見出し画像

「シン・仮面ライダー」公開記念!「仮面ライダー」劇場版を紹介

スペラです。

2023年3月18日、庵野秀明監督による「仮面ライダー」のリブート映画「シン・仮面ライダー」が公開されました。

発表時は「『真・仮面ライダー 序章』と被ってるじゃないか!」と思った僕でしたが、情報が解禁されていく度に期待値が高まっていきました。

記事執筆時点ではまだ鑑賞できていませんが非常に楽しみですし、これまで仮面ライダーシリーズ・特に昭和シリーズをあまり知らなかった方が触れる機会になればいいな…と思っています。


というわけで、今回は「シン・仮面ライダー」の原作である仮面ライダーシリーズ第1作「仮面ライダー」の劇場版を紹介しようと思います。

3作とも「東映まんがまつり」内で公開された作品で、TVシリーズの宣伝目的も兼ねて製作されているため、TVシリーズの作風を理解するにも適していると思います。

すべて東映特撮YouTube Officialで期間限定配信されるので、ぜひご覧ください!
(「ゴーゴー仮面ライダー」は19日までなので、もっと早く書いておけばよかった…すみません。)


ゴーゴー仮面ライダー

1971年7月18日公開
脚本:伊上勝 監督:北村秀敏

第13話「トカゲロンと怪人大軍団」を劇場公開用に再編集した作品。同時上映は「アリババと40匹の盗賊」「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」「アンデルセン物語 おやゆび姫」「魔法のマコちゃん」です。

第13話は藤岡弘さんの負傷後・2号登場前なので、藤岡さんは過去の映像のみで直接は出演されていません(声は声優の納谷六朗さん)。

本作に登場するトカゲロンは「怪人」というよりも「怪獣」に近いデザインになっており、これまでに倒された怪人も再生怪人として全員が登場。

TVシリーズの宣伝を目的にラインナップに組み込まれ、やはりこの回が選ばれたのは再生怪人が登場することが理由だったそうです。


ショッカーは再生怪人を作り出し、東洋原子力研究所を破壊することで東京を放射能で汚染させようと企んでいましたが、研究所を守る強力な見えない壁・バーリヤを破ることができずにいました。

そこで(非常に性格が悪く子供のファンを大切にしない)超一流のサッカー選手・野本健をトカゲロンに改造し、彼の「殺人シュート」でバーリヤを破ろうと画策。

ショッカーの動きを察知した仮面ライダーとFBI捜査官・滝和也は調査を開始しますが、ライダーはトカゲロンに敗北・滝も重傷を負い、ライダーは立花藤兵衛とともにトカゲロンの殺人シュートを破るべく特訓を始めます。


野本健とトカゲロンの声を演じた堀田真三(堀田眞三)さんは東映ニューフェイスとして俳優デビューしており、その後も「仮面ライダー(スカイライダー)」でゼネラルモンスターを演じるなど、東映作品・特撮作品に多数出演しています。

TVシリーズでは第14話から2号編へと移るため、この回が旧1号編最後の回となります。「本郷猛が海外へ旅立った」との説明はこの回ではなく第14話でされており、当時の現場の余裕のなさがうかがえます。

この作品が東映まんがまつりの人気アンケートで第1位になったことから、次作は新作となることが決定しました。


仮面ライダー対ショッカー

1972年3月18日公開
脚本:伊上勝 監督:山田稔

既にTVシリーズが大人気番組となっており、関連商品も数多く発売されていた時期に満を持して公開されたシリーズ初の完全新作劇場版。同時上映は「ながぐつ三銃士」「スペクトルマン」「さるとびエッちゃん」「ムーミン」です。

36体もの再生怪人が登場するほか、時間も32分とTVシリーズよりも若干長くなっており、劇場版ならではの豪華な仕様になっています。メイン怪人のザンジオーのスーツの製作にも通常より手間がかけられたとか。

企画自体は前年9月頃に決定しており、入念に準備が進められましたが、撮影期間は僅か3日ほどだったとのことです。

公開は第50話と第51話の間ですが(第51話放送と同日ですが当時は午後7時30分放送のため)、時系列としては第52話でギルガラスを倒した後・一文字隼人が南米へ旅立つ前ではないかといわれています。


地球物理学研究所の大道寺博士は、地球の地軸すら変えられる「人工重力装置GXという物騒なものを開発。案の定(?)ショッカーに狙われます。

ショッカーに奪われた資料には製造に最も重要な方程式を載せていませんでしたが、大道寺博士はショッカーに騙され、方程式を娘の珠美にある方法で預けたことを話してしまいます。

大道寺博士と珠美を守るダブルライダーですが、遂に珠美はザンジオーにさらわれてしまいます。ライダーは珠美を助け出し、人工重力装置GXを守ることはできるのでしょうか?


