手づくりグリーティングカード20:「母の日」おくりものはなくとも
チューリップ、アネモネ、ラナンキュラス。
庭で春の花がアンサンブルを奏でる頃になると、郵便ポストには赤いカーネーションが咲きます。
「母の日」の贈り物のためのダイレクトメールの中に。
母の「日」いろいろ
「母の日」は20世紀の初めに、あるアメリカ人女性が母への哀悼の意を表し、教会でカーネーションを配ったことが始まりだとか。
アメリカでは1914年に5月第2日曜日を「母の日」とし、祝日に制定しました。
この影響を受け日本でも同じ日が「母の日」となり、またカナダやオーストラリアなど5月第2日曜日を「母の日」とする国はほかにもあります。
国によっては同じ5月でも別の日曜日であったり、3月や4月などに祝う国も。母の「日」はいろいろですが、ちなみにオーストラリアでは「母の日」の花は菊なのだそうです。南半球は秋ですものね。
イギリスやアイルランドの「母の日」は「マザリングサンデイ」(Mothering Sunday)とも呼ばれ、日にちはイースターの3週間前の日曜日。
前回お話ししたとおり、イースターは1か月も幅のある移動祝日ですから、「母の日」もそれに伴いかなり前後します。
今年、2024年の「母の日」は3月10日でしたが、来年はイースターが遅いため、3月30日です。
思いを文字で伝える
イギリスの「母の日」には、お母さんに贈り物をしたり、一緒に食事を楽しんだり、子どもたちはお母さんのお手伝いをしたりします。
贈り物で人気があるのはお花やおしゃれなお菓子など。それにもうひとつ、ほとんど誰もが手を伸ばすものといえば・・・、
"Happy Mother's Day" (楽しい母の日を)のカードです。
子どもたちはこの「母の日」カードを手づくりして贈ることもしばしばですが、当然クラフターもつくります。
母の日にかぎらず、さまざまな機会において贈られるカード。なぜこんなにカードが好まれるのでしょうか。
それはやはり心の中で思っていることを言葉にして伝えるのが大切だと考えられているからだと思います。
カードという贈り物
「母の日」が近づくにつれ、デパートやショップにずらりと並ぶ贈り物候補たち。どれもすてきですが、でも、「贈り物って本当に必要かな?」と、ときどき思うことがあります。
何の見返りを求めることもなく、ただひたすらに自分に愛情を注ぎつづけてくれるお母さん。人生に滅多と現れてくれることのない、こんなにありがたい人にどうしたらじゅうぶんな感謝ができるだろう?
たとえどんなに高価なものでも、立派なものでも、難しいような・・・。
贈り物が必要かどうかというより、贈り物が見つけられないといったほうが正確かもしれません。
たぶん多くの人が日々の生活の中で母を思い、思い出し、感謝していることと思います。そして5月の第2日曜日はその中の1日に過ぎないと。
その気持ちがあるなら、「母の日」にはシンプルに、ただ「ありがとう」と心をこめて言うだけでもお母さんには喜んでもらえるのではないでしょうか。
ただ言葉は発すると、すぐに消えてしまいます。だからカードにもしたためて。カードはその瞬間の「思い」を記録し、相手に運び、時が過ぎても色あせない記憶として残してくれます。
そして、ちゃんとした贈り物にもなります。
※見出し写真のカードのつくり方は次回アップします。
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