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四葉を探すクオッカさん、森で迷子になるの巻

そよかぜの森には、クローバーがたくさん咲いています。

そこで四つ葉のクローバーを探しているのはクオッカさんです。

クオッカさんの趣味は四つ葉のクローバーを探すこと。

なかなか見つからない時もありますが、四つ葉に出会えた時のハッピーな気持ちが大好きです。

クオッカ(今日はあんまり見当たらないなぁ)

ショートストーリー挿絵03_01

今日は四つ葉探しが順調でないようです。

地面のクローバーとにらめっこをしながら、うろうろと森の中を歩き回っていました。

クオッカ「あれ?ここはどこだろう」

気がついた時には森の中の知らない場所にいました。こんなに四つ葉が見つからなかったのは、初めてです。

クオッカ(こんな日もあるよね。でも、ちょっと不安かも)

いつもは前向きなクオッカさん。
だけど、暗い森の中で不安な気持ちも芽生え始めたのでした。

そこへ、雨が降ってきました。

クオッカ(わぁ!どうしよう!)

近くの大きな葉っぱの下に走ると、そこではナマケモノくんが雨宿りをしていました。

ショートストーリー挿絵03_02

ナマケモノくん「クオッカさんだぁ!こんなところでどうしたのぉ?」

クオッカ「四つ葉を探していたら迷子になっちゃったんだ」

ナマケモノくんとの出会いでほっとしたものの、森の中は雨でどんどん暗くなっていきます。気持ちも暗くなっているのがわかります。

ふと視線を下にやると、そこにはクローバーが咲いているのが見えました。

クオッカ「あ!四つ葉だ!」

ショートストーリー挿絵03_03

よく見ると、二人が座るすぐそばに、寄り添うようにして四つ葉のクローバーが2本咲いていました。

ナマケモノくん「ほんとだぁ!クローバーさんも雨宿りしてるみたいだねぇ」

クオッカ(雨も悪くないなぁ)

何だかハッピーなクオッカさんでした。

ナマケモノくんとおしゃべりをしていると、少しずつ日が照ってきました。

暗かった森の中には光が差し込み、雨のしずくがキラキラして宝石のような景色でした。

クオッカさん「雨上がりの森って、こんなにきれいだったんだ」

ナマケモノくん「ボクも知らなかったよぉ。
クオッカさんといると、なんだか素敵なことが起こるなぁ」

しばらくの間、ふたりは美しい景色を眺めていました。

ショートストーリー挿絵03_04


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