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「ノアとチキュウの遊び方」出演 : 小澤綾子さんインタビュー

_____YouTubeの動画も事前に見させていただきました。その中で歌に出会ったと仰っていましたが、もともと歌の経験はあったのでしょうか?

小さい頃歌ってた程度で、人に聞かせることはしたことがなかったです。高校生の頃、バンドを友達とやったことが楽しかったですね。大人になって楽しいと思えなくなった時、あの頃に歌った曲を歌ったら何か変わるんじゃないかと思って始めました。


_____今回の舞台で驚いたことの中に、ほとんどのキャストが演技未経験だということがあります。綾子さんも演技は初めてですか?

そうですね。だから今すごく苦労していますね(笑)
簡単なようで奥が深いですね。ただセリフを読むだけではなく、役を深めるって難しいなと思ってます。


_____私がインプロ(即興演劇)やっていて知り合いが萌恵さんと繋がりがあって。萌恵さんのツイートをこっそり見てたんですよ。だからどんな指導をしているのか興味があったんです。

萌恵さんのやり方ね〜、面白いなと思います。他の指導を受けたことないですけど。


_____本読み(セリフを最後まで音読する)から入って動いていくイメージだったんですけど、どんな感じでしたか?

最初は萌恵ちゃんがずっとやってきたノンバーバルWSを体験してたんだけど、演劇と関係ないような気がしてて。
「なんでこれが演劇のレッスンになるんだろう」とモヤモヤしながら受けてたんだよね。

でも、台本が完成して役が渡されたときに、自分が持ってる感情とか、味わったことのある想いが本当の気持ちに乗って表現ができたんだよね。自分の中を深め続けるのは結局演劇につながるんだなって。早く台本でできたらいいのになって焦りもあったけど、遠回りをさせてるようで、一番リアルなレッスンをさせてくれてたんだなって。
他の指導は知らないけど独特なんじゃないかなって思う。


_____初舞台で萌恵さんの指導を受けるのは贅沢だなと思います。

そっか! そんなふうに考えたことなかったけどそうだよね。確かに。


_____主演と聞いた時はどんな感じでした?

今まで、私の話を演劇化したい話はあったんですよね。テレビや新聞の話もあったけど、自分の人生の取り上げられ方が「障がいを持って乗り越える」というストーリーになるのはよくある話だし、違う形もありがたいと思うけど私がやってほしいことではなかったんだよね。

嬉しいけどどうしようって感じだった。

だけど萌恵ちゃんの台本は私からインスピレーションを受けてるかもしれないけど、全ての人に当てはまる命の有限さや、なんのために生きるんだろうという普遍的なテーマ。
観たあとは私の話が元になってるのが忘れるほどの深さがあるというか、考えさせられるものだし「これだったら皆に観てほしいな」と思って嬉しかったかな。


_____萌恵さんに初めて会ったとき、死生観の話をされたと読みました。「自分は螺旋の一部だと思っている。この肉体が離れても螺旋は続いていくように。バトンを渡していきたい。」と話されてましたが萌恵さんになら話してもいいかなと思ったのでしょうか?

聞かれたから答えた、みたいな(笑) 
今までされたことのない質問だったからびっくりしたよね。


_____そうですよね。大変だったこととか、質問内容ではよくありますけど。

そういうことを想定しますよね、初めて会ったときは。
小さい頃とか。何回も話したから「また話すのか」と思ってたけど、全然違うことを聞いてきたから度肝を抜かれたのが一発目からありましたね。


_____初対面でいきなり聞ける萌恵さんのことも気になりますね。周りの人に舞台出演の話をした時はどんな反応でした?

「また新しいことに挑戦するんだね!」って励ましの言葉をもらいました。
今妊娠してるんですけど本番の時には8ヶ月目くらいなんですよ。

(すごい!!!)

