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高タンパク質と低タンパク質ダイエット:体脂肪への影響

高タンパク質ダイエットと低タンパク質ダイエットの身体組成と最大筋力への影響を比較した研究があります。

17人の女性アスリートを、HP(高たんぱく質ダイエット)とLP(低たんぱく質ダイエット)のグループに分け、8週間のレジスタンストレーニングプログラムを行い身体組成と最大筋力を測定しました。
(トレーニングボリュームは両グループ同じ)

HP-高たんぱく質ダイエット:1日に体重1キロあたり2.5gのタンパク質を摂取
LP-低たんぱく質ダイエット:1日に体重1キロあたり0.9gのタンパク質を摂取

除脂肪体重
除脂肪体重はHPグループの方が有意に増えました。
HPグループ「47.1 ± 4.5kgから 49.2 ± 5.4kg (+2.1kg)」
LPグループ「48.1 ± 2.7kgから 48.7 ± 2 (+0.6kg)」

体脂肪
体脂肪はHPグループの方が有意に減りました。
HPグループ(14.1 ± 3.6kg to 13.0 ± 3.3kg)
LPグループ(13.2 ± 3.7kg to 12.5 ± 3.0kg)

最大筋力
両グループとも同程度伸びました。

摂取カロリー
HPグループはタンパク質をより多く摂取しているため、総摂取カロリーはLPグループより約400キロカロリー多かった。

この実験では、LPグループと比較してHPグループの方が摂取カロリーが多かったにも関わらず除脂肪体重は増え、体脂肪は減りました。

減量するには摂取カロリーを減らすことが必要なはずなのに、それが多かったHPグループの方が脂肪が減ったのです。

これは、タンパク質の食事性熱産生効果により摂取エネルギーの約30%が分解のプロセスで消費されるからです。炭水化物や脂質では10%程と言われています。

摂取カロリーを減らしたい時、単純に食べる総量を減らす代わりに、例えば炭水化物か脂質を減らしその分タンパク質の割合を増やします。そうすると食べる前の総カロリーは同じでも、実際に摂取されるカロリーを減らすことが可能です。

記事の内容で分からないこと、生活習慣に関することでお悩み事があればお気軽にご相談下さい。


I. Campbell et al., “Effects of High versus Low Protein Intake on Body Composition and Maximal Strength in Aspiring Female Physique Athletes Engaging in an 8-Week Resistance Training Program,” International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism 28, no. 6 (2018): 580–85, https://doi.org/10.1123/ijsnem.2017-0389.

Photo by LyfeFuel on Unsplash