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最近、韓国の恋愛ドラマがちょっとマンネリしてる件

2023年後半~2024年1月期の韓国の恋愛ドラマは「えっ、またこのパターン!?」というケースが特に多かった。
 
例えば、つい最近、女主人公が絶命した瞬間に過去に戻り「人生をやり直して、復讐する」という新作ドラマを立て続けに目撃した。
 
1つめは、U-NEXTで配信済の『完璧な結婚のお手本』(2023年10月~)
2つめは、Amazon Primeで配信中の『私の夫と結婚して』(2024年1月~)

 
後者はまだ完結していないが、いずれも1度目の人生の恨みを晴らし、別の人と恋愛する物語。
 
俳優陣の演技は申し分なく、スカっとする場面もあるのだが、中盤に明らかになる謎(ネタバレになるのでここでは記述しない)まで同じ。 

■多発する「前世」「転生」「因縁」
 

それからもう1つ「またこの設定?」と感じる頻度が増えているのが、主人公の2人が前世で縁があったケース。
 
2023年の下半期以降、Netflixで配信された『生まれ変わってもよろしく』『この恋は不可抗力』『マイデーモン』の3作は、いずれも「前世」が絡んでいた。
 
前世、転生、記憶、因縁
 
これらのエッセンスが多用されすぎて、何か月かしたらどのタイトルがどんな内容だったのかわからくなって、トランプの神経衰弱をしているような感覚に陥りそう。
 
そして、「またこの設定か」と思ったのが、都会でひどく傷ついた主人公が田舎の自然や濃密な人間関係に癒されるドラマ。お節介だけど素朴で人情深い人たちを最初は面倒に感じるが、その温かさに次第に癒されていく。最近はカントリー物の「型」が完成されつつあるのか、類似作品の制作スパンが短くなっているように感じる。
 
そんなこんなで、王道の韓国ドラマの雰囲気を踏襲した今季の日本ドラマ『EYE LOVE YOU』(TBS系列で放送中/Netflixなどで配信中)の直球ピュアなラブコメでかえってほっとする……という逆転現象すら起きている。
 
いずれにせよ、韓国でも日本でも損得勘定抜きの恋愛のハードルはどんどん上がっている。
 
「人生をうまくコントロールせよ」と教えられて育ったのに、感情コントロールを不能にさせる大恋愛にハマるなんて、前世からの因縁の1つや2つないと難しいのかもしれない。だからこそ、転生、タイムトラベル、非人間、過去のトラウマなしの「平凡な恋愛ドラマ」では没入感が得られにくくなっているのではないだろうか。


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