DeepTechを考えるための10のトピック
1. Deep Techという言葉の起源
ディープテックを知る本といえば、尾原和啓さんの「Deep Tech」。日本語で読む記事といえば、こちらがおすすめ。ここでは、Deep Techがうまれたきっかけが、漸進的な改善に収まりがちな起業に対する批判が元となる形で紹介している。リーンばかりではなく本質的な課題解決をしていくスタートアップという意味で、ディープテックという言葉が生まれたことも頷ける。
2. ディープテックのガバナンスが難しさ
逆に専門性の非対称性がほかのプレイヤーと比べてもあるため競争優位性があるとも言える。誰もやりたがらないorやれないはチャンス。
3. 外部不経済を回避するには?
取引当事者以外に費用が及ぶ場合を言う。例えば、企業が環境に対して悪性のガスを排出することで、特定の環境で生活する人のコスト(この場合は健康)が発生する。ディープテックはこうした諸問題に対して対抗する手段として考えられているが、局所的に問題を解決していく上ではまた何かしらの不均衡を生む。
なぜなら、こうした問題はミクロでのプロフィットを生むために、どこかがトレードオフになってしまっている状況で発生する。こうした問題の解決していく人の視点として、様々なステークホルダーとの連携をはかりながら、違和感を抱いてもらう機会を増やしていくことがあげられる。それはこの記事で、知識生態学の専門家紺野先生が指摘していることにも共通する。
"紺野氏は、企業などの経済セクターと、政府・NPOといった社会を担う社会セクターを領域横断していく機能として「プルーラルセクター(複数セクター)」という考えを提唱している。これは全体で1つの智慧となっていくエコシステムのモデルであり、大いに可能性があるだろう。"
4.すべての企業がディープテックを扱う必要はない?
ここ最近アメリカのユニコーン企業を調べていたときに調べていて気がついたこと。プロダクト/サービスには2種類ある。
1.誰も捉えれない課題を解決するサービス
2.ニッチ(もしくは一部分)層の課題は解決されているが、同様の課題が広く解決されないので解決するサービス
1番はディープテックと言われるような事業が主たる例。研究技術(バイオやロボティック)x 特定のドメイン(教育、環境、金融など)などで未解決な問題を先行的に解決市に行くタイプ。現場レベルでの改善(工場で働くひとのオペレーション改善など)が多く、ユーザの数は少なくなる。
課題の発見と解決の難易度が高いため、テコ入れすることができれば独占することができる。また、BtoBの場合、ユーザの少なくなるが、ユーザの量=プロフィットの少なさではないのでここは要注意。
例えば、法人のサーバーの従量課金モデルは仕様データ量がtoCよりも大きくなるので、ユーザが少なくても利益が大きくなる。
タイプ1に取り組むのは金・技術・コネがものを言う。
2. 2番目は「ニッチ(もしくは一部分)層の課題は解決されているが、同様の課題が広く解決されないので解決するサービス」。技術について詳しい人や専門知識をもった現場レベルでは何らかのサービスで課題は解決されているが、専門知識や技術を持ってない人は以前課題を解決されいないので、そこに目をつけていくタイプ。エンジニアの課題を解決するエンジニアのためのプロダクトを一般層も使えるようにするのとかまさにそれ。NotionのCEO Ivan Zhaoが非技術者でもツールを使いこなせるにしたとおもってNotionを作ったのもそう。
All-in-one workplaceという目標を掲げる、Notion
例
情報共有課題:IBM Notes(グループウェア)⇔ kintoneやNotion
プログラミング教育:Tech Academy ⇔ Progate
開発支援:受託開発⇔YappliやWix(保守・運用がより簡単)
転売サービス:YahooオークションやReddit⇔メルカリ
タイプ2の主要な利点は2つありそう。
1. 多くはタイプ1で需要を調査する上で2の市場のテストができる。ただし、ものによってはユーザの特性やニーズが違いすぎるので、スライド式でサービス提供しても意味がないことありそう。
2. なんといってもスケーラビリティ。タイプ1と違って広く使ってもらう可能性が高い。ただし前述したようにToBに比べると薄利になりやすい。
それぞれメリデメは存在する。
今後扱いたいテーマ
5. ビジネスと研究をいかに複合的に絡ませるか?
6. 課題解決の主体は誰にするべきか?
7.ディープテック人材をどう育成/採用するのか?
8.大規模な投資ができない中小企業がディープテックを活用するには?
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