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【東アジア向け】コンテンツマーケティング/Web広告/SEO対策について

BtoC企業が海外市場に向けたプロモーションを行う上で、東アジア(特に中国)は避けて通れない市場です。
こちらのコラムでは、東アジア向けのコンテンツマーケティング/Web広告/SEO 対策など、アジア人に刺さるWebプロモーションについてまとめています。

基礎情報

以下は各国の基礎情報です。これらの基礎情報から読み取るWebマーケティングを行う上で重要なポイントを4点解説致します。

【中国】

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【韓国】

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【台湾】

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【香港】

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・人口
人口は、どのくらいの人にリーチできるのかが分かり、予算投下の判断軸にもなります。
また、中国は人口が多く、日本でWebマーケティングを行う感覚で予算を投下すると一瞬で消費してしまう場合があるため注意が必要です。

・GDP
GDPは購買の判断指標になります。
投下した予算に見合うだけの効果が出るのかを考える基準になるため、重要なポイントといえます。

・言語
言語は、広告内のテキスト文字やキーワード選定において重要です。

・時差
日本で広告アカウントを開ける場合、アカウント内の時間は日本時間を基準としています。
そのまま使用すると思わぬ機会損失につながる可能性があるため、注意が必要です。


インターネット広告市場規模

各国のインターネット広告市場規模は以下のとおりです。

【中国】

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中国の2019年のインターネット広告市場規模は6,464.3億元で、日本円に換算すると10兆8,342億円です。その数は、2020年の日本のインターネット広告費(2兆2,290億円)と比較すると、約5倍の規模となります。
また、2022年には2019年の2倍の12,031.4億元になる予測があり、今後の成長が期待できる市場です。


【韓国】

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韓国の2019年のインターネット広告市場規模は64,213億ウォンで、日本円に換算すると6,184億円です。中国と比較して母数は少ないですが、グラフを見ると成長傾向であることが分かります。


【台湾】
台湾と香港のインターネット広告市場規模については以下のとおりです。

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【香港】

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検索エンジンシェア

【中国】

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中国における検索エンジンシェアは、1位の百度が約7割を占めています。なお、2位のsogouは13.78%と少数ではありますが、人口対比で考えると日本の人口に匹敵する数です。そのため、中国向けのWebプロモーションでは、余力のある場合sogouも対策の対象とすることをおすすめします。

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デバイス別のシェアに関しては百度でモバイルが8割、PCが5割弱のため、予算傾斜はモバイルを多めにすると良いでしょう。
デバイスのシェアは検索エンジンによって違いがあります。sogouは百度と異なりPCのシェアが高いため、PCに傾斜をかけて対策することをおすすめします。

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検索エンジンの特徴で注意したいのは「広告形態」で、各エンジンがどのような広告を出稿することができるのかが重要です。sogouはリスティング広告のみで、百度のようにアドネットワークの配信はできませんので注意が必要です。


【韓国】

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韓国の検索エンジンシェアについて、「NAVER」のシェアが高いイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、現在はGoogleが8割、NAVERが1.5割です。韓国ではGoogleをメインで対策し、補足としてNAVERを対策することをおすすめします。

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デバイス別のシェアについて、Google、NAVER共にPCとモバイルの差はほとんど無いため、予算の傾斜をかける必要はないでしょう。

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NAVERの広告形態はGoogleと同様のため、施策の選定において注意する点は特にありません。


【台湾】

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台湾と香港の検索エンジンシェアにおいて、Googleとbingが同等のシェアを持っているという認識の方も多いかと思いますが、近年はGoogleのシェアが高まっており、9割以上のシェアを占めております。
そのため、メインはGoogle、補足でbingを対策することをおすすめします。

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デバイスについて、GoogleではPCよりモバイルの方がシェアが高いため、予算投下の際はモバイルに傾斜をかけると良いでしょう。対してbingを対策する場合はPCに傾斜をかけることをおすすめ致します。

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bingの広告形態はGoogleと同様のため、施策の選定において注意する点は特にありません。


【香港】

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香港の検索エンジンシェアについては、台湾と同様近年はGoogleがシェアを伸ばしており、約8割を占めています。

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デバイス別のシェアについて、Google、bing共にPCとモバイルの差はほとんど無いため、予算の傾斜をかける必要はないでしょう。

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台湾と同様、bing(Yahoo!香港)の広告形態はGoogleと同様のため、施策の選定においては注意する点は特にありません。


Webプロモーションにおけるマクロ環境について、重要なポイントは以下の3点です。
1.各国のインターネット広告市場規模を抑える
2.各国の検索エンジンシェア/特徴を抑える
3.デバイス別の検索エンジンシェアを抑える


Webマーケティングについて

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こちらはWebマーケティングの手法一覧です。

インフルエンサーを活用したWebマーケティングは、昨今東南アジアを中心に主流になってきています。また、アフィリエイトは日本ではポピュラーなWebマーケティング手法ですが、海外のマーケットはまだ小さい状況です。

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こちらはWebマーケティング手法のマトリクスで、それぞれの広告手法がどのような特性を持っているかを表したものです。グラフからも分かるように、SNSはリーチからセグメントまで幅広い層に接触することができます。また、動画広告は認知向上に特化しており、有効な手法と言えます。Webマーケティング手法を考えるときに必要な要素ですので、抑えておくと良いでしょう。

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こちらは、Webマーケティングの考え方を表したものです。
基本的に、海外向けのWebマーケティングも国内向けと考え方は同じです。いかに顕在層(無指名層)にアプローチして顕在層(指名層)を増やしていくかがカギとなります。各ファネルに合った手法を行い、効果の最大化を図りましょう。

