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会議論文と学術論文の役割

会議論文とジャーナル論文はともに学術論文ですが、それぞれ異なる役割を果たします。会議論文は、学術会議や研究会で研究結果を発表するための文書であり、通常は短い形式での発表が主な目的です。一方、ジャーナル論文は学術誌に掲載され、広範な学術コミュニティに向けて研究結果を公表するもので、より詳細で包括的な情報を提供します。また、査読基準や執筆方法にも差異があります。

会議論文
1)役割
- 会議論文は、学術的な会議で発表および共有されることを主な目的としています。学術会議は研究者や専門家が最新の研究成果やアイデアを交換し合う場です。
- 会議論文は、研究者が自身の研究成果を広め、他の研究者と意見交換する機会を提供します。また、同じ研究分野の同僚からフィードバックを受ける機会でもあります。
2)特徴
- 会議論文は一般的に短い形式で書かれ、特定の研究トピックや問題に焦点を当てます。
- 査読プロセスに通過し、学術会議で発表されるため、一定の品質と信頼性が求められます。
- 会議論文は研究の進行中の成果や新たなアイデアを提供し、他の研究者に刺激を与えることがあります。

学術論文
1)役割
- 学術論文は、学術雑誌などの学術出版物で発表および公開され、学界全体に知識を提供し、議論を促進します。
- 学術論文は、研究成果の詳細な説明と論理的な展開を提供し、研究の信頼性と信用性を確立します。また、多くの場合、査読プロセスを経て品質が確保されます。
2)特徴
- 学術論文は通常、詳細な研究結果、方法、議論、文献レビューなどを含み、研究の完全な記録と考察を提供します。
- 学術論文は学問的な対話に参加し、研究分野の最新の進展を示す役割を果たします。また、長期的な知識の蓄積に貢献します。

一般的に、会議論文は研究の初期段階で得た予備的な結果やアイデアを発表し、関係者からフィードバックを受けるために使用されます。その後、会議論文を改善し、ジャーナルに投稿することが考えられます。ただし、二重投稿(二重出版)を避けるために、以下の点に注意する必要があります。

1)タイトルの変更: タイトルを変更し、会議論文とジャーナル論文のタイトルが異なるようにすることで、読者に混乱を避けさせます。

2)新規な内容の追加: ジャーナル論文には、学会での発表内容を明示的に示し、さらに少なくとも30%以上の新しい内容を追加・拡張することが必要です。これにより、二重投稿の疑念を排除できます。

なお、ジャーナルによって編集方針が異なることがあるため、投稿を検討するジャーナルの投稿規定を事前に確認することが重要です。



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