マガジンのカバー画像

小説

3
基本的にノンフィクションです。己の記憶を削ってます。
運営しているクリエイター

#亀田製菓

【短編小説】亀田製菓

【短編小説】亀田製菓

■ 6月17日 梅雨が開けようとしていた。雨の中を自転車で走った。

 ハンドルから手が滑った。僕は、転んだ。びしょ濡れの地面に、びしょ濡れの僕が転がった。

 土砂降りの雨が降っていた。そういえば、今日も天気予報に傘マークが出ていた。傘も差さずに僕は、信濃川の堤防を、自転車で走っていた。裾花中学校へ通う、いつもの通学路だった。

 小学校へと向かう小さな女の子が歩いていた。彼女が持つには、大きす

もっとみる