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V6全シングルレビュー(一部それ以外の曲も)その3

V6解散報道を受け書き始めたこのnote、今回で3回目になります。

1回目2回目とベスト盤に合わせて曲範囲を絞りましたが、
今回は20周年記念のシングルコレクション
SUPER Very bestリリース時期までの曲をご紹介いたします。

前回の終わり際にも書きましたが
この頃は学校へ行こう終了に伴い、人気が大分落ち着いてしまう時期です。

そしてそんな中でV6らしさを守り続ける曲たちがいる一方、
私が「トチ狂い3連作」と勝手に呼ぶ異端児がいたりと
とにかく様々なことに挑戦する時期でもありました。

この時期があるからこそ、V6というアイドルグループは
一筋縄では行かない存在へと成長出来たのではないかと思います。

そんな個性豊かな曲だらけの第3回、是非とも御覧ください。

「これ聴いといたらとりあえず大丈夫」な曲には

「個人的に好きなので余裕があったら聴いて欲しい」曲にはを付けます。

参考程度にしていただければ幸いです。


HONEY BEAT(07年1月)★


シングル30枚目。
予備校のCMソングとして使われ、
それに併せてメンバー全員学ランでダンス(三宅氏発案らしい)。
実際にはカップリング曲が選ばれてはいましたが
学校へ行こうのテーマだったらこの上なく似合っていたことでしょう。

ロック要素もある超アップテンポナンバーで
曲の勢いそのままに、
V6らしい学生へ向けての前向きな歌詞も乗っかります。

歌えば一発で盛り上がるタイプの楽曲とあって、
ライブでも会場全体が沸き立つ定番ナンバーになっている模様。
しかも何気に紅白でも披露しており、
2005~2010までで代表曲を何か決めるとなったら
まずこの曲は選ばれることでしょう。

書道部漫画「とめはねっ」
この曲の歌詞を書道する描写があったのも、
個人的には強く記憶に残っていました。



僕と僕らのあした☆


HONEY BEATとの両A面シングル。
こっちが学校へ行こうMAXエンディングテーマ。

大体この手の両A面曲は、
ベスト盤だと2枚目に回されるか
スルーされるかの悲しい運命にあります。(この曲はスルー)

Aメロにラップ入れるとメチャクチャGReeeeNっぽくなるような
一言で表すなら「青春系」バラード。

サビのメロディーが中々に一級品なので、
あんまり知られる機会が多くないのが不憫な一曲。

あとHONEY BEATと同じく学生向けを意識したのか、
MVに高校生の映像が度々差し込まれています。


ジャスミン(07年5月)


シングル31枚目。
「9係」のseason 2主題歌。
ミディアムテンポで優しく耳に馴染むナンバー。

作曲者がHONEY BEATと同じですが、
あっちと比べるとテンションも抑えめで
まあ地味といえば地味でしょうか。
でも等身大で寄り添うような歌詞に元気づけられます。

多分この曲が一番注目を浴びたのはオリコンチャート初週。
今では懐かしい「もってけセーラーふく1位にしよう運動」
らきすたと1位の座を争っていたのがこの曲でした。
(オリコン1位はジャスミン、最終的な売上はらきすたに軍配)

今にして思えば「そこ頑張ってどうなるの」な滑稽な運動でしたが、
逆に言えば当時のオリコン1位は
「オタクの力を結集して達成しようとする」レベルのものでした。

今ではそこまで頑張らなくても
オリコン1位くらいなら簡単に取れてしまいます。
J-POPがまだ元気だったからこその運動であり対立構造だったかと思うと、
現状がちょっと寂しくもあるような、ないような。

……もうジャスミンの紹介でも何でもありません、すみませんでした。



Voyager ~ボイジャー~(07年9月)☆

10枚目のアルバム「Voyager」のリード曲。
公式動画はありませんでしたが、個人的に好きな曲なので紹介。
ちなみにVoyagerはオリコン通算1000作目のアルバム1位作品だとか。

UTAO-UTAOやOrangeのHIKARI氏作曲。
シリアスめな曲調ながらしっかりとキャッチーさも併せ持ち、
MUSIC FOR THE PEOPLEから培われてきた
V6の中の「クール」と「前向き」なイメージの成熟っぷりを
ひしひしと感じさせてくれる一曲です。

