義な時間をいただけました。
改めて、はぐくみさん、そして本記事を読んでくださった皆さん、ありがとうございました!

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