仮面ライダー劇場版紹介 V3編
スペラです。
仮面ライダーシリーズ劇場版の人気作品「仮面ライダーV3対デストロン怪人」が公開されてから、2023年7月18日でちょうど50年。
3月18日には「シン・仮面ライダー」の公開に合わせて「ゴーゴー仮面ライダー」「仮面ライダー対ショッカー」「仮面ライダー対じごく大使」を紹介しました。
というわけで、本日は東映まんがまつり内で公開された「仮面ライダーV3」の劇場版を紹介します。
本来はDVDの構成に合わせて「仮面ライダーX」の劇場版も紹介しようと思ったのですが、合わせるととんでもない文字数になってしまうのでまた今度ということで。
前回も書きましたが、これらの作品はテレビシリーズの宣伝も兼ねて製作されているため、テレビシリーズの視聴前に劇場版を視聴し作風を知るのにも適していると思います。
仮面ライダーV3
1973年3月17日公開
脚本:伊上勝 監督:山田稔
第2話「ダブルライダーの遺言状」を劇場用に再編集した作品で、同時上映は「パンダの大冒険」「飛び出す人造人間キカイダー」「マジンガーZ」「バビル2世」「ひみつのアッコちゃん」。
「パンダの大冒険」は前年パンダが日本に来てブームになったことから製作。「キカイダー」は一部が立体映像となっている画期的な作品でした。
画面サイズがシネスコサイズ(2.35:1)にトリミングされている他、キャスト・スタッフクレジットのフォントが変わっていたり、アイキャッチがなくなっていたりしますが、内容自体に大きな違いはありません。
「V3」第1話では悪の組織・デストロンに両親と妹を殺された風見志郎が仮面ライダーV3となるまでの過程を描きましたが、シリーズ通算第100話となる「V3」第2話では1号・2号からV3へのバトンタッチが描かれています。
改造されたばかりで自らの能力に戸惑うV3はハサミジャガーとの戦いで苦戦するものの、テレパシーで1号・2号の教えを受けることでピンチを切り抜けます。
良い後継者ができた1号と2号はもう一人の怪人・カメバズーカを道連れに海へと消えたのでした。
その後1号と2号の生存が判明し、V3をはじめとする後輩ライダーと共闘することになるのはご存じかと思いますが、当時の視聴者はかなり衝撃を受けたことでしょう。まあ、特に1号はこれ以前にも何度か生死不明になってはいますが…。
教会の神父役でゲスト出演した永井柳太郎さんは大正末期から数々の映画に出演し、テレビドラマにも多数出演した当時69歳の超ベテラン俳優。
中盤に登場する墓地と寺は鎌倉市の妙本寺。教会は新宿区の戸山公園にある戸山教会、終盤の1号・2号とカメバズーカの戦闘シーンには同じく戸山公園内の箱根山が使われています。
仮面ライダーV3対デストロン怪人
1973年7月18日公開
脚本:伊上勝 監督:山田稔
「仮面ライダーV3」のオリジナル劇場版で、同時上映は「マジンガーZ対デビルマン」「ロボット刑事」「キカイダー01」「バビル2世 赤ちゃんは超能力者」「魔法使いサリー」。
特に「マジンガーZ対デビルマン」と本作の人気は非常に高く、この1973年夏は東映まんがまつりの中でも伝説の回となっています。
本作では四国を中心にロケが行われ、観光名所も多数登場。クライマックスではテレビシリーズに先駆けて1号・2号と共闘しました。
物理学者の沖田徹夫は四国山脈の山奥で偶然、幻の超放射能元素といわれたサタンニウム(パンフレット等では「サタンニュウム」と表記)を発見。
サタンニウムには原爆の原料に使われるウラニウムの数百倍の放射能を持つ危険なもの。徹夫は悪用を防ぐためにサタンニウムを海に捨てようとしますが(逆にまずいのでは…)、デストロンに目をつけられサタンニウムと共に拉致されます。
デストロンは世界征服のためにこのサタンニウムを大量に集めることを計画。徹夫はV3・風見志郎に救出され、鉱脈の場所が書かれた地図を妹のひろ子に預けたことを話しますが、デストロンの新怪人・タイホウバッファローの襲撃を受け徹夫は死亡してしまいます。
こうして四国を舞台にサタンニウムを狙うデストロンとそれを阻止しようとするV3の攻防戦が繰り広げられていくのです。
本作は第20話「デストロンの四国占領作戦」と第21話「生きていたダブルライダー」と同時進行で製作されており、本作でタイホウバッファローと共に作戦を進めるギロチンザウルスとドクバリグモはそちらに先行登場。また、沖田徹夫を演じた二瓶秀雄さんと沖田ひろ子を演じた森桃江さんもそちらに別の役で出演しています。
二瓶さんはこの他にも特撮作品に多数出演。森さんは主に1970年代前半にテレビドラマで活躍しました。また、人体実験用の囚人の一人を演じた池上明治さんはテレビシリーズ第43話にもライダーマン・結城丈二の助手役で出演しています。
メインロケ地の一つである愛媛県松山市のホテル奥道後は1963年に開業し、現在は「奥道後 壱湯の守」として営業しています。
志郎が変身ポーズを決めた際にバックで写っていた同ホテルの敷地内にある錦晴殿は1966年に金閣を模して建てられたものの、2001年の豪雨災害で全壊。実は違法建築物だったのだとか…。
また高知城や造船所である来島どっくでも戦闘が繰り広げられ、「おくどうご2」「さんふらわあ」といったフェリーも登場。特に「さんふらわあ」はエンディングで内部も登場し、強い印象を残しています。
ただし、本作の最終決戦のシーンは四国ではなく東京・青梅市で撮影されています。
ちなみに1976年には「秘密戦隊ゴレンジャー」の第59話~第61話と劇場版「爆弾ハリケーン」でも四国ロケが行われており、特に劇場版ではホテル奥道後なども登場しています。
本作を語るうえで必ず触れられるのが大迫力の爆発シーン。
特にデストロンのアジトの島や最終決戦の爆発シーンはバラエティ番組などでも度々紹介されています。特に島での爆発シーンでは地元の漁業協同組合からかなり叱られたというのは有名な話です。
こうした数々の魅力的なシーンにより、仮面ライダーシリーズの劇場版でも屈指の人気を誇る作品になっています。
全2作品を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
DVDは「仮面ライダー THE MOVIE BOX」が発売されましたが、現在は生産が終了しており、代わりにBOXのディスク4枚をバラ売りしたうちの「仮面ライダー THE MOVIE VOL.2」に収録されています。
Blu-rayも「仮面ライダー THE MOVIE Blu-ray BOX 1972-1988」が発売されましたが、現在はバラ売りの「仮面ライダー THE MOVIE Blu-ray VOL.1」が発売されています。
4Kリマスター版は「仮面ライダー THE MOVIE 1972-1988 4KリマスターBOX」が発売。現時点ではBOXのみの発売となっています。
なお、「仮面ライダーV3」はDVDのみの収録となりますのでご注意ください。
また、Amazon Prime Videoでは「仮面ライダーV3対デストロン怪人」の4Kリマスター版を配信中です。高画質で手軽にご覧になりたい方はぜひそちらもご利用ください!
「仮面ライダーX」の劇場版紹介も執筆が順調に進んでいるので、近いうちに公開する予定です。
「仮面ライダーV3」の劇場版、そしてテレビシリーズもぜひご覧ください!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?