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感想文あさりという趣味

個人的な密かな趣味として感想文あさりというものがあります。

何を知りたくてそんなことをするの?登場人物?関係性?設定なのでしょうか?

実際に作品を語るに大切な上記の要素を満たしていてる作品の内容だけ伝えるような感想文というものはどれほど緻密にその作品を語ろうともちっとも面白くありません。当然自分が大好きな作品ですらその有様です。

じゃあ何が良いの?という話ですけど、そう感想を書いている筆者の感情が溢れているものが良いのです。励まされるのです。

最近は随分と減ってしまいましたけど、過去には個人ブログで1000字超え、場合によっては1万字超えの長文レビューが存在しました。どれもこれも荒削りなものでして、途中で作品の内容から脱線するのは日常茶飯事で過去の経験を書き出す者、関係ないジャンルを語りだすもの、もはや個人哲学の領域まで行ってしまうもの等たくさんありました。

どれもこれもエゴ丸出しな感じがあり、イマイチ判然としない点もありますが、そうなるのもしょうがないことなのです。感想の対象となる作品たちは皆そう簡単に言葉では言い尽くせぬものなのに全力で言葉にしようとするからこうなってしまうのでしょう。

趣味はともかく実際の生活ではあいも変わらず、皆と異なる自分の気持ちを公に示すことをあまり美徳にはされていません。昨今のはっきり意見を言うことが正しいというような風潮がある今ですらそうです。感想文にお気持ちを込めたら袋叩きにされかねません。

そんな中、誰もが悩み悩み抜いて自分だけの答えを見つけ、たとえその意見がただ自分にしか理解できぬことであっても、それを全力で高らかに訴えようとする多くの感想文たちは多くのしがらみに中に生きている私にとって前に踏み出そうとする力をくれます。

感想文たちは「伝わらないとしても言葉にすることを恐れないで!」と励ましてくれているようでした。

人との関係で話すことが嫌になってしまいそうなときであっても、私はあの日見た感想文たちと共にこうしてつたなくても言葉を紡いでいられるのです。

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