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スパークコーヒーの品質について、中の人はこんな事を考えています①

今日は意外と今まで書いてこなかったコーヒーの話をしてみようと思います。

テーマはスパークコーヒーの「コーヒーそのもの」についてです。

私が経営するスパークコーヒーのウェブサイトでは、コーヒーに関して以下のようにポリシーを表明しています。

SPARK COFFEE ROASTERSが焙煎するコーヒーは、私たちが100%の信頼を置く、産地を知り尽くし、生産者と太いパイプで繋がれたインポーターによって調達されています。より厳選された素材です。
品質に関して大切なことはたくさんありますが、まず第一には木の実であるコーヒーが収穫される時点において、きちんと完熟しているかどうかということ。それが、コーヒーの風味の豊かさにつながります。
焙煎については、ロースター(焙煎人)の哲学が反映されるべきと考えています。「素材本来の味を引き出す」という表現をコーヒーにおいてもよく目にしますが、少々説明不足です。 そのコーヒーの味作りをしていく上で、香り、酸味、甘味、口に含んだ質感、またあるものは苦味など、 数ある要素の中でどの部分に重きを置くか。そのバランスの取り方こそが重要です。
即ち、個性的なコーヒーとは、素材とロースターとの融合によって作られると私たちは考えています。私たちだからこそ出せる味わいのコーヒーを、是非ご家庭でも。

いかがでしょう?「へぇ〜そうなんすね〜」って感じですかね。

創業と同時にウェブサイトで表明して以降、ほぼ変えていないのがこのポリシーです。

もちろん焙煎自体は変えてます。

たとえばトータルの焙煎時間が最初は10分だったのが12分の時期があったり、今は逆にグッと短くなって8分だったり。

都度変えてきたので創業時と比べるとかなり変えてます。

それでも「スパークコーヒーの味」というものがあるとすれば、それはこの「ポリシーがあるから」です。

このnoteをご覧のみなさんにはさらに掘り下げた話をしても大丈夫だと信じて、上に書いてあることを段落ごとに解説していきましょう。



SPARK COFFEE ROASTERSが焙煎するコーヒーは、私たちが100%の信頼を置く、産地を知り尽くし、生産者と太いパイプで繋がれたインポーターによって調達されています。より厳選された素材です。

まず初めに、素材である生豆の調達について語っています。

ここではまず、「私たちは生豆買い付けを行っていません」「その道のプロにお任せしています」ということを言っています。

「見学ツアーに行って生産者とちょっと絡んだくらいにする事」とバイイングは全く別物です。

(ちなみにタイトル画像は見学ツアーでエルサルバドルに行った時のものです。)

詳しくは長くなるので割愛しますが(一度書いてみたら同業者への批判みたいになったのでゴッソリ削りました。批判すること自体は悪ではないと思いますが、このような場で書くことではないですね)、生産者との関係構築にとてつもない労力と時間とお金とリスクを払って行うのがコーヒー生豆のバイイングで、とてもじゃないですが日本国内での小売をメインとする小規模コーヒーロースターごときが足を踏み入れられる領域ではありません。

(生豆の輸入と焙煎の両輪でやっている中小企業ももちろんありますし、尊敬すべき企業ばかりです。)

資金の問題ももちろんありますが、それも含め限られたリソースをどこに割くべきかといえば、私たちの場合は生豆買付ではなく焙煎です。

自分たちでバイイングをしない代わりに、インポーターさんとの関係を大事にした上で素晴らしい素材を選ばせてもらっているということです。

具体的にはカフェプントコム さま、ミカフェートさま、ディーシーエス(米カフェインポーツの日本代理店)さまなどです。

因みにスパークコーヒーで販売しているコーヒー豆のパッケージには、生豆をどのインポーターさんから仕入れているかを明記してあります。

ここに挙げた3社とも、はっきり言って業界内でトップレベルの生豆を輸入している商社である事は、コーヒー関係者であれば誰も否定はできないでしょう。

「より厳選された素材」と書きましたが、文字通りプレパレーション=選別の精度が抜群に良いのが特徴です。欠点豆が少ないとか完熟した豆だけを使っているとかそういうことですね。

近年では生産者との直接取引などのパートナーシップを売りにした小規模生豆インポーターからの提案を受ける機会が本当に増えて、数多くのサンプルをカッピングしてきましたが、既にスパークコーヒーで扱うコーヒーと同列に扱えるほどのクオリティのものは、、、無いとは言いませんが非常に稀です。

それだけ、現在お取引している生豆商社の方々がしっかりと生産者と関係を構築し、目利きをした上で非常に煩雑な輸入手続きなどを経てからやってくる生豆は素晴らしいものばかりです。

私たちはそんな彼らの仕事を心からリスペクトし、100%信頼し、また彼らが生産者とそうするように、私たちも長い年月をかけてパートナーシップを強めてきています。

生豆なんて今やネットを探せばそこかしこに売っていますし、シングルオリジン やゲイシャだって手に入ります。あとは何らかの方法で焙煎さえすれば、誰だってその瞬間からロースターとして商売ができます。

これは料理でも同じですよね。食材なんてどこでも手に入りますし、飲食店を開業するにあたって特別な資格や免許は不要です(食品衛生責任者はまた別枠)。

ですが、より厳選された素材を調達しようとなると人と人との信頼関係を抜きに語ることはできませんし、それは一夜で構築できるものでもありません。

生豆商社とはいわば「中間業者」に位置付けられ、ダイレクトトレードが礼讃されがちな昨今では消費者にとっては理解しづらい存在かもしれません。

しかしながら、とりわけクオリティが重視されるスペシャルティコーヒー の世界においては、"文字通り種からカップまで"、"from seed to cup"のフローの全体を通してプロフェッショナリズムを維持するためには、私たちにとって必要不可欠な関係だと考えます

コーヒーやバイイングの素人によるダイレクトトレードほど低クオリティな物は無い、ということです。

技術に関して言えば、例えば"焙煎歴何年〜"とか、"バリスタ10年やってます"とかはあんまり関係ないと思っています。というか、私自身やればやるほど単にそういうものではないことがわかってきました。最近焙煎を始めた人の方が私よりも上手に焙煎できていたり、競技会においても歴のある無しと結果は必ずしも比例しません。

が、信頼関係に関して言えば絶対に構築には時間がかかります。

スパークコーヒーは10月で創業から5年が経ち、私自身のコーヒー従事者としてのキャリアも15年ほどになります。

その間コツコツと築き上げてきた関係先との信頼関係こそが、スパークコーヒーの品質を支えていると言えるでしょう。生産者はもちろん、現地エクスポーター、そして取引先である商社の皆様には本当に感謝しています。


、、、さて、コーヒーに関するポリシーの1段落目の説明にこんなに文字数を割くとは思いませんでした笑

それでも語り足りない部分はありますが、とにかく素材選びに関しては「信頼関係を大事にしてます!」「それって一夜にして得られるものではないので貴重ですよね」ってことですね。

というわけで長くなりそうなのでまた連載にします。

次回、次の段落について、

品質に関して大切なことはたくさんありますが、まず第一には木の実であるコーヒーが収穫される時点において、きちんと完熟しているかどうかということ。それが、コーヒーの風味の豊かさにつながります。

この部分についてお話ししていこうと思います。ここについても語るべきこといろいろあるな〜、、、。


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https://www.rakuten.co.jp/sparkcoffeeroasters/


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