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家族関係、親戚付き合いに悩んでいる人にオススメしたい本

スズキナオさんが書いた本『思い出せない思い出たちが僕らを家族にしてくれた』を読んだ。

デイリーポータルZでの力が抜けた、けどとても読みやすく温かい目線のコラムも好きだし、深夜高速バス〜もパリッコさんとのチェアリング活動も「わー、この人のように、毎日のいろんなことを面白がりながら、そしておいしいものをつつきながら生きていきたい」と強く思う。スズキナオさんの文章は焼酎のお湯割りのようにスッと腹におさまっていき心地よい。一言で書くと、ファンです。

スズキナオさんはいま40代半ばで大阪在住ということは知っていたのだが、この本では親や妹、祖父母やいとこ、二人の息子さんとのやりとりや "思い出" が綴られている。

山形県についてはほとんど何も知らないが(旅行はしたことあるよ2回)スズキナオさんの眼差しや価値観からは「やまがたみ」を感じた。素敵でシャイでまっすぐな家族に囲まれて、愛されて、今のナオさん(急に名前呼び、親しみを込めて)が育まれたんだなぁ。ファンです。

私は家族関係があまりうまくいってないこともあり、うらやましいなぁ、こんな風に話せたら、手を繋げたら、インタビューできたら、もうすこし良い関係を築けたのかもなと思った。

そよ風が吹く場所でチェアリングしながら缶チューハイを飲むと、ストレスや記憶が曖昧になることもあるし、急に表面化することもある。でもしばらくすれば、思い出せないことも、何度も思い返すことも、もう忘れてしまいたいことも、どれがどれだか分からなくなりながらシュワシュワと空に消えていく。

時間はかぎられている。タイミングはそんなに多くない。大切な人には会って話しておかなきゃ。

何かを失った時、失いかけた時、『今度こそ大切にして、決して手放すまい』と強く思うくせに、いつも私はいともたやすく忘れてしまう。四十年ちょっと生きてきて、大事な人が病気になったり、事故にあったりしてあっという間にいなくなってしまう経験を重ねてきたはずなのに、ずっと、うかつなままだ。

P139「 13 旅の夜のインタビュー 」から引用

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