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山形りおについて(7,615文字)

これはある女の子との話。
上の画像は、出会う前日の2018年11月10日に撮影した写真。


出会い

2018年11月11日

僕は埼玉県本庄市に住んでいた。
ある日、お隣の深谷市でお祭りをやるらしいと聞いたので行ってみた。
「第13回深谷市産業祭」

当時のグーグルマップタイムライン。自宅から会場まで車で行った。

深谷ねぎの丸焼き?みたいなのが食べられる屋台が出ていて、そのほかにもいろんな屋台が出ていた。とても楽しかった。

さらに行われていたのが、「NEGIROCK(ネギロック)」だった。
いろんなアーティストが楽曲を披露していた。
そこで、出会ったのが、「山形りお」だった。

当時の情報を漁ってみたら、Facebookの情報があった。

いろんなブースを歩いているときに、山形りおの歌声が耳に入って、立ち止まった。山形りおの歌声は、なんとも形容できないすごくいい歌声だった。

その時に聞いたのが、「息を吐くように」だった。
僕はその歌声が好きになった。

僕は本庄に住んでいて、こんなに近くに、こんなに素晴らしいアーティストがいるのかと思って感動した。

僕は、山形りおのTwitterをフォローした。

2018年12月14日

僕はライブに行くことにした。
それが、下北沢のライブだった。

僕は本庄市に住んでいたので、下北沢まで間に合うはずがなかった。しかし、山形りおが最後だったので、ギリギリ間に合うんじゃないかと思っていくことにした。

車で行った。新幹線より安かったから。そして、終電を気にしなくて済むからだ。

自宅から、会社。会社から、下北沢。下北沢から、実家。

帰りは実家に泊まって、寝た。

当日のライブは最高だった。

山形りおは、歌っているとき、山形りおから向かって、右側を見る癖があった。僕はちょうど山形りおから向かって右側の客席に座っていたので、自然と目が合う錯覚に陥る。

僕のことを見て歌ってくれたんじゃないかって思うくらい、僕のほうを見ていたように思えた。

2018年12月24日

この日、ツイキャスをやっていた。
山形りおが年賀状を送ってくれるらしい。そしてその抽選会がツイキャスで行われた。

僕は当たった。
『つっかちゃん。』という名前は、僕の名前がつかもとで、当時、深谷市のゆるキャラ、ふっかちゃんが好きだったからその名前をもじったものである。

すごい、嬉しかったのを覚えてる。

しかし、諸事情によって、年賀状は送られてこず、山形りおから直接、年賀状の画像が送られてきた。

それだけでも嬉しかったことを覚えている。


僕の休息期間

僕自身、余裕のない期間だった。
山形りおを追えていなかった。


再会

2022年

僕は、数々の転職を乗り越え、持病である双極性障害Ⅱ型の治療を始めたことによって、安定を勝ち取った。

そうしたときに、心の余裕ができてきた。
劇団スカッシュというyoutuberの推しもでき、ある理由で辞めていたTwitterをファン同士の交流のために再開した。

Twitterを再開すると、過去のアカウントを検索してどんなことをしていたのか思い出す時期があった。
そのときに、思い出したのが、山形りおだった。

山形りおは、もうライブ活動はしていなくて、ずっとツイキャス配信だけをやっていた。
ツイキャス配信は、月一回くらいのペースで、不定期だった。

だから始まったら必ず聞くようにあらゆる通知をonにしていた。
そして、僕がTwitterをやっていなかった時期のツイキャス配信のアーカイブもすべて聞くようにした。

山形りおはとにかく頑張っていた。音楽を続けていた。配信で聞く歌声も素晴らしかった。
山形りおは、歌っている途中に上手くいかなくて「だめだぁ~」とか言って、弱音を吐くこともあったが、それでも歌うことを辞めていなかった。

僕は、また応援したいと思った。
いつか、またライブに行きたいと強く思った。

2023年2月26日

2023年から、路上ライブをやるっていう話をツイキャス配信でしていた。路上ライブをやりながら、またいつかライブ会場でライブできるようにしていくって言っていた。

その路上ライブがまず大宮駅で行われた。
動画も撮っていいってなった。

凄く風が吹いていて、とても寒かった。温かい飲み物を差し入れもした。
終わりまでいて、片付けも見守って、改札まで帰るのを見守った。

写真も撮ってくれて、サインもしてくれて、ありがたかった。

歌声は最高だった。目の前で聞けることがすごく嬉しかった。

終わった後、Instagramで山形りおにDMを送った。感謝と寒かったことについて心配のメッセージ、あと動画をsnsにアップしていいかの確認を送った。
一か月くらいたったころ、返信が来た。

