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エガちゃんねるをみて思ったこと

高校卒業以降、入学式は5回参加したことがあるものだから非常に気になった(笑)

入学式の回数はできる限り少ない方がいい!

もう一度言う。

入学式の回数はできる限り・・・

(転職する度に入社式なんてあったら大変だろうなぁ・・・)

と言いつつ、その中から最も印象に残った式辞をこれから引用してみる。

以下、引用。

某大学入学式来賓祝辞

国際難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所  
法務官補佐 Bさん(女性)

 ただいまご紹介に預かりました、Bと申します。新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。
 また、ご家族皆様。栄えあるA大学へのお子様たちのご入学がきまり、さぞ、胸踊らせていらっしゃることと思います。
 今日のこのよき日を迎えられましたのは、皆様の並々ならぬご努力と、ご家族のお力添えがあったからこそだと思います。
 本日は、皆様に与えられた4年間、「目標を持って勉強してほしい」、ということをお話いたします。

<100人に1人>
 「100人に1人。」皆様、この数が、何の数かわかりますか?今ここに、100人の人がいると思い浮かべてみてください。その中の、1人。これは、世界全体で、大学教育を受けられる人の数です。ここにいらっしゃる皆様や私は、その1人なのです。一方で、世界の100人に14人は、文字が読めません。今、この瞬間にも、世界のどこかで、5秒に一人の子どもが、飢えに関係する病気で、命を落としています。今、この日本武道館にいる、私や皆様が、地球規模で見ればどんなに例外的で、恵まれているか。お分かりいただけるでしょうか。

<きっかけ:マリアとの出会い>
 私の現在の仕事をしたいと思ったきっかけは、私がA大学の一年生だった頃見つけたものです。ある先生が勧めてくださったおかげで、日本に来る難民の支援をする団体でボランティアをはじめました。そんなある日、アフリカのある国の出身の女性、マリアに出会いました。彼女は、生まれてこの方、日本に来るまで戦争しか知りませんでした。
 戦乱の中、母親は殺され、兄弟は拉致され、多くの友人を砲撃や地雷で失っていましたが、やっとのことで自分は生き延び、日本に安住の地を見つけました。
 マリアとソファに並んで座りお茶を飲みながら、彼女の話を聴くうち、私は言いようの無い怒りを感じました。この人は、私のすぐ隣にいるのに、この瞬間、同じ空間を共有しているのに、どうしてこんなに境遇が違うのかしら?私は、偶然、日本に生まれました。
 これは努力で勝ち取ったものではありません。それと同じように、彼女を含め、世界の圧倒的に多くの人たちは、自分の努力や能力とは全く関係ない、どの国に生まれたか、という全くの運の問題だけで、私が一生経験しなくても済む、悲しみや、苦しみを経験しなければならないのです。これは、どうしてなのでしょうか。
 この単純な疑問が、私の頭をぐるぐるまわりました。しかし、一緒にお茶を飲んだ半年後のある日。マリアが言ってくれた一言が、私の人生を変えました。「私は、今まで大切な人を何人も失ってきた。でも、負けない。私には、あなたがいる。そして支えてくれる沢山の人がいる。ありがとう、B(筆者注:下の名前)」。
 この笑顔を見たとき、私ははっとしました。彼女は、どん底から這い上がってきたのにもかかわらず、いつも周りに感謝して、前向きに、ひたむきに、生きていたからです。
 「ううん、感謝しなければいけないのは、私よ。ありがとう。マリア、あなたに会えて、よかった」
 彼女のように、強くなりたい。そして、生きていること自体に、感謝して歩みたい。そして、私に一度だけ与えられたこの人生、「同じ地球に、同じ時期に生きる、1人でも多くの人に笑顔になってもらう」という目標のために使いたい。この願いが、私の大学生活4年間を導いてくれました。

<目標に向かって邁進>
 それからというもの、私は、自分の目標のために一心に進み始めました。社会学部の先生のお励ましのもと、A大学の交換留学制度でアメリカに留学する機会をいただき、国際的な仕事をするために必要な語学力も身につけることができました。アメリカでは、毎日朝6:00AMから、英文100ページ近くの宿題と格闘し、泣きそうになりながら図書館にこもったことも、震える右手を左手で支えて、勇気を出してクラスで発言したこともありました。私は今、長年の夢だった仕事についていますが、これは、自分の信じていることを達成したい、という熱い思いがあったからできたことだと思います。