そして2枚目のベスト盤(Very best II)後初めてのアルバムなのもあってか
「また新たな一歩を」という決意が示された歌詞も凄く良いです。



way of life(07年12月)★


シングル32枚目。
岡田氏主演のドラマ「SP」主題歌。
このドラマを機に岡田氏がアクションに目覚め
ジークンドー師範代レベルにまでなったのは有名な話。

曲はローテンポでかなり暗めなんですが
ドラマ人気もあってか、いつもよりちょっとCD売上も上がりました。

シックな空気感がアイドルらしからぬ異端な印象を抱かせますし
久々のスマッシュヒットなのもあって
これをV6の代表曲に選ぶ方もそこそこいそうです。
ただドラマ補正無い今聴くとただただ陰鬱になる恐れも。

12月リリースの曲ということで、
当時の年末音楽特番では大体この曲が歌われていました。
出したばっかりだしヒットしてるし、歌う理由は十分ありますが
特番ならお祭り感演出にもなるHONEY BEATの方が良かったのでは
……と当時から思っていたのは秘密です。



蝶(08年5月)


シングル33枚目。
9係3期の主題歌。1期グッデイ!!→2期ジャスミンと来て
刑事ドラマらしくサスペンス感を増したラテンナンバー。

大人な感じでダンサブル、という新しいっちゃ新しい方向性ですが
「ラテン系」「蝶」でどうしても
ポルノグラフィティの「アゲハ蝶」
を想起してしまうのは私だけでしょうか。

この楽曲の方向性を更に進化させた
「Supernova」という曲も後に生まれます。

実はジャスミン、way of lifeから続けて、
シングル全部、学校へ行こうエンディングテーマにもなっていました。

毎週流せばシングル曲の宣伝になるしある意味当然の措置ではありますが
学校へ行こうもV6も人気が落ちてきていて、
新たに専用タイアップ楽曲を作る余裕が無かったのかもしれません。



常夏VIBRATION(08年7月)

DVDシングル形態で「VIBES」というシングル名にて発売。
一応DVDがメイン扱いではありましたが
結局は付属CDの楽曲がほぼメインみたいなもんでした。

付属CDにはミニアルバムかの如く8曲も収録されていたのに、
リード曲の当曲含めどのアルバムにも収録されてないという超不遇っぷり。

シングルコレクション「SUPER Very best」にも入っていないため
もはや黒歴史か忘れ去られているのと同じ。
そして公式MVもYouTubeに無い。一体どこまで不遇なんだ……。

ただ一応、最後のベスト盤「Very6 best」の特典DVD・Blu-rayには
この曲のMVが収録されています。

楽曲自体はV6らしくポップさと夏らしさとを上手いこと合わせた、
良くも悪くも「いつも通り」な一曲。何なら結構好きな系統です。

終了直前の学校へ行こうMAXではよくかかっていたようなので、
当時の視聴者にはかなり思い出深い曲でしょうか。



LIGHT IN YOUR HEART(08年9月)★


シングル34枚目。
ウルトラマン映画の主題歌。映画内ではティガとして長野も久々に変身。
デジタルロックな曲調で確かに特撮OPっぽい雰囲気も。

成長したV6が歌ってサマにはなっているものの
その分アレンジが抑えめになっているので、
同じティガ関連のTAKE ME HIGHERクラスの激しさを期待すると
ちょっと肩透かしを食らうかもしれません。

サビが非常に開放感強くカッコいいんですが
サンダーバードよろしく
サウンド面で更にハジケてくれてても良かったのでは
……とTAKE ME HIGHER好きな私は思ってしまいます。

ちなみに映画はティガ・ダイナ・ガイア・メビウスらが
懐かしの昭和ウルトラマンたちと共闘するストーリー。
ダイナ役つるの剛士も出演しており結構豪華な映画になっているので
まだ見てないウルトラマンファンは今すぐ見るべし。



Swing!