自分でも心配ですね。本当にできるのかなって。


_____主宰の優佳さんの記事にも書いてありましたけど、バトンを渡すってことですね。

そうだね。確かに。命のバトンを繋いでいけたらなと思って。


_____話は戻りますが、死生観について。螺旋の一部という考えはどこからきたんでしょうか?

あーなんだろ・・・別に普段から考えてなかったから、聞かれて初めて自分の中にそんな答えがあると気づいたかな。自分でも自分の言葉にハッとしたっていうのはありますね。


_____言ってみて「こんなこと思ってたんだ」みたいな。

誰かに何かを質問されるって、自分の内側に埋まってる何かを掘り出す、じゃないけど自分の新たな発見にもなりますよね。


_____私は「うまく聞けてるだろうか?」ってなっちゃいます。うまくってなんだろうって感じですけど。


わかるわかる。新しい目でみてもらって質問されるのは誰にとってもプラスの経験になるんじゃないかなと思う。自分では自分のこと一番わかってるつもりだけど、また違う人の新しい視点で質問してもらうと、新しい自分に気づける面白さはありますよね。
色んな人がいて、バックグラウンドの違う人に聞いてもらうのは新鮮な経験だな。



_____体が二つあったら今回のオーディション絶対受けてました。

ね!!みんなが変わっていくのが面白い!! どんどん変わっていくんだよね。感情に蓋をして社会に適応して生きようとしてた人が開いていくのが面白い。


_____深い話ができるようになっていった、と記事にも書いてありましたね。

そういう人も多いし、見た目も変わっていったかな。

(そうなんだ・・・!)


第一印象も会った時と違う人が多くなりましたね。そういう意味では。


_____稽古場行ったら圧倒されそうだなと思ってます。

(笑) 確かに! 短時間の参加で遅れたりいくこともあるんだけど、皆のキラキラが眩しくて受け止めきれない時がある!



_____不思議な力が演劇にはありますね。この作品については出演者のマキさんのTwitterで情報を知ってたんです。内容より人について、を押している作品ではないかと思っています。

確かに。「本当の自分を生きる」がテーマだし見る人にフォーカスが当たってるかな。
演劇を語るには知識はないけれど、私たちがすごいことをするから見て!ではなくて、「あなたはこれを見てどう思う?」「どうやっていきたいと思う?」と語りかけるミュージカルになっていると思うんですよね。


_____色んな舞台の宣伝(HP)を見てきましたが、この公演はあらすじではなくキャストがどんな生き方をしてきたか、にフォーカスが当たっているのが他の団体にはない珍しい部分だなと思います。

見る人に主役になってほしいなという気持ちはありますよね。


_____そんな目線はあまりないですよね。

見る人に主役になってほしいものを作りたかったんだよね。私たち3人共通しているところかな。
「私たちキラキラしてるから見て!」じゃないんだよね。自分で言ってみて思ったけど。



_____綾子さんのことを書くのはわかるんですけど、キャスト全員が過去を詳細に語っているのが珍しいですね。

嬉しいなぁ。 生きづらさがあった過去とかがフォーカスだから、今まで作ったことがないからより作品を推したくなったなぁ。



_____私はすごく涙脆いので、ハンカチ持っていかないと危ないのではないかと思ってます。

すでに(笑) どのシーンで泣けるか人によって違うだろうし、自分と共鳴して震えると思う。ストーリーの主人公に涙するとかだけでではなくて、自分の本当の心に触れられるのがいいなぁと。


_____ファンタジーって現実の自分と違うから、切り離して見る人が多いと思うんですよね。私もそうなんですけど。でも、今回はそうではない気がしていて。稽古みて泣きそうです。

体感してもらいたいな。 言葉にしづらいなぁ。
例えば、リンゴを見ても「リンゴがある」と見るか「すごく美味しそうなリンゴ」とか色んな見方があるし。人によって例え方が違うから、まずは観て!!って言いたくなっちゃう。


_____確かに!! 言葉にするって難しいですね。私も取材を始めてから思い始めました。

(笑) 記事にするのは難しいと思うけど、感じたままに書いてもらえたらと思います。


_____あとは、観なきゃ(笑)

うまく説明できないから、ピンときたら観て!って周りにはよく言ってます。ピンとくる人は感じてくれる気がするんですよね。言葉がなくても。自分に必要だな、とか思う人は求めてたりするのかなって!

観たくない人に観てもらう必要はないし、「私が出るから観て!」と言うも違う気がしていて。

_____いい言葉ですね。直感に従う。
次は稽古場でぜひ、お会いしましょう!! ありがとうございました!

ありがとうございましたー!


(取材日10/20)



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