<目標を持って勉強してほしい>
 私はA大学での4年間は、先生方のおかげで、私にとって充実した4年間でした。○○総長もさきほどおっしゃいましたが、皆さんに与えられた、この4年間、貴重です。目標に向かって努力するか、なんとなく過ごすか。それは、あなた自身にかかっています。
 たとえば、テレビをみているとき、教室に座っているとき、A大学のキャンパスに向かうとき、ちょっと立ち止まって考えてください。社会にはこれはどっからどうみても「ヤバイ」、こんなの「アリエナイ」、間違っている、この現実を何とかしなくちゃならない、ということがありませんか?グローバル化が進む中で、実は、世界のあらゆることはつながっているのです。地球温暖化、エイズの蔓延、核問題。そして日本国内の格差の問題、いじめ自殺。これらの問題に、日本の大学生として何が出来るか考え、解決の糸口を探すこと。それを目標としてとりくんでみてください。
 このことわざをご存知ですか?「志有る者は事竟に成る」(こころざし あるものは こと ついに なる)。しっかりとした志を持っている者は、困難や挫折にあっても必ず乗り越えて、最後には成し遂げることができる、という意味です。

 どうか皆様、今日から一日、一日、一歩、一歩を大事にしてください。
 目標を持って勉強してほしい。この思いを、皆さんへのお祝いの言葉といたします。
 皆さん、本当に、ご入学、おめでとうございます。

【参考資料】
臨時279号 A大学広報 A大学総長室発行9364ページ(2007年5月28日)より



さて、当時の私はこの式辞を聴いて心が揺さぶられた。

なぜなら、似たような問題を私も抱えて居たからだ。

私たち日本人もまた「生まれた時代=戦時中、地域=田舎、年齢=若者、性別=男子」で苦い経験をしている。

私の親戚は戦死した人ばかりであった(だいたい満州)。

(現在も「超国家主義」とは言えないまでも、「古いしきたり」が残っている、そんな地域で生まれ育った。)

たまたま、「運」でそうなった。

戦時中は人ばかりではなく、馬や犬も。

たまたま、酷使された動物が沢山いた。

私は入学後、A大学の隣にある靖国神社にほとんど毎日出掛けた。

そこは、散歩コース(観察、研究対象)だった。

注:私のA大学生活は①大学の先生方(東京大学出身、特に丸山政治学の門下)との飲み会(食事会)参加、②大物政治家との間接的なつながり(与野党の党首とか、だからどちらにも詳しかった、笑)、③東大の本郷キャンパス内によく居た(周りの東大生は普通の一般学生に見えた)、④たまにA大学の講義に参加(海外からのハーバードなどの客員教授のもとでゼミ長)。
→A大学の時の暮らしっぷり。

ある時、遊就館(靖国神社内にある施設)の前に

このような文章が書かれたパンフレットが(施設前のベンチ上に)落ちていた。

(というのも、私はこのベンチで食事をとるのが日課だった。学食を利用したのは1回だけ、笑。パール判事の碑文、軍馬・軍犬の銅像や・・・他にも軍艦や母の銅像があり、目の前には遊就館内の透明ガラス越しから「零戦」が見えた。)

それを持って帰って今も持っている(笑)

以下、文面

「戦争は国家によって人を殺すことです。その戦争を賛美するような遊就館は平和を築くためには不要です。戦争で死んでいた(原文ママ)兵士はもちろんその陰に多くの国民が死んで行ったも(ママ)事実です。この人達の御魂は英霊ではないのでしょうか。”戦争反対” ”対話での平和を”」

当時、私の課題は丸山眞男の「超国家主義の論理と心理」『現代政治の思想と行動(増補版)』(1964、未来社)を読んだばかり(もちろん独学)で色々と悩んでいた時期であった。

初めて遊就館に行った時の感想:

私の親戚も祀られているこの場所(英霊)は気の毒だ・・・・

遊就館の中に飾られる若者たちは言っていた。

私は英霊でも犠牲者でもない・・・

もし私が勇者であれば平和を望む、紛争を望まない、と。

靖国神社が政治的な問題(特に8月15日の首相参拝問題)になる度に彼らが可哀想に思えた(上から目線は申し訳なく・・・下から目線です)。

本当の平和を願うならそっとしておいてあげるのが一番良いのではないか。

彼らが火種になる必要はない(巻き込まれる必要はない)。

(個人的には祀られていること自体は悪くないと思っている。『英霊の言乃葉』、『きけ わだつみのこえ』は全部読んだが、少し違和感を感じた。何となくエリートが多いのだ・・・私の周辺は小卒も怪しかった)

だから、彼らを救うために勉強しまくったのである。

途中で個人的な話に変わってしまったが、明らかに私はA大学のBさんの祝辞に影響を受けた。

「エガちゃんねる」を観て妙に懐かしくなった。

昔を思い出した(笑)

今回はそんなお話でした。

いずれ「大日本帝国の構造」に関する論文を書くまでの経緯について話そうと思う。

これ書くまでに15年くらいかかってしまったという話(笑)

個人的には、少しだけ彼らを救うことが出来たと思う。

(2022年4月22日)

追記)

後に自己紹介で書きました。

(2022年12月10日)







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