LIGHT IN YOUR HEARTとの両A面。
ベスト盤からスルーされてしまった割には
ライブで披露する機会もまあまあ多い、隠れた人気曲。

タイトル通りスウィング感の強いビッグバンド系トラック。
歌い方にHIPHOPっぽさも入って、
今までの曲よりもどこかお茶目なイメージ。

これ一曲でシングルは流石にパンチが無さそうで
どちらかと言えば「良アルバム曲」な立ち位置っぽいですが
LIGHT IN YOUR HEARTとの両A面という形が
相互互換のように上手く作用しているのでは。



スピリット(09年6月)☆


シングル35枚目。
HONEY BEATと同じく予備校のCM曲。
いわゆる恒例の「学生向け応援歌」で、特に何も気にしなければ
「いつもの系統だね」とスーッと耳から通り抜けてしまうかも。

「大切なのはスピリット(精神)」
と一見根性論丸出しな歌詞にも見えますが
これが意外と不思議なことにかなり心に来ます。

「スピリット」以外の英語を使わず、
最初から最後まで様々な日本語表現で
「やれば出来る!」と励まし続けてくれるので、
歌詞を噛み砕きながら聴くと存外に胸打たれてしまうという。

歌詞だけ見ると個人的にはこの曲が一番好きまであるレベル。
そう、大切なのはスピリット



GUILTY(09年9月)★


シングル36枚目。
9係主題歌……の癖にタイトルが「GUILTY(有罪)」
しかも不倫がテーマの歌詞なのはいかんでしょ。

とにかくおしゃれでカッコいいんですけども
メロディーがコマ切れになっていてしかもラップも入るので、
上手く聞こえるように歌うのが非常に難しそうな一曲。

avexのある意味本領発揮というか、
ここら辺から段々とK-POPっぽい曲が増えだします。

当時から今に至るK-POPが海外志向&最先端サウンド志向だったので、
クラブミュージックも受け持つavexなら
その波に乗るのは当然と言えば当然ではありました。

かくしてV6はこれ以降、従来のダンスポップの中に
K-POPにも通じる海外路線のサウンドが混じるようになっていきます。




SILENT GALAXY(10年3月)☆

11枚目のアルバム「READY?」に収録。
しかし収録されたのは通常盤初回分だけで、ボーナストラック扱いな一曲。
知名度は当然低く、もちろんマイナーなのでMVもありません。

……しかし、私含む一部ファンからの人気が異常に高く
とにかくコンサートでの披露を長年熱望されてきました。

作曲はUTAO-UTAOやOrangeのHIKARI氏。
HIKARI氏にとっても目立たないのが不服な程に自信作だったようで、
カッコよさを極限まで洗練したかのような物凄い完成度の高さを誇ります。
例えるなら「ガンダムOPの神曲」レベル。

そしてそんなファンや作曲者の声が届いたのか、
とうとう2020年のコンサートで初めてライブ披露されることになりました。特に大きな演出やダンス等はありませんでしたが、
それでも本当に待望のライブパフォーマンスということで
ファン界隈ではかなり話題になっていたようです。

この曲はとにかくもっとたくさんの人に知られなければなりません。



only dreaming(10年9月)


シングル37枚目。
毎度毎度の9係主題歌。
そしてとうとう9係主題歌のタイアップ以外シングルリリースが無くなり、
次にCDで新曲がリリースされるのは1年後(の9係主題歌)に。

GUILTY時点で「メジルシの記憶」の売上最下位記録を更新してしまい
そして今作でそれをさらに更新してしまったので、
ことCD売上という点を重視してしまうと
ジャニーズから冷遇されるのも已む無しではありました。

今作は9係主題歌の中では珍しかった正統派バラード。
(ただこの後の9係ではバラード連発時期も……)

もの悲しげで、way of lifeよりも更に「大人」な感じに。
そしてK-POPっぽい直近までの流れも汲みつつ
より「日本のアイドル」らしいキャッチーさを内包しています。

