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僕のフォースの覚醒

積み重ねた 思い出とか 音を立てて崩れたって 
僕らはまた 今日を記憶に変えていける

彼らに出会ったのは、僕が高校生の頃でした。

男子校に通っていた僕は、青春の象徴ともいえる部活動には参加せず、授業が終わったら帰宅するという、ただ家に帰る活動をしていました。だって、周り見回したって男ばかりで、女の子にキャーとか言われないし、何より体験入部したバスケ部で、パスが思いっきり顔面に当たった瞬間、「OK、ボールは向いていない」と思ったので、早々に部活動の道は諦めました。

そんな日々の中、唯一の楽しみは帰りがてらふらっと立ち寄る新宿HMVでの音楽視聴でした。ご存知の方も多いと思いますが、とにかくたくさんのCDやDVDなどを売っているお店です。これが僕の高校時代の最大の青春だったかもしれません。

たいして物を購入しないにも関わらず、毎日1〜2時間程、入り浸っていました。ただただ、気になる音源を視聴しまくっていただけです。スタッフからすれば、「暇なやつだな」と思われていたかもしれません。はい、間違いありません。完全に暇でした。直接家に帰るのが嫌だっただけです。(今は当時より、多少お金も持っているので、お店で視聴しながら、CDも1〜2枚購入できると思います・・・)

さて、そんなある日のこと、いつものようにHMVに行くと、気になるCDジャケットを発見しました。

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おいおい、凄いなこのスパゲティの兄ちゃんの顔。何これってな感じで、ひとまずDisk1をポチッと押して、ヘッドフォンをかけました。

ここから、ある意味自分の人生を大きく変える瞬間が始まったのかもしれません。

なんて言うんでしょうか。僕にとっての本格的な音楽どっぷりの始まりだったように思います。某映画でいうところの「フォースの覚醒」です。

あれから、僕は大人になり、現在は都内のライブレストランで働いています。日夜、トップミュージシャンのライブが繰り広げられる場所なんですが、残念ながら今は自粛影響下で全く営業できていない状況です。そんなこんなで、なんとか大好きな音楽の仕事に食らいついています。

本当に人生わからないものです。あのとき、音楽を聴きまくっていた日々が、今の仕事に通じているんでしょうか。

人生の選択って、いつ、どのタイミングで訪れるのかわかりません。高校生の時に部活動の道を歩んでいたら、今とは違った生き方をしていたのかもしれません。でも、そんなこと、誰にもわかりません。

積み重ねた 思い出とか 音を立てて崩れたって 
僕らはまた 今日を記憶に変えていける

上記は彼らの「虹」という楽曲の一節。

今しか味わえないこの日々が、いつか自分の人生の大切な何かに繋がっていることを楽しみに、今できることを。



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