大道寺博士を演じた伊豆肇さんは、この年に「人造人間キカイダー」で光明寺博士を演じることに。珠美を演じた斉藤浩子さんは、1968年の「河童の三平 妖怪大作戦」以降、数多くの特撮作品にゲスト出演した名子役でした。

また、本作では新1号編に先駆け、本郷が変身ポーズを初披露。「ライダー・変身!」ではなく単に「変身!」と、声に出さず心の中で叫んでいます。

本作の大ヒットを機に、東映は特撮TVシリーズの劇場版を次々と制作していくことになります。


仮面ライダー対じごく大使

1972年7月16日公開
脚本:伊上勝 監督:山田稔

前回までの東映まんがまつりでは長編アニメ作品がメインでしたが、ついに「東映まんがまつり へんしん大会」として本作がメインになり、時間も36分と少し長くなりました。

同時上映も「魔犬ライナー0011変身せよ!」「変身忍者 嵐」「超人バロム・1」「国松さまのお通りだい」「魔法使いチャッピー」と、本作を含め6作品中3作品が特撮作品となっています。半分「まんがまつり」ではなくなっている気もしますが…。

前作ではダブルライダーの活躍が描かれていましたが、本作では"萬画"版第6話「仮面の世界マスカーワールドをベースに新1号の活躍を描いたものであり、怪人以外のゲストキャラクターも登場しません。

本作でも再生怪人と新怪人カミキリキッドが登場しますが、カミキリキッドは本作の公開に先駆け第66話に登場しています。これには生々しい大人の事情があるのですが…詳しくはWikipedia等をご覧ください。

公開は第68話と第69話の間で、大幹部・死神博士が倒されたタイミングでの公開となりました。


スーパー破壊光線計画を進めるショッカーは、東日本ロードレース選手権に出場中の本郷猛と滝和也に先制攻撃を仕掛けますが、逆に東京支部に潜入されてしまいます。

地獄大使は東京支部を爆破しますが、本郷と滝が生きている場合を考え、カミキリキッドに立花レーシングクラブの仲間を拉致させ、本郷たちをおびき出します。

ショッカーの大要塞が富士山にあることを知った本郷たちは、再生怪人たちの攻撃をかわしながら大要塞へ向かっていきます。


本作ではヘリコプターによる空撮、サイギャング率いるオートバイ部隊やセミミンガ率いる騎馬部隊との戦い、仮面ライダーシリーズでは珍しく光学合成で描かれたカミキリキッドの光線など、映像的な魅力が詰まった作品となっています。

オートバイ戦や騎馬戦は御殿場で撮影。また、東京支部として使われた特徴的な廃墟は東京都町田市にあった通称「お化けマンション」で、建設中に土地の所有権問題と建築基準法違反の発覚により放置され、1991年に解体されるまで多くの特撮作品の撮影に使われました。

本作がどの程度ヒットしたのかに関する記述は見つかりませんでしたが、話題性重視だった前作以上に画作りに力を入れた、前作とは異なる魅力のある作品といえるでしょう。


気になる作品はありましたでしょうか?

「シン・仮面ライダー」をご覧になられた方や興味がある方は、ぜひ原点の「仮面ライダー」にも触れてみていただけたらと思います。


DVDは「仮面ライダー THE MOVIE BOX」が発売されましたが、現在は生産が終了しており、BOXのディスク4枚をバラ売りしたうちの「仮面ライダー THE MOVIE VOL.1」に収録されています。

Blu-rayも「仮面ライダー THE MOVIE Blu-ray BOX 1972-1988」が発売されましたが、現在はバラ売りの「仮面ライダー THE MOVIE Blu-ray VOL.1」が発売されています。

4Kリマスター版は「仮面ライダー THE MOVIE 1972-1988 4KリマスターBOX」が発売。現時点ではBOXのみの発売となっています。

なお、「ゴーゴー仮面ライダー」はDVDのみの収録となりますのでご注意ください。

また、Amazon Prime Videoでは「仮面ライダー対ショッカー」「仮面ライダー対じごく大使」の4Kリマスター版を配信中です。高画質で手軽にご覧になりたい方はぜひそちらもご利用ください!


仮面ライダーシリーズの劇場版に関しては、今後も時々紹介していこうと思います。どれくらい時間がかかるかはわかりませんが、よろしくお願いします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?