時間を語り合う

私は2LDKのアパートで彼氏と二人で暮らしている。

家の中にはお気に入りの場所がいくつか存在する。

その中でも私はキッチンが一番のお気に入り場所。

流し台の反対側には自分でDIYした作業台があり、

一目惚れして買ったカウンター椅子が置いてある。

その作業台で食材を切ったり、盛り付けをしたり。

あるいはコーヒーを飲みながら読書したり、手帳と

相談して予定を立てたり、こうしてキーボードを叩

いたりしている。

お気に入りの場所。ここにいる時間が一番多い。

そんなお気に入りの場所で、ふと幸せを噛み締める

瞬間があった。

それは毎日の夕飯作りの時だ。

基本、夕飯は毎日私が作る。

私が夕飯を作っていると彼はいつもキッチンへ来て

カウンター椅子に腰掛ける。

そして椅子をくるくる回しながら、今日あった事

や、仕事の話をする。

それを私は夕飯を作りながら聞くのだ。

このひと時の時間が、私は今ひとりではないんだな

と、彼と一緒に生きているなと感じさせてくれる。

そういえば私の実家もそうだった。

お父さんは仕事から帰ってくると、キッチンにある

椅子に座って今日仕事であったことなどを夕飯を作

るお母さんに話している光景を見たことがある。

知らぬ間に、自分もあのふたりの様な素敵な時間を

送れているのだと感じて嬉しくなった。


我が家のキッチンはそれぞれの時間を語り合う

大切な場所。私のお気に入りの場所。

そろそろ彼が仕事から帰ってくる時間だ。

さて、夕飯の支度をしようか。

今日はどんな話が待っているかな。