また、適切なマーケティング手法を行っていても、対象国で使われている言語を正しく活用しなければ意味を成さないため、注意が必要です。
なお、近年越境ECではライブコマースが有効的な手法として活用されています。特に中国での市場規模は増加傾向にあり、2019年で6兆9,408億円、2020年で16兆8,000億円、2021年で32兆円まで伸びています。中国向けの越境ECを実施・ご検討中の方は、ライブコマースも手法のひとつとして考えることをおすすめします。 

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こちらは、「インフルエンサーの意見がどのくらい買い物に影響するか」を表したものです。
特に東南アジアでは、インフルエンサーを活用したWebプロモーションが有効であることが分かります。このような情報をもとに、各手法の比重を考えると良いでしょう。

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こちらは東アジア各国の主要検索エンジンを表したものです。
各国の主要検索エンジンへの理解はWebマーケティングを行う上でとても重要です。

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こちらは、主要検索エンジンで利用できる広告の種類を表したものです。
sogou はリスティング広告のみの配信と、広告メニューが限られていますので注意が必要です。

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こちらは各国の主要SNSを表したもの(上)と、中国とアメリカのSNSを対で表したもの(下)です。
近年、中国発のSNSが台湾や香港でも利用されていますが、中国発のSNSに関しては馴染みの無い方も多いかと思います。「Facebookに似た機能を持つのはWechat?Weibo?」などと特徴が混在してしまうため、中国とアメリカのSNSを対で表したもの(下)を参考にしてみて下さい。

海外向けのWeb広告を行う上で重要なポイントは以下の3点です。
1. 各国の検索エンジンを把握する
2. 各検索エンジンで出稿できる広告手法を把握する
3. 各国のSNSを把握する


SEOについて

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SEOに関しては、自社の分析を3C観点でしっかり行いましょう。

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こちらは各国の主要検索エンジンを表したものです。SEOを行うにあたってこちらの特徴は最低限理解しておきましょう。

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こちらは主要検索エンジンの違いを表したものです。検索エンジンごとに解説致します。

【Google】
・表示のされ方は日本と海外で相違はありません。アルゴリズムの変動も世界で統一されています。
・日本と比較してSEO施策を行っているサイトが少ないため、日本より上位表示狙いやすい環境にあります。
・その他の検索エンジンと比較すると言語処理に優れています。

【Baidu】
・Googleと比較すると検索エンジンの精度が低く、インデックススピードが遅いです。
・階層が深いと検索エンジンに読み込まれません。
・独自のWebマスター向けツールがあり、それを設置する必要があります。
・検索結果が恣意的に変動するケースがあります。
・地域によって大きく検索結果が異なります。

【bing】
・Googleと比較すると検索エンジンの精度が低く、インデックススピードが遅いです。
・階層が深いと検索エンジンに読み込まれません。
・独自のWebマスター向けツールがあり、それを設置する必要があります。

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こちらは、アウンコンサルティング独自で検索順位変動要素をまとめたものです。大きく分けて8つの要素に分けて分析を行っています。

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また、こちらは検索順位変動要素を更に細かくしたものです。

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Webマスターツールは、サイト内のエラーや分析を行えるもので活用することでSEO対策の効果を上げることが可能です。
また、独自サービスでは利用上の注意点があります。例えば、中国向けのグローバルサイトのマップをGoogle Mapで作成した場合、Baidu内で順位が上がってこないことがあります。これは、中国によるGoogleのアクセス制限のためです。そのため、中国向けのサイトを作成の際はBaiduマップを設置することをおすすめします。  
このように、各検索エンジンが提供しているサービスを使用したほうがSEOの読み取りが良くなる傾向にあるため、可能な限り対応することをおすすめします。

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各言語のアノテーションタグの設置も忘れずに行いましょう。対応することで各国の検索エンジンに認識してもらいやすくなります。


最新の検索アルゴリズムについて

検索エンジンのアップデートは常に行われているため、最新の情報をチェックし、サイトに反映することが重要です。

近年のアップデートの中で注目したいのが「Core Web Vitals」です。ページの読み込み時間、インタラクティブ性(ユーザー操作への反応性)、ページコンテンツの視覚的な安定性などが含まれ、これらを組み合わせたものがCore Web Vitals の土台となります。さらに、数値化した上記3つの指標が下記の内容です。

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上記の指標に対する対象サイトの状態を確認する場合は、以下のページスピードインサイトで調査が可能です。

▼PageSpeed Insights
https://pagespeed.web.dev/

また、現在Googleがランキングシグナルとして利用している指標は
・モバイルフレンドリー化
・セーフブラウジング(※)
・HTTPS化(SSL化)
・無駄なインターステイシャルの不使用
※インターステイシャル=画面の占有率の高い広告
の4指標のようなものがあり(その他にも多数のランキングシグナルが存在)、ここに「Core Web Vitals」が追加されます。


Webマーケティングにおける各国の特徴

ここまでは、東アジアにおけるWebマーケティングのマクロ情報や手法の特徴についてお話しました。
さらに各国ごとのWebマーケティングトレンドを知りたい方は、以下より無料で資料をダウンロードいただけますので、ぜひご利用下さい。

<この資料で分かること>
・【中国】検索クエリの特徴
・【韓国】検索クエリの特徴
・【台湾】検索クエリの特徴
・【香港】検索クエリの特徴
・コンテンツマーケティングの考え方
・コンテンツに属するアルゴリズム

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