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本多劇場にたった一人で挑む、小沢道成さんの夢

2022/2/23、19:30開演だったが16:00には下北沢にいた。(早すぎ!!!)
思えば下北沢は小沢さんの作品を観るためにしか来ていない。

特別な場所であり、一人で訪れるのは初めてだった。

今作はYouTubeで1年間、制作過程も紹介されている。
音楽、衣装、照明、稽古風景...
メイキング好きとしては これってドラマや映画だったら有料だよね...    と無料を疑う。(ありがたく拝見してます!)

興奮しすぎてポスターを最初に買う。バックからはみ出してたけど、お隣には透明人間さんが座っていたので邪魔にならなかった!
(ありがとう!)


千穐楽の27日には友達と来る予定だったのだが昼公演。
前作を夜に観ていて「これは絶対に夜観るべき!!」と思っていたので気がつけば初日の3日前、チケットをとっていた。
(初日が取れるなんて初めてだった、ありがとう神様!!)


下記ネタバレやたくさんのお写真を含みます。(本作と関係ない話もあります)



序章  -お出迎え-

本編もだけど、こちらも楽しみにしていた。
去年配信で公演した「夢のあと」でロビーを使った演出を行なっていた。
これはお客さんがいたらできない演出、まるで映画のような撮影方法だった。


(2019年に初演、2021年に再演した『夢ぞろぞろ』という作品でコンビニのおばちゃん(夢子さん)と会社員の青年の2人芝居があったのだが、そのコンビニがなくなって劇場で働いている、という設定で上演された物語)


そこで使われた衣装、セットが再現されていた!!!

SNSで事前にロビーについて語っていてくれたこともあって、期待は大きかった。そしてそれをいつも軽々と超えてくるところが好きだ。


ファンにはたまりませんね。観ていない方でも昭和の雰囲気を観察できるものになっているので、ぜひ一緒に探検しましょう!


昭和にタイムスリップしたみたい!

メニューのドリンクより右側の自動販売機のドリンクが安いんだけど、私だったら高くても買っちゃう!!

当時のビジュアル。何パターンかあるのだけれど、ここがとても寂しいシーン。
この2人が過去になったり、現代だったり。
コンビニが開店するたびに何かが起きる...


話を戻して上手側から細かく見ていきましょう!!


手書きに温もりを感じますね。


①誰が誰に向けて書いたんでしょう??
初心を忘るるべからず、と言った内容から舞台ぽいことまで。
ここで働く夢子さんは仕事がいっぱい。だけど全部楽しんでやっちゃうんだろうなぁ。


②ビールは飲めないけど気になりますね。
ビンの模様も昭和っぽい!




傾きをうまく利用してる。


①夢子さんに会いに来た子どもが描いたのだろうか、ちゃんと飾るあたりこの場所と人が好きなんだろうなって思わせられる。

②カラオケって1曲で値段ついてた時代があるの!?
あえて以前の値段を残して今の値段を書くあたり、人の心理わかってるな〜。夢子さん、実は心理学とか勉強してたりして?まさかね。

③傾いたり取れかかってるメニュー。紙のシワは単純にくしゃくしゃと丸めただけではつかない、絶妙なシワ。細かい!!

④おでかけ中!!トイレ休憩かな??劇場の掃除かな??と妄想が膨らむ・・・

⑤おばあちゃんだもんね。
健康第一。従業員が他にいても自分で届けたいっ!って言いそう。



机の上の小物、ぬいぐるみもかわいい🧸


①壁にかかっているのは昔のラジオかな?換気扇??
古民家にありそうな汚し!(リアルな汚れだったりして?)

②そうだよねぇ、誰でも軌跡がある。それは誰が何と言おうと「人生」だから。

③クマちゃんはこのYouTube動画に映り込んでた、5:55あたりでしょうか?
星野源さんと似た香りがします・・・

④夢ぞろぞろで共演していた唯一の動物。むささび。
夢子さんが飼っていた(?)むーちゃん!



紙の破れ方までこまかい!


①夢子さんに捕まる痴漢は大変だよなぁ...
警察がくる間にかなり説教しそう🚔


②ビール推しなのね、ところで夢子さんは飲めるんだろうか🍺


③絶妙な語呂合わせ!元気になれますね!

④ほんとの募集用紙みたい!夢子さんと働けるならボランティアでもいいなぁ。

⑤名言。夢子、って書いてあります。

⑥夢子さんのマスク、気なるなぁ。パッチワークかな。
田中さん(夢ぞろぞろに出てくる夢子さんのお友達)と作ったのかもね。





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名言!

ノックでもドキッとするよね!!
開けられなくてもします。というかすでにしてます、恋。(迷惑)




ロビーだけでどれだけ文字数使ってるんだ!!というツッコミを入れつつ、この文章は書いてる私が楽しけりゃそれでいいと思い直す。
目次もつけたし読みやすくなったはず…だよね。

わくわくっとした方はこちらもぜひ!!!