この大人な世界観を表現するまでに至ったV6の成熟っぷりに感無量、
といった所でしょうか。
しかし現実問題、CDが売れませんでした。悲しい。



SP "Break The Wall"(11年3月)☆


配信限定曲。
4年後に「SUPER Very best」通常盤に収録。

岡田氏主演「SP」の映画メインテーマ
m-floの☆Taku Takahashi氏がサンプリングし作曲。

言うなれば「VERVALの代わりにV6使ったm-flo」状態で
ラップ成分もクラブミュージック成分もかなり強め。
そこにプラスしてV6の歌い方も今回かなり独特で、
「クセがすごい!」と声を大にして叫びたくなる一曲に。

EDMが流行る前にここまでバッキバキのトラックを生み出した
Taku氏の天才っぷりが堪能出来はしますが、
V6の曲というかあくまで「SP」にまつわるお遊び曲の側面が強く、
個人的にもTaku氏のトラックメイキングを楽しむ比重の方が大きかったり。

ただそのバッキングの突き抜けっぷりのお陰で、曲としては相当好きです。


Sexy.Honey.Bunny!(11年8月)★


シングル38枚目。
普通にやっても売れないと判断されてしまったからなのか、
ここから3作ほどV6がトチ狂います

作曲はcorin.というテニプリのキャラソンを多数手掛ける方、
そして作詞がNONA REEVESでお馴染み西寺郷太氏。
K-POPっぽい以前までの路線は継承しつつ、
西寺氏の歌詞のせいもあってだいぶブッ飛んだ曲に。

変にダサいサウンドとトンチキな歌詞で、
初聴段階だと「ふざけてんのか?」と言いたくなるくらい色々と癖だらけ。
それまでのV6に「爽やかダンスアイドル」の印象を抱いていた人ほど
この落差にショックを受けてしまうことでしょう。

しかし聴いてるとこのダサさが段々癖になってきます。
西寺氏の歌詞にも妙な中毒性があり、
終いにはイントロ聴いただけでテンションが上がってしまうまでに。

ただ何より問題なのは
この曲調で9係主題歌だったことじゃないでしょうか。
「Uh~Sexyぃ~」のどこが刑事ドラマなのか。



バリバリBUDDY!(12年2月)★


シングル39枚目。
久々に9係以外で曲リリース(エバラ黄金の味のCM曲)。
そして第2のトチ狂い

ミニモニ時のつんくを彷彿とさせるおちゃらけた曲調と歌詞を筆頭に、
全体的に「何してんだお前ら……」感の極みに達することに。
当時まとめサイトでもこぞってネタにされていました。

ただ聴いているとこれもこれで段々癖になってきます。
歌詞に合わせたバカバカしいMVも楽しく、
聴いているといつの間にか耳から離れません。

ふざけ気味な歌詞や曲調というだけでバッキングは真面目ですし
方向性としてV6らしい前向きな曲であることにも変わりありません。
こういう楽しいお祭りナンバーなので、
メンバーのユニゾンもハマっています。

ただ最後の方のテンポアップっぷりは、
特にトニセンの年齢を考えると
「よく頑張ったな……」と言いたくなってしまいます。



kEEP oN.(12年8月)★


シングル40枚目。
「いつものタイアップ」こと9係主題歌。
でも曲調が全然いつものじゃない、第3のトチ狂い

セクバニと同じcorin.&西寺郷太コンビ
「ボヘミアン・ラプソディみたいなのを作る」と言ったらしく、一曲の中で
バラード→エレクトロ→ラップ→エレクトロ→ファンク→ストリング→
エレクトロ→ミュージカル→バラード→エレクトロ→アコースティック
矢継ぎ早に曲調が変わります

エレクトロ部分の「キポンダンシーン♪」
一応メインフレーズでしょうか。
全体通すとカオス過ぎてよくわからない曲に思われかねませんが
個々のパートで見るとそれぞれかなり力は入っています。

やはり注目は、初聴だと何が始まったのか戸惑うこと必至の
坂本三宅ミュージカルパート
今やミュージカルスターとなったリーダー坂本氏の美声は必聴。

corin.&西寺コンビは次のアルバムを最後に関わらなくなってしまいますが、
セクバニやキーポンの魅力に取り憑かれたファンとしては
お二人に定期的に参加してもらって
その度にV6のイメージを変な方向にぶち壊してもらいたかった所です。


ROCK YOUR SOUL(12年12月)


