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玉ぼけボケbokeオールドレンズの導く世界

先日、オールドレンズを購入した。「オールド」ということは、「かなり前」に製造されたレンズということだ。光学技術は日進月歩で進化しているので、新しいレンズを買えばよいのでは?と思うのかもしれないが、言うなれば「ボケ方」がレンズごとに違うのだ。

ボケとは、目的とする被写体にピントを合わせたとき、ピントがあっていない部分がぼやけている部分のこと。そんな写りかたをあえて使うことで、ピントが合っている被写体がボケの雰囲気につつまれて、よりいっそう美しく見えるのだ。玉ボケになるには理由がある。

レンズには写真の明るさを調整できる「絞り」とよばれる機構がある。レンズ周りのリングを動かすことでレンズ内の羽と呼ばれる板を出したり引っこめたりする。だいたい5枚以上はついているのだが、羽の形状次第では背景の光源がまん丸になってくれる。

この「まん丸になる」がポイントだ。ほとんどのレンズはまん丸にならず、5角形、6角形、といった角ばったかたちになる。背景に写りこむ光源が、「丸」か「〜角形」に写りこむということだけなのだが、美しさを追い求めるアクセントになることは間違いない。

購入したレンズは■fujinon_55mm_f2.2というレンズなのだが、製造されたのが1970年代ということでレンズに使われている素材の寿命が気になるところ。前期型は絞りのリングがプラスチックなのだが、後期型は鉄へと変更されている。僕が購入したのは前期型だった。

40年以上も前に造られたレンズで令和を切り取るということ。古いレンズがもつ特有のコントラストと玉ボケ感を愉しみながらも、今にも壊れかねないという土壇場な環境はなんとも味わい深いものだ。その時がくるまでいろんな光の元へと導いてくれることだろう。


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