わかりやすい誘導っていいよね!(謎)





本編 -演出-

まずは膨大な量になることが考えられるものから。
キャストは一人だけど、いるけどいない共演者も忘れてはならない。

3台のラジカセ

タイミングも変わらず、微調整はもうお手の物。しかし、機械に合わせるのは毎回至難の技ではないか。譲り合いのシーンで声が被って戸惑うタイミング、意見のぶつかり合いなんてズレたら大惨事。
それを寸分のズレなくやってのけるんだから、どうやって稽古してるんだろう・・・

男女逆転

しばしば入れ替えが起きる。後半になるにつれてセリフのと呼応するようにコロコロと変わる。どっちなのか見分けがつかなくなる。頭の理解より先に物語が進んでいる。
この演出はおもしろい。覚えておこう。何かのヒントになった。
いつか創る時に使えるかもしれない。(予定はない)


セリフ

後半は重い話なので、前半に笑いを持ってくる。こういうのってどこまでかいていいのかわからないので書かないでおきます。表現が難しい。今回はコロナもあって暮らしに焦点があった気もする。
田舎と都会。都会に住むって必死に稼いでも生活費にお金は消えていく。それでも都会を離れられない私の気持ちを代弁しているかのようだった。
鶴子さんを救うのは皮肉にもお金なのかもしれない。それか都会を離れるか。
今作のその後かもしれない話を作ってみたくなりました。
続きは私たちに委ねられている。せめて救いたい。


衣装

今まで和服を使っていたので、今回は”洋”を強めてみたいとパンフレットに書いてあった。
和とミックスさせようと考えていたのかも、という予想は外れたけれど和洋折衷な印象を受けた。
このズレが面白い。皆様の目にはどのように見えましたか?

今回は3着の衣装。
最初(メイン)に来ていた服は薄いベージュ?ドレスの普段着のような印象を受けた。(うまい日本語がわからない)

プレゼントとして男性に贈ったものは鶴の羽がより際立って見えた、黒と白。ステージも全体的に暗いので合ってた。
唯一色があるシーンに備えて他の箇所は極力抑えていたのかも。

鶴子さんの秘密が明かされるところでは銀色?メインで裾あたりに赤や緑といった配色。原色ではなくマーブルかな?照明と合わせていた気がする。

地面に這う、逃れられない現実の中でもがく女性。


照明

全体的にシンプル、温もりのある色。今更だけどオレンジ色の明かりが多い気がする。スマホやPCの夜間モードの色にも似ているし目に優しいのかもね。
部屋の明かりもオレンジ色にしたいな。(外に出て眩しく感じるパターン)

唯一、秘密が明かされるシーンでの明かりは衣装に合わせた色。
ビジュアル撮影で蛍光灯を持っていたのはここに利用するためだったのか!!
なんて、勘がいい方はわかりそうな仕掛け。

舞台下部分を照らすカラフルな色と支柱に付けられた蛍光灯の白。

今回は黒と白に惚れている。
洋服もこれに統一して、アクセントにイヤリングなどで色を足すと日々のコーデに迷わないし楽じゃん!と思ったのはここだけの話。
数年後実現してそうなので怖い。


美術

劇場も大きくなった分、使えるスペースも増えた。が2020年で仕様したアクリル板は使わないだろう、と思っていたらその通りだった。


いつも小沢さんは模型を作ります。

出来上がりを実際に見るって大事。私はできないから、もし作るとしたらどうやるだろう?と考える。(その予定はない)
図面を書くにしても3Dにしたら違って見える、なんてよくありそう。
やっぱり不器用ながら作るかもなぁ。


音響

映画の音楽のよう。これも一から作っていた。前作は”外”から登場人物を見ている感じがしたけど今回は”内”から人物を表現しているような。

料理のシーンでは雅楽×ドラムの融合?常識を疑うのが見え隠れする。
同棲してるってかんじ!!思わず鼻歌を歌っちゃうとか、ご飯作ってる時に覗いてくるあの照れくささがたまらない。(鶴子さんもヒロくんもかわいい!)

秘密に迫る場面では地鳴りのような、心にズンとくる重さ。悪い予感の前は音楽に誘導されているのかもしれない。

例の衝撃的なシーンでは心臓の鼓動だろうか?体に響く音。
一定のリズムでだんだんと速く、体と反応するように。
辛い。



公演詳細

明日まで、下北沢の本多劇場にて。

YouTubeチャンネルでは、公演までの約1年半を追った制作過程も公開中なのでぜひ!
予算のことなんかもぶっちゃけてます。
総合エンターテイメント。


22歳以下は安いですよ!!

当日券情報は明日、小沢さんがTwitterでお知らせ中。
販売する場合は開演45分前から購入可能です。
お値段は通常の価格なのでお得!




妄想(構想)

小沢道成という存在は生きる糧。
彼の生み出すセリフで泣いたり笑ったり、音読してもよし。(怖い)
彼の作品を自分がやったらどうなるんだろう?
声だけでもやってみたい。
音読して遊んでみたい。
相手役は誰だろう?と数人の候補が浮かぶ。

設定と台本を少しだけ変えてやってみるのもありかも。



俳優でもないので舞台に立つ予定なんてないんだけど、人生で1つだけでいいからお芝居を残したいとボンヤリ考えている。
それはお客さんと一緒になって創りたい。観客と俳優という当たり前がまだ存在しているから、これを壊してみたい。
台本があると稽古にはお客さんを呼べない。
じゃあ即興だろうか?完全ではないけど、土台だけあってあとは即興がいいかもしれない。
年齢層は幅広く設けて、どの世代が壇上にきても対応できるように稽古をしておく。

できるとしてもコロナが終わってからになる。
それまで構想を練る時間もたっぷりあると思えばいい。
想像できるなら、作れるって誰かが言ってた気がする。

会場は下北沢にしたい。
私が初めて小沢さんの作品を見たシアター711。
劇場入る時に階段を上がるんだけど、その階段が秘密基地の入り口みたいでとっても好きなんです。

お金は問題になってくるけど、なんとかなりそう。
(なぜだ)

1時間でショー+アフタートーク。
あとはお客さんと話す時間。

この続きはもう少し進んでからにしよう。

長々と読んでいただいてありがとうございました!
千穐楽が終わったら、この感想もちょっと編集します。


いつまでも言葉と演劇がなくなりませんように。



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