シングル41枚目。
ゲーム「真・北斗無双」テーマ曲。
曲名に「ROCK」と入り北斗の拳ゲームの主題歌だからか、
前3作のような冒険は一切見せない真面目にアツいナンバーに。

……でも急に真面目に戻った反動で、ちょっと物足りなさも感じたり。

もちろんカッコいいのは確かなんですけれども、
ROCKを掲げる割にユーロビートっぽいサウンドも目立つし、
ここまでハードシリアスな曲調だと
そもそも6人のユニゾンが上手いこと調和していない瞬間もあったりで、
若干中途半端な面も。

なにぶん爽やかな曲にバッチリ似合うユニゾンだからこそ
今回はそれが裏目に出てしまったのかもしれません。
この時期のシングルでやるにはちょっとパンチ力に欠けていたでしょうか。



Supernova(13年2月)★


12枚目のアルバム「Oh! My! Goodness!」リード曲。
アルバム自体がシングルのトチ狂い3連作収録とあって
全体通してかなり面白いので、個人的にはお気に入りです。

そんなアルバムのトップバッターを任された当曲は
「蝶」のようなラテン要素のある曲ながら
よりサイバーでよりクールになり、しかも年相応の大人っぽさ、
言い換えるなら「エロさ」も良い方向に作用する意欲作に。

2011年にライブで初出しした際は
ポールダンスでのパフォーマンスで会場の度肝を抜いたらしく、
YouTubeの視聴回数もアルバム曲なのにやけに高いので
ファン人気絶大なのが数字で見てもよくわかります。



大人Guyz☆


Supernovaと同じくOh! My! Goodness!収録曲。
楽曲制作には三宅氏も参加。
「大人買い」をテーマにした曲で、歌詞の内容はおふざけ寄り。

しかしサウンドはかなりオシャレ&ポップな方向に洗練されて、
はっちゃけ路線とオシャレ路線とを融合させた
面白い一曲に仕上がりました。

こういう「遊びの幅」があるからこそV6は良いグループだなと思いますし
こういう曲が収録されているアルバムはやっぱり楽しいなとも思います。

そしてアルバムだとバリバリ→大人Guyz→ROCK YOUR SOULの曲順に。
前2曲とROCK YOUR SOULとの温度差よ。



君が思い出す僕は 君を愛しているだろうか
(13年8月)☆


シングル42枚目。
9係主題歌。タイトルがやたら長いので覚えにくい。

セクバニキーポンのような冒険曲が9係主題歌なのは流石にヤバかったか、
今回はドラマの雰囲気に合わせたピアノ一本のバラード
シンプルイズザベスト。コーラスもメンバーが担当。

それまで実験的な曲がかなり続いたせいで
シンプル過ぎてつまらん、と物足りなく思う人も出てきそうではありますが
既存のバラード路線とも一線を画すバッキングのシンプルさは
ほぼボーカル一本でこれだけの表現が出来るようになった
成長の証にも見えます。

彼らの歴史を実感出来る作品として、
余裕があれば是非とも抑えていただきたい一曲です。




涙のアトが消える頃(14年8月)


シングル43枚目。
それしか無いんかいと言われようが9係主題歌。

そんな9係のお陰で、1年に1回必ずシングルがリリース出来ました。
ジャニーズで26年間途切れずにシングルリリースを続けられたのは、
現状だとV6のみ。
例えテレ朝のアシストがあろうとも、これは十分に誇るべき実績です。

……でまあ、曲は「ザ・バラード」。バラード・オブ・バラード
かつての着メロ時代にヒット曲を作っていた童子-T作曲なのもあって、
曲全体どこか2006~7年頃の雰囲気を感じさせます。

今までと比べ若干印象に残りにくくはあるものの、
年少組がラップっぽい部分を歌いつつ
年長組がメインメロディーという構図は
中々にV6でしか出来ないパート割りで特徴的。


Sky's The Limit(14年10月)★


シングル44枚目。
三宅氏が出演した昼ドラの主題歌。MVは歌始まるまで長いので注意。
同じavex系列の三代目JSBGENERATIONSっぽい今風ダンスナンバー。
avexですし、この手の曲調はお手の物でしょう。

