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電験の勉強なんて時間のムダさ

前述したとおり、こうした意見もインターネット上では見られますし、電験を勉強していると、他の人からこうした言葉を受けたという方もいらっしゃいます。
実例をご紹介します。


頼りなさそうな青年

『この程度の資格で優遇されると思うな。』
『電験3種をとってもすぐに給料が増えるわけじゃない。意味がない。』
『試験勉強をする時間や、費用が無駄だ』
というような情報を発信している人がいます。

 けれど・・ 私の事務所に、やってこられた、ちょっと頼りなさそうな、気のいい青年は、結婚を機に、実務経歴で電験3種を取得を決意されました。「申請で早く取得できるなら、それが自分には良さそうだ。」とのこと。
確かに、それほど熱意を持って勉強に取り組みそうな雰囲気は感じられませんでした。
けれど、彼は、結婚を機会に、家族の生活を支えていこうという気持ちは強く感じておられるようです。

実は、当事務所で実務経歴証明書の作成を受けたのですが、工場が大きく、なかなか手間がかかりました。
何度か事務所に来ていただき、実務経歴証明書を作成し、それにより保安監督部との面接を受けて頂き、一度の面接でOKでした。
数カ月後、電験3種の免状を取得されました。私の仕事としては予定通りに1件の業務が完全に終了したことになります。
けれど、話はこれで終わりませんでした。

7年後

彼が勤務する会社は製造業ですが、電力の話は、電験3種の免状を取得後、その方を中心に進むようになります。・・それから、約7年ほど経過し、今度は、2種を取得したいと、事務所にやってこられました。
最初の印象は残りながらも、責任者らしく風格も出てきたと感じます。

さすがに2種となると、記載する内容も詳しくなり、実務経歴証明書は、かなりのページ数になります。7年前と同じように、何度か事務所で、ディスカッションしながら作成を進めました。

そして電験2種も取得。同時に、彼は、会社の重要な部門の長になりました。

 資格を持っているという強みは、目先の手当てが増えるかどうかだけではなく、年数の積み重ねとともに強くなります。昇進や転職時に、同程度の能力・業績・年齢の人がいたら、有資格者と資格のない人、どちらが選ばれるでしょうか。
それを考えると、最初に記載したような、この資格の価値をわからない発言は出ないはずです。

 

事実が教えてくれるもの

私自身、電験3種を、自分の将来について、どこで、何がしたいのか分からない、将来の事を全く決めていなかった高校生の頃取得しました。
それから、多くの人たちの人生を見てきた経験から言えば、「国家資格はとれるなら取っておけ!」と自信を持って言えます。

仮に電気もパソコンもエアコンも使ってない職業や家庭で過ごすなら不要かもしれませんが、それ以外なら、この資格は持っていても損はなく、たとえ電験の資格がすぐには必要のない会社であっても、電気の資格を持っているということは、すぐには給料で得をしなくても、本人のアドバンテージになります。

再就職や起業をするときにも、他者との比較で優位に立て、少なくとも、学ぶ力と意思があることの証明にはなります。

電験の資格を持っていても、『経験がないとダメ』とかの理由を言う人は、狭い世界しかイメージしていません。
再就職や起業をしなくても、多くの企業がエネルギー、脱炭素を考える時代、企業のビジネスも変化します。その時、抜擢される人材として電力の有資格者は有利に立てるでしょう。

東日本大震災によって、国民の多くが「電気は限りがある」と感じ、「東日本と西日本では、電気の周波数が異なる」ことを初めて知った人も増え、地球温暖化等による気象の激変や、国際紛争によって、エネルギー価格が高騰する社会の中で、電気というエネルギー資源について考えない企業はまれではないでしょうか。
その時、有資格者は、電気のプロとしての考えを求められることになります。求められることによって、自分の能力が高まるきっかけにもなるのです。

#電気主任技術者
#電気保安
#電力


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