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就活で追い詰められて過呼吸になった話④

大学3年11-12月

出したESが幾つか通り,インターンに参加することができました。この時期は週2-3日就活に注いでいたと思います。化粧品会社だけでも10以上のインターンに参加し,どことなく業界の傾向も掴めてきました。

そして偶然ながら早期選考なるものにも引っかかることができました。これは化粧品会社ではなく普通の化学業界でしたが,面接の練習のために受けてみることにします。生まれて初めての採用面接でした。

友人に相談し,手書きの履歴書を書いて御社に向かいます。この会社は正直行きたいところではありません。何なら興味すらありません。しかし就職活動においてよく言われる「練習面接」なるものの相手として,時期がちょうどいいため受けさせていただきました。

応接間に通されて,面接を開始します。話し始めて数秒後,気付きました。

…あれ,緊張して全然話せない。

それもそのはず。度胸のない自分は普段人前に立つだけでがちがちに緊張します。それはどれだけ練習しても,部活でも同じです。とにかく緊張の女王と言えば自分というくらいに緊張しました。震えました。まるで生まれたての小鹿みたいです。面接官にもそれが伝わったのか「大丈夫?」と聞かれました。

大丈夫なわけないけれどここで帰れません。なんとか持ち直して続けますが,それはもうひどいものでした。気付くと1時間経っていて呆然としながら電車に乗ります。結果は当たり前でしたが祈られました。初面接は大失敗です。

今思えばろくに志望動機も固まっておらず,熱意の見えないがちがちの学生を取ろうとは思わないでしょう。判断は正しいと思います。ですがこの時の自分にそれを考える余裕はなく,ただ自分は対面に弱いという今更感な事実にショックを受けました。この思い込みは後々尾を引いてやってきます。

大学3年生3月

無事に研究室配属が決まり,就活もスタートしました。ここに至るまでおおよそ100以上の会社を見て,結局エントリーしたのは20社でした。そのほとんどが化粧品業界の研究職です。ここにブレは有りません。

エントリーしてすぐ履歴書やESを記入します。大体のものは400字だと考えていましたが,中には1000字というものもあって非常にめんどくさいと思いました。

さてここで第2の壁にぶつかります。

履歴書の質問が抽象的過ぎて何を聞かれているのか理解できない。

頭が弱いのか,国語が出来ないのか,はたまた両方か。私はオープンクエスチョンが苦手です。様々な可能性が浮かんで何を応えればいいか分からなくなってしまいます。

「この会社についてどう思いますか?」

「ホームページを見てどう思いましたか?」

わかりません。事業について聞いているのか,人について聞いているのか。デザインについて知りたいのか,全く意図が分かりません。

今ならわかりますが、本当に自分の思っていることを調べて言語化することができれば何を書いてもいいのだと思います。でもこの時は就職活動に何が求められているか分からないというのが本音です。「どう」って何?何が知りたくてそんなこと聞いているの?というはてなマークが頭の中にいっぱいです。

それでも書かなければ履歴書は提出できません。必死に調べて書きます。幸運なことにいくつか書類選考が通ったのでインターンに参加できることになりましたが、正直この時何も分かっていませんでした。なまじ変に通過してしまったので、「就職活動」という俗物が頑張りでどうにかなるものだと思ってしまいました。ですがこの時の私は知る由もありません。るんるんでインターンに参加していました。





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