ジャニーズと言えばダンス、V6と言えば爽やかアイドルソング、
みたいないわゆる「パブリックイメージ」に応えつつも、
EDM風の最新サウンドもやれるんだぜ、
という適応力も見せる形のシングルに。

ミュージックカードの荒業もあって、久々にCD売上10万枚突破。
ミュージックカードについては
ちょっと闇が深いので各自ググってください。

この曲あたりからCD売上も回復し「再ブレイク期」扱いされ出しますが
なんだかんだとV6が26年もの長期間アイドルを続けられたのは
バラードからポップスからこういう曲まで色んな振り幅があって、
その上でイメージ崩さずに
ちゃんと「アイドル」で居続けてたからなんじゃないでしょうかね。


Timeless(15年5月)


シングル45枚目。
毎年お馴染み9係主題歌。

9係のお陰で毎年シングルリリース出来たことで、
オリコンの「シングル連続TOP10入り獲得年数」がトップになり、
その歴史に名を刻みます。継続は力なり

曲は毎度毎度の9係担当バラード。
「君が思い出す~」と「涙のアト~」はシンプル路線だった中、
今回はバッキングも結構装飾していて、
同じavex系列だとそのものズバリEXILEが歌ってそうな曲調に。

そのお陰で上手いこと「踊れるバラード」が成立しているので、
ダンスパフォーマンスにも優れたV6としては
この路線こそが真に求められていた曲なのかもしれません。

ただ流石に9係主題歌でバラードを連発しすぎだったので
熱心なファンでない限りは
君が思い出す~→涙のアトが~→Timeless
の流れはかなり食傷気味だった可能性が。



SPOT LIGHT☆


Timelessのカップリング曲。
Timelessと対をなすような超アップテンポナンバー。

激しさで言えばSky's The Limitの上を行くくらい頭ガンガン振れるので
ライブではこの上なく盛り上がる一曲でしょう。

そしてMVがそれを想定したのかライブ仕様
観客も普通に「Oh oh oh oh!」とか「Hey!」とか
合いの手を普通に入れてきます。

邪魔かどうかで言えば全然邪魔じゃないですし、
正直めちゃくちゃ気持ちいいくらい。
何なら自分も一緒にやりたいとすら思わせてくれます。

この曲は「MVで見て完成形」と言っても過言ではないくらいに
MV内の盛り上がりが快感を与えてくれます。


Wait For You


3枚目のベスト盤「SUPER Very best」収録曲。
この曲は初回生産限定B盤に入っています。

ちなみにA盤Loppi・HMV盤通常盤にはそれぞれまた別の曲が……。
ベスト盤で曲違いとは何とも阿漕な商売……
でもそれが日本でCDを売るってことなんで……。

レディ・ガガ等を担当したRedOne作曲、作詞はDef TechのMicro
海外の売れっ子プロデューサー呼んどいて限定盤にしか入れない贅沢仕様。
ただまあバリバリ洋楽トラックで一般受けはしなさそうですし、
ファン向けにこのくらいの立ち位置のままでも良いのかもしれません。

これ以降、Sky's The Limitですら生ぬるく感じるような
洋楽テイストの強い曲がどんどんと増えてくので、
今にして思えばターニングポイントな楽曲とも言えるでしょうか。



以上がSUPER Very bestまでの収録範囲の楽曲です。

シングルリリースが年1になってしまったり、
実験作が並んだかと思えばバラード連発の時期があったりで
V6もスタッフも試行錯誤を繰り返していた時期でした。

しかし試行錯誤の結果「V6らしさ」の幅が広がり、
いわゆる「アイドル然」とした楽曲だけでない
今までとは全く毛色の違う方向性をも瞬時に取り込めるだけの
懐の深い成熟した異質な
それでいてアイドルらしいアイドルへと変貌を遂げました。

そして20周年を迎えSUPER Very bestという一区切りを付けた後、
今までの経験の全てを糧にして
遂にはジャニーズで初めての「完璧な25周年」を迎えるまでに至ります。

というわけで次回記事にて
これ以降から最後のMV曲までを全てご紹介いたします。

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