山形りおは、snsが苦手と言っていた。だから返信が来なくてもおかしくなかった。それでも返信が来たのが嬉しかった。

2023年5月4日

この日は、ツイキャス配信があった。夜7時くらいから、配信された。いつもは深夜から始まるから、珍しいなと思った。

ツイキャス配信の前、Instagramのストーリーで、路上ライブをやるかどうか、悩んでいるっていうのを言っていた。

ツイキャス配信が始まって、いまから路上ライブをやるかどうか、悩んでいた。

ツイキャス配信の投票機能で、路上ライブをやるかどうかの投票が始まった。3人が投票して、路上ライブをやることになった。

路上ライブは高崎駅でやることになった。

僕は川越市に住んでいたから、高崎駅までかなり距離がある。しかし、行かないわけにはいかない。行って、路上ライブが終わっていたとしても、行こうとしたことが大事であると思った。

調べたら、電車で新幹線を使っていくルートと、僕はバイクを持っているので、バイクで高速に乗っていくルートがあった。

少しだけ、バイクに乗って高速を使ったルートのほうが早かった。なにより、終電を気にしなくても済むから、バイクで行くことにした。

高速使って、山形りおに会いに行く。初めてライブに行ったときと同じだった。

着替えて、コンタクトをしようと思ったが、時間がなかったので、とりあえず眼鏡をかけていった。
僕はコンタクトを入れるのに慣れていないので、時間がかかる。とにかくなにも考えずに家を出るには、眼鏡しかなかった。

この日の高速道路は、渋滞していなかったが、とにかく風が強かった。

高崎駅に着いて、バイク駐輪場を探すも見つからず、近くのヤマダ電機の立体駐車場に停めることにした。バイク利用不可と書いてなかったと思う。
この駐車場を見つけるのに時間がかかってしまって、結局、新幹線で行くのと変わらないくらい時間がかかってしまった。

そして、高崎駅の地理感もなかったので、どこで歌っているのか見つけられなかったが、山形りおが歌っている声がしたので、そちらに歩いていったら見つけることができた。

また、路上ライブで直接、山形りおの歌声を聴くことができた。素晴らしかった。

終わりに近づいて、僕がチップを渡そうとすると、
山形りお「初めてですか?」
僕「初めてじゃないです、大宮も行きました。」
山形りお「いつから知ってるんですか?」
僕「いや、深谷のネギロックで、あ、あの、僕、つかもとです。」
山形りお「え、あぁ!眼鏡してるし、雰囲気変わったからわからなかった!」

僕は最近、パーマをした。そして、大宮の時はコンタクトをしていた。そしてバイクに乗るときは安全のためにファッションが変わる。

山形りお「最初のほう、聴けなかったでしょ?もうちょっとやるね」

といって、終わろうとしていたのに路上ライブを続けてくれた。
嬉しかった。そして、最高だった。

そして、他のファンの方で新幹線の終電の時間が来たので、切り上げることになった。

この日も写真を撮ってくれて、サインもしてくれた。

山形りおと、他のファンの方と、僕とで歩いていた。ファンの方は新幹線で帰るのでお別れした。

山形りおは車で来ていて、偶然、ヤマダ電機の駐車場で一緒の場所に停めていた。

山形りお「駐車場どこですか?」
僕「ヤマダ電機のとこです。りおさんは?」
山形りお「一緒です。」
僕「じゃぁ一緒に行きましょうか。」

といって、2人で歩いていくことになった。

数分一緒に歩いただけだけど、たくさん話した気分になった。
僕が、パーマをあててイメチェンした話、バイクだとファッションが変わる話、今度髪の毛染めようと思っている話。

とっても楽しかった。

帰り際
山形りお「またねー、ばいばい~」
僕「気を付けてね、おやすみ~」

っていうのも嬉しかった。

そして、日付変わって、家に着いた時、InstagramでまたDMを送った。


すぐに返信が来たんだ。絵文字もたくさんあった。
山形りおはsnsが苦手だから、普段からsnsを見ないはずだった。だから返信が来るのは一か月先くらいになると思っていた。

次の日の朝には来ていた。これが嬉しかった。会話の内容すべてが嬉しかったんだ。


別れ

僕はバカだからこれでもう山形りおのことが頭から離れなくなる。親友に相談した。

「ご飯に誘っていいかどうか。」

深夜まで通話した。相談に乗ってもらった。

ご飯に誘ってダメなら、もうツイキャス配信のコメントや路上ライブに行くことは出来なくなる。こちらからしつこくアクションを起こすのはストーカーになってしまう。

ご飯に誘ってOKなら、それはそのとき考える。

ここで、天秤にかけることになった。


一生、ツイキャス配信や路上ライブを見に行くことが出来なくなってもいいから、ご飯に誘う勝負をするのか。

それとも、自分のご飯に誘うという欲求を抑えて、ちゃんとファンとして応援するのか。


相談して、たくさん悩んでもすぐには答えが出なかった。

それとは別にyoutuberが生配信をしていた。緩い生配信だったので、コメントで相談をした。
気になっている女の子にご飯に誘っていいのかどうか悩んでいると相談した。

