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第5回宇宙建築賞審査会レポート

みなさん、あけましておめでとうございます!
そして、今年もよろしくお願い致します。

早速ですが、今日は去年の11月25日、東海大学湘南キャンパスにて行われた第5回宇宙建築賞審査会のレポートをお送りします。

第5回宇宙建築賞では、月面の資源開発施設という非常に難易度の高いテーマで開催されました。その結果、作品数は少ないものの、非常にレベルの高い5作品が集まりました。


始めにTNLで企画した「過去の作品から学ぶ資源開発施設」というテーマのワークショップを行い、第3回宇宙建築賞入賞作品である「月の華」について、その作品の良さや、より現実的にするためにはどのような改善をすべきなのか、各グループで話し合い、それぞれ改善案を発表しました。

一般参加者や大人の参加者の中から深い知識に基づいた意見が挙げられ、大変有意義な議論になったと思います。
レゴリス資源の採掘・処理を行うことが想定された本作品に対して、
・地下での生活の採光性
・放射線対策
・太陽光パネルの量
・観光機能
・レゴリスの収集方法
など、様々な観点から意見が出てきました。
私たちTNLも参加者として宇宙建築のことをより深く学べたワークショップとなりました。

その後、宇宙建築について造詣の深い建築家・研究者の審査員5名によって審査会が行われました。

1つ目の作品「ATLAPOLICE」は月の縦孔に存在する巨大洞窟を「空間資源」とみて、有効利用する月面資源探査施設の設計がなされていました。この作品によって月の縦孔の有用性を知ることが出来ました。また、月を観光資源として利用するという発想は、月への往来が当たり前となった世界を誰よりも明瞭にイメージ出来ているように感じました。

2つ目の作品「宿り木」は地球の6分の1という月の重力によって巨大に成長した樹木とそれを覆う透明太陽光パネルの膜によって水と空気の循環を図る構想がされていました。
無機質なイメージが強い月面で巨大な樹木が月面開発を支えるという発想は、地球の生活を連想させ、月面開発がより身近に感じられました。

3つ目の作品「Dream Continuation ~Adventure of Shackleton~」では世界初の南極点到達が叶わなかった冒険家シャクルトンの名に因んだシャクルトンクレーターの底と地上をつなぎ、永久凍土や太陽光を資源利用する設計がされていました。
普段は障壁と考えられることが多いクレーターをつないで水の循環に利用するという考え方が自分の中では、大変面白く感じました。

4つ目の作品「Industry 5.0」では、第5次産業革命として、月面資源開発基地から都市へと成長していく過程の考察がなされていました。スターリング発電やインフレータブル構造の導入など、応募作品の中で一番技術的考察が深いように感じました。資源開発施設とプロセスの考察が深く、勉強になりました。

5つ目の作品「NEOSTORALIIA」では、受刑者を月面作業に従事させるというコンセプトで考えられていました。自分の中では衝撃的なコンセプトでしたが、受刑者の月での居住の仕方や、資源開発の作業の仕方が良く練られていたため、説得力のある内容でした。シャクルトンクレーターやエイトケン盆地などの資源ポテンシャルの高い地点をハイパールーフで移動するという考え方も面白かったです。

これらの作品のプレゼンテーションの後、公開審査が行われ、審査員からの厳しい質疑などが行われました。


この結果、見事勝ち抜いた作品は・・・

最優秀賞に「Industry 5.0」、優秀賞に「NEOSTRALIA」が選出されました。


現実的で技術的考察の深い作品と、斬新なアイディアの両極端な2作品が優秀作品に選出されました。
審査員の講評はこちらをご覧ください!


審査員の方からは貴重なお話を聞くこともでき、とても実のある審査会でした。また、その後には懇親会も行われ審査員や参加者、学生様々な方がお話され、思い出深い一日となりました。


また、運営側としてもとてもためになる審査会でした。
私はTNLに入って初めてのワークショップでした。
ワークショップの参加者は学生から社会人、また専門などもばらばらな中で、どのように進めていけば建設的なワークショップになるのか常に考えながら検討していきました。
またファシリテートを過去に経験している先輩から学んだり、自分なりに調べたりし、企画を通して成長することができました。


最後になりますが、審査会に参加してくださりありがとうございました。
また来年度の参加もよろしくお願いします!

そして、最後までお読みいただきありがとうございました。
良ければ、いいね・フォローお願いします。
それでは、今年もTNLをよろしくお願いします!!

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今後開催・参加予定のイベント
2/9~10:宇宙ユニットシンポジウム
2/9~11:宇宙建築賞作品展~宇宙で暮らすためには~
2/17:Think Space Habitat vol.3~宇宙建築×農業~

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