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一週遅れの映画評:『TENET』わからん、全然わからん。

 なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かしてツイキャスで喋る。
 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。

 今回は『TENET』です。

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 あーやだなーこの話したくねぇなー、あのですね、私は人にアホだと思われたくないんですよ。正確にいうと「取り繕ってる外面が剥がれてバカだとバレるのが怖い」なんですけど……でもこれは避けられないからなぁ……。

 そのですね、『TENET』。よくわかんねぇ
 
 いや大筋はわかるし、逆行世界の設定もなんとなくはわかるけど、ちょこちょこ「ん?これどういうこと?」って部分がいっぱいあって。例えば「回転ドア」、逆行世界に行った人間は世界の時間軸の流れと個人の時間軸の流れが「逆」になっていて、それを揃える装置が回転ドア(向かい合う時間のベクトルを180度変える様子を「回転ドア」見立てている?のかな?)っていうのはわかんだけど、その理屈って説明されたっけ?あれ?されてない……ん?んん?ってなっちゃたり。
 あとはこれ完全に私のせいなんだけど、空港の金庫に侵入したときに襲ってきた黒づくめ達。顔のガスマスク?は剥がしたシーンであらわになった顔が映らない時点で「あーなるほどなるほど、これは襲ってきた奴らがそうってことでしょ?ふんふん」と思って見ていて、それは当然正解なんだけどそのことに気を取られていて「あれ?でも黒づくめチームがその金庫に行く理由って……なに?」ってなっちゃって、(ここでコメントをもらって)あっそんなん言ってた!女のケガを治すためにだわ……でもなんで治るんだっけ?わからん。いやこれは完全に話に集中してない私が悪いんだけどさw
 
 それとラスト近くの「この鉄格子が開かないー!」のところは、本格的に何がどうしてどうなったか全然理解してない。倒れてて起き上がった人はどっから来た誰で、えーとカギが閉まっていたのはそいるの作戦で?逆行するから起き上がってなんだかんだのあと「かけたカギが、かける前の状態になる」から鉄格子が開く……のかな?それであってる??みたいなすんごいボンヤリした解釈してて。
 それも「あーなるほどね、ここでこの人が主人公を救うために帰還できなくて、このまま一生逆行世界で生き続けるみたな!あれでしょ『仮面ライダーディケイド』のカブト回(まぁあれはクロックアップ世界だけど)的なやつになるのね」とか思って見てたら「違ったわw」ってなっちゃって、それでひとりわちゃわちゃしてる間に理解ができなくなっている、っていう。
 
 これどっちも「勝手に予想を立てて、それとズレたときに脳内で路線修正に手間取って、その間に進行してるお話を見逃してわけわかんなくなってる」って状態。予測不能のSFエンターテイメント!としてはものすごく楽しめたんだけど、ちょっとその感覚とスピード感に上手く脳がチューニングできなくて色々なものを取りこぼしてしてしまった感じがすっごく強い。
 
 いやね、ちゃんと面白かったんですよ。
 エントロピーを減少させる技術(いわゆる「マクスウェルの悪魔」ってやつですかね?)によって「起きたこと(エントロピーの増大)」が逆行する!っていうのと(これ全然関係ないけど『アースグランナー』の「逆転♪逆転♪」と一緒だわね)、エントロピーの減少する逆行世界では「火は凍る」し「押すと”引かれて”、引くと”押す”ことになるから、歩くのですら困難」とか「空気を吸おうとしても、逆行世界では吸えば吸うほど”吐く”ベクトルで力が働くし、今度は吐いてみても逆行世界から取り込んだ空気が体内領域に入ったとたん”吐く”に変換されるから、呼吸ができない→一緒に逆行してきた酸素ボンベからしか呼吸ができない」っていうのはめちゃくちゃ面白いしワクワクした。こういうの本当に好き!
 だから最後の「時間挟み撃ち作戦」も、正直何がどうなってるのかよくわかってないけど「とにかく散らばってる瓦礫がいきなり戻ったりして、それが戦場の仕掛けになっててー!」みたいのも、わからないなりに面白かった。
 ただどうしても咀嚼するだけで手いっぱいだったから、ちゃんと内容まで踏み込めてなくて……主人公が「主人公」であることにこだわるシーンあるじゃない?中盤あたりの「俺は違う」と終盤の「俺が主人公だ」って2か所。あれって、というか主人公って物語の中心にいる人物ってことで、それは周りの人間、つまり脇役たちを「自分の都合」で振り回すことができる立場ってことなんですよ。そう見ると世界の主人公って誰だ?って考えたとき、私たちが振り回されるしかない従うしかないものって「時間」なわけで、その制約から自由になる、「時間」を振り回す立場になったことを「主人公」と呼んでいるのかな?と。
 テーマとしてはそこなのかなー、各々の人生で自分が「主人公」である重要性の話なのかな。
 
 それで言うと序盤にあった、船から海に飛び込む女を見たヒロインが「私はいまの女に嫉妬した。その自由さが羨ましい」みたいなセリフを、後半で「かぁー!そうくるかぁー!」って感じで回収してて、それって自分の人生を自分の手に取り戻すこと、つまり「主人公になる」ってことなんだろうね。ここはねぇ、時間をとって描写されてるおかげでちゃんとエモさを享受できたw

 だからそれでなんとなく思ったんだけど、これたぶん最初のシナリオでは上映時間240分とかなんじゃないの?こう映画としてのパッケージがあるから150分まで編集したけど、これたぶんディレクターズカット版とかノーラン監督編集版とかだと4時間越えになるタイプでしょ!って感じが凄いする。
 
 だから私がわからないのも仕方ない、仕方ないんですよ……という言い訳を最後に置いておきます。いや、面白かったんだけど、もう手一杯を余裕で越えてるからこれが限界です!
 
 はぁ……アホだと思われるんだろうなぁ……。

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 この話をしたツイキャスはこちらの13分ぐらいからです。


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