そうしたら、答えは「誘っちゃいなよ。」だった。

そりゃそうだ。気になっている女の子だったら、誘っちゃっていいと僕も思う。

しかし、僕が気になっているのは、山形りおだった。

もし、ダメで、路上ライブ等の今後の活動を見れなくなるのは限りなくつらい。


たくさん悩んで出した結論は、

誘った。


ダメだった。既読のまま返事はない。
だから、TwitterもInstagramもツイキャスもフォローを外した。

すぐに、阿部真央の『貴方の恋人になりたいのです』が思い浮かんだ。

昨日送ったメールの返事はやはり
夜が明けた今も来ないまま
あぁ送られなければ良かったな
悔いだけが募ります

この歌詞のまんまだった。

こうして、僕からのアクションはもうなにもできなくなった。
あんなに大好きだった、歌声を生で聴くことが出来なくなった。

出来ることなら、
「ウソウソウソ!!!冗談冗談!忘れて!次の路上ライブ楽しみにしてるね!」
って送りたい。

男らしく真っ向勝負しろみたいなのがツライ。
たった一度だけ、一緒に帰って話して楽しかった女の子をご飯に誘っただけなのに、こんなにツラくなるとは思わなかった。

ちゃんと、正々堂々、ご飯に誘った。そして負けた。

僕はもう、歌手としての山形りおだけでなく、女の子としての山形りおを好きになっていた。頭から離れなくなっていた。


心の底から僕は男を辞めたいと思った。僕が男であるからいけないんだと思った。

僕が男だから、女の子と一緒に楽しく話しただけでもう一回お話ししたいと思ってしまうんだ。
僕が男だから、女の子に褒められただけで嬉しくなってもう一回会いたいと思ってしまうんだ。

もし、僕が女の子であれば、純粋に山形りおのことを好きでいられたのかなと思う。

そしてなにより、ご飯に誘わなくても、今後やるかもしれない路上ライブに何度も行くことで、お話しできたかもしれないのに、なぜすっ飛ばして、お話ししたいと思って、ご飯に誘ってしまったのかという後悔に苛まれている。


神様どうか、時間を戻してもらえませんか。
あの、メッセージを送る前に、スマホを壊してくれませんか。
僕のInstagramのアカウントをBANしてくれませんか。

神様どうか、お願いです。
もう一度、山形りおの歌声を生で聴かせてもらえませんか。
僕がいけないことをしたのは重々承知しています。反省もしています。
どうか、お願いです。


歌手として、純粋に山形りおが好き。これはこの先もずっと変わらない。
女の子の山形りおともう一回、お話ししたいと思った。そこからご飯誘ったのが間違いだった。

やらないより、やって後悔みたいな言葉があるけど、
後悔は後悔でツライものがある。たまにはやらないほうがいいこともある。

男なら男らしく一発勝負みたいなことを言う人がいるけども、
勝負をしなかったからと言って負けではなくて、今が幸せでそのまま現状維持でも幸せでいられることはある。

僕は間違えた。間違えたんだ。
どうしたらいい。この気持ち。
あの時の自分を責めてしまう。
自分で自分を苦しめてる。
未来の自分を苦しめることがわかっているのなら、誘わなかったのかな。
本当にごめんなさい。


それでもとにかく、山形りおの歌声は素晴らしいので、是非皆さんに聞いてもらいたい。


いつか、ライブをやるとして、
300人くらいのライブ会場なら、紛れてもバレないかな。
ネットで買うようなチケットなら、バレないかな。
武道館なら、絶対にバレないかな。

ダメか。男らしくちゃんと身を引かないとダメかな。
でも聴きたい。聴きたいんだよ。山形りおの歌声が。

じゃぁなんで調子乗って、出しゃばってご飯なんて誘うんだよ。
誘わなければよかった話じゃないか。

帰り道、楽しかった。楽しかったんだよ。そのときの山形りおのことも好きになっちゃんたんだよ。だからもう一度会いたいって思っちゃったんだよ。

今後一切、女の子と話せなくていい。彼女もできなくていい。だから、山形りおの歌声を生で聴かせてください。お願いします。神様。


まだ返信は来ていない。


数日後

僕は、決意した。決意したはずだった。
これ以上、こちらからアクションを起こさないように、しつこくしないように、山形りおのTwitter、Instagram、ツイキャス配信のフォローを外して、自制するはずだった。

