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「今まで受けたオンライン授業の中で1番楽しかった!」と評判の大学オンライン授業メソッドを公開

こんにちは。授業支援クラウド「スクールタクト」を開発しているコードタクト代表の後藤です。教育、IT、音楽が専門のEdTech系指揮者です。

要約

オンラインで、教科書の輪読・グループワーク・インタラクティブな一斉授業がスムーズに行える、大幅に学生の満足度が高い授業ができる方法を紹介します。

前段

昨年から会社の同僚と一緒に、大学の経営学部で非常勤講師を始めました。

昨年は対面授業で行ったメソッドを、今年はコロナ禍により全面オンライン授業だったのでアレンジを加えたところ、学生から「今まで受けたオンライン授業の中で1番楽しかった!」と評判が高かったのでその授業案を公開します。

用意するシステムはこちらです。
・zoom(授業配信とブレイクアウトによるグループワーク)
スクールタクト(授業支援クラウド)
・google スライド(講義スライド)

複数台カメラで撮影したり、クロマキー合成したりと講義配信に力を入れる方もいらっしゃいますが、それよりも学生参加型にしたほうが価値があると思っています。

そして1回の授業は3つのパートから構成されます。

1.前回授業のグルリ
2.指定教科書を使ったタクトル
3.クリッカーを活用した講義

グルリとかタクトルとかよくわからない名前ですよね。
でもネーミングをつけると共通語になって、盛り上がるんです。

順に説明していきます。


1.前回授業のグルリ

グルリはグループリフレクションの略です。
みんなで振り返りを共有し合う活動のことです。

1−1.前回授業での宿題の出し方

まずはグルリの説明の前に、前回授業での講義パートの説明をします。

事前にこのような振り返りシートをスクールタクトで配っておいて、zoomで講義を受けながら、学生はこのシートに「感想」と「学んだこと」を書いてもらいます。

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授業後だとみんなやらないので、授業終わったそのタイミングで提出してもらうことがミソです。

例えば、こんな感じで学生は回答してくれます。

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また、課題もスクールタクトで出します。これは授業後に宿題としてやってもらいます。

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ちなみに、このメニュー表は渋谷の某ラーメン屋さんなのですが、麺類の部と塩味の部という分類になっていて、カテゴリーがメチャクチャです(でもとても美味しいお店)。

話を戻すと、課題が難しいとやる気を失ってしまう学生もいるので、もし何も思いつかなかったら、他人の回答を見る機能がスクールタクトにあるので、覗き見してよいというルールにしました

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下が学生が協同閲覧している画面です。

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学生同士がお互いの回答を閲覧できるので、もし誰かの回答を真似をしてもすぐにバレます(笑)

なのでみんな参考にする程度ですが、協同閲覧することで出来るのと出来ないのとではクオリティーが雲泥の差がでます。課題を考えるための取っ掛かりさえ見つかれば案外書けるものだからです。

1−2.前回授業の宿題をグルリ

さて、ここまでが前回の授業での宿題である振り返りと課題について説明しました。

授業の冒頭に、前回の宿題の振り返りと課題の全員分を、5分程度でざっと眺めてもらい、1人3つぐらいコメントを書いてもらうように指示します。ここがグルリ(グループリフレクション)です。

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画面右側のコメント欄にいっぱい書き込みがありますね!普通の講義でこれだけお互いにコメントをし合うってくれるのって無いんじゃないかなーと思います。

「口頭」ではなく「書く」という風にするとコメントが多くなるのはLINE文化の現代という感じで、間接的コミュニケーションのメリットです。

このメソッドの効果は2点あって、1つは、前回の復習を組み込んでいるという点です。

学生に「授業の復習やってね」と言っても、そこはバイトに遊びに忙しい学生さん、中々復習してくれないので、授業に組み込みました。これにより授業理解度が増します。

2つめは、学生の承認感の向上です。

自分が書いた振り返りや課題にコメントを貰えるというのは嬉しいものですよね。自分の振り返りに共感してもらえた!自分の回答に「なるほど」と納得してもらえた!など自分の考えを承認される場というのは、心理的安全が高まり、皆さん授業に積極的に参加してくれるようになります。


2.指定教科書を使ったタクトル

タクトルとは、オンライン上の読書法です。ABD(アクティブ・ブック・ダイアログ)という読書法がありますが、それをオンラインでやるために私と仲間で改良したものです。

私の授業では教科書を指定しており、1回の授業につき1章単位で進めて、本の内容のより詳細な話を講義でするというやり方をしています。

ちなみに、私の授業はベンチャービジネス論というもので教科書は「アントレプレナーシップ入門」を使いました。

本来であれば予習として事前に1章分を読んできてもらって参加するのが望ましいのですが、遊びとバイトに忙しい大学生は中々やってくれません。
なので、復習と同じく予習も授業の中に組み込みました。それがタクトルです。

タクトルの手順は以下です。

1.zoomのブレイクアウト機能でランダムに4人1チームにする
2.チーム内でタイムキーパー・読む部分の分担を決める(2分)
3.担当になった部分を読み、スクールタクトに要約する(10分)
4.1人2分程度で要約を発表する(8分)

大体1章が20ページぐらいなので、一人あたり5ページぐらいが割り当てられて、それを要約します。

タクトルの利点は、時間制限があって読めないとメンバーに迷惑がかかるというプレッシャーもあり速く本が読めるようになる、2分程度で発表するためにコンパクトにまとめなければならないので要約力がつく、2分で発表するためには論理構造が必要なのでプレゼン力がつく、などがあります。

授業では大学3年生と4年生が多かったので、タクトルをこの授業で毎回やることで就活に有利だよ!という話をすると、前向きにやってくれます。

また、タクトルをしておくと講義に入る前に必要な知識をインプットしてくれるので、スムーズに講義に入れるので講師としてもやりやすいです。

尚、タクトルの詳細については、以前書いたnoteに書いてありますので御覧ください。

3.クリッカーを使った講義

一斉授業は、google slideを使って資料を作り、zoomの画面共有機能を使って講義しました。

ただ、一方方向で講義をしてしまうと学生も飽きてしまうので、合間にクリッカーで○x投票や4択クイズを出す工夫をしています。

これもスクールタクトにデフォルトで付いてくる機能です。

投票機能

4.評価方法について

スクールタクト上で、出席状況や課題提出状況がCSVでダウンロードできるので、これで学生の評価が出来ます。

また、グルリの学生同士のコメント数もこのように可視化されたりCSVでダウンロードできるので、授業の積極性などを加味した評価をすることも出来ます。

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まとめ 〜このメソッドの良いところ〜

大学の授業は90分間なので時間配分は、以下のようにしています。

1.前回授業のグルリ(10分)
2.指定教科書を使ったタクトル(20分)
3.インタラクティブな一斉授業(60分)

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授業の前半のグルリやタクトルは、学生の作業が多いので講師としては負担が少なく楽です。
私の場合は学生の皆さんがタクトルをしている間に、講義資料の手直しをしたり、宿題に対してコメントを返していたりしていました。

もしこのメソッドを試したい方は、miroやgoogle スプレッドシートなどを使っても出来ますが、圧倒的にスクールタクトが使いやすいので、こちらで無料体験お試しください!(宣伝)




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