Twitterのフォローを外したのに、それでも自ら山形りおを検索して、アカウントを見に行ってしまう。

いまはそういう時期だから仕方ない、そう思っていた。このフォローを外しても見に行ってしまう回数が減っていけば、忘れることができるはずだと。

山形りおは、ツイキャス配信をしていた。前回の配信から、時間が経っておらず、珍しいなって思っていた。

「明日報告があるから、Twitterフォローしておいてほしい。」

そう言っていた。


僕はもうフォローを外していた。

気になって仕方ない。結婚報告か?結婚だったら、いいな。諦められる。そして、そもそも僕がご飯を誘う前から可能性がなかったことになって、僕が一人で舞い上がって、落ち込んだだけで済む。滑稽な男でいい、そっちのほうが人間臭くていい。だから結婚報告であってくれ。

と思っていた。


次の日、僕は、仕事をしながらもずっと気になっていた。どんな報告をするのか。報告をするとしたら、何時になるんだろうか。

頭の中でずっと山形りおのことばっかり考えて離れなくなっていた。

仕事が、終わってから、ずっと僕は山形りおのTwitterを見ていた。いつ更新されるのか、ずっと待っていた。

フォローを外して、もう忘れると意気込んでいた男が、数日でずっと張り付いているなんて、ダサすぎるし、アホすぎる。

もうこれは付きまとい行為だ。でも、いいねをつけたり、DMをしつこくおくったりするアクションは何も起こしていない。ただただ、ひたすら見守っていただけだ。これだけは許してほしい。

そうして、Twitterが更新された。

ライブ告知だった。

結婚報告じゃなかった。ほっとした自分もいた。
もう好きじゃん自分って思った。

でも、ひどく後悔をした。

ご飯を誘って、返事もない。これ以上、こちらからアクションは起こせない。

この状態で、平然とライブのチケットの取り置きのDMを送ったら、相手は恐怖を感じると思う。怖いと思う。

あぁ、そうだ。

僕はもう山形りおの歌声を生で聴くことは出来ない。路上ライブもライブもいけない。ましてや、ツイキャス配信でコメントも書けない。

もう聴けないんだ。

不思議と嬉しい気持ちもあった。

あの頑張っていた山形りおが3年ぶりにライブをやる。ツイキャス配信を辞めずに続けて、路上ライブも挑戦して、頑張っていた山形りおが帰ってこれた。

きっと、決断するのはすごい勇気が必要だったと思う。その決断をしてくれてありがとう。と思った。僕は聴きに行けないけど。

当日、ライブで山形りおの歌声を聴けるお客さんはいいなぁと思ったと同時にご飯を誘うという自分の行いを恥じた。


僕は、以前相談した、親友にいろいろ報告した。親友は
「どんまい。タイミング悪かったね。」
とだけ言った。

深夜、親友と通話しながら、マインダストリーというゲームをしていた。

僕が、ライブに行きたいという話をしたり、後悔をしている話をしたり、弱音ばっかり吐いていた。

いろんな話をしながら、淡々とゲームをしていた。
そうしたら、スマホの通知がなった。
InstagramのDMの通知だった。
山形りおからだった。

僕「ちょっとまってまってまって!山形りおからDMきた!!!見ていい?見ていい?見ていい?」
親友「だめ!いま、大事なとこだから!ゲーム!終わってからにして!」
僕「いや、まって、全然集中できない!」
親友「ちゃんとやれ!!!」

DMが来たけど、すぐには見れなかった。ゲームが進行中だったから。でも気が気じゃなかった。

そうして、ゲームがひと段落したあとに、
僕「ごめん、もうDMみるわ。」
親友「いいよ。」


僕「読み上げるね。」
(そのまま読み上げた。)
親友「よかったな。返信来て。」
僕「よかった。俺が痛いファンっていうことで落ち着いて。俺だけがアホで滑稽な男っていうことで一件落着してよかった。」
親友「だな。」
僕「空回ってたな。俺の人生って面白すぎるわ。」

アーティストとファンの距離感を大事にしたいということだった。返信が来てよかった。


神様、ありがとうございました。
願いを叶えてくれてありがとうございました。

僕はちょろいので、女の子と楽しく会話しただけで好きになってしまいます。そのたびにいろんな間違いをします。そして、毎回、神様にお願いしてしまうかもしれません。

呆れてしまうと思います。でもこれが僕です。アホで滑稽。空回ってしまいます。それでも好きな気持ちは本物です。

僕はこれから、このDMの返事をして、ライブに行かせてもらおうと思います。


僕の誕生日は、6月26日。ライブは6月10日。
ちょっと早い誕生日プレゼントかな。

ありがとう。山形りお。


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