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    " 楽器の短歌 "

         虫たちが
      オーボエの回り集まりて
      飛び交い答えのAあーを弾きあう


        なにしても
     うまくいかずに手をさする
    Fのコードを押さえたような日


        ピアノ曲 
      氷の譜面のなか眠る
     一音で溶けて泳ぎだす音符


        二羽の蝶
     くっつきはなれ追いかける
    ドビュッシーのアラべスクの舞 

◇ ◇ ◇

小学校から中学校、高校でやめ、大学で再開、仕事でやめ、結婚で遠くへ運ばれ、また弾かれなくなった私のピアノ。ほんとに気が向いた時だけ。だから上達するわけもありませんでした。

何年か前、友人にピアノの先生を紹介してもらい、習っていたときがありました。私は、よくいう音が追いかけっこするバッハのフランス組曲やドラマティックなベートーベンをかっこよく弾いてみたい(この時点で身の程知らず)と思っていたのですが、ある程度練習曲が進んだあと、先生はラフマニノフやポッツォーリの楽譜を海外から輸入し、それが譜面台に上がりました。もう難しくて難しくて…。家では、月間ピアノのJ-POPばかり弾いていた私。

そのうち先生にも私の温度の低さが伝わったのか、次第と二人でヨガやったり、お茶飲んでおかし食べたりする時間がレッスンより長くなり、また別の日に一緒にお出掛けしたりと、深窓の令嬢のような先生に少しだけ気を遣いながら、かなりゆるりとした師弟関係となってしまいました。

その後、先生が引っ越してしまい、そこで私の中途半端ピアノ人生は終わりました。

その時のピアノは2代目で、今考えると恐ろしいけど、かなり気張って買ったヤマハアップライトピアノのUXシリーズでした。当然音の響きは前の古いビアノと雲泥の差、それに加えて、楽器屋さんで店員さんが試し弾した曲がベートーベンのテンペストだったから、もう買うしかありませんでした。

なのに、そんなピアノを、やめたと決めたら、あっさり売ってしまいました。購入時より更に値打ちが出てたようで、二つの業者で見積もりを出して貰うと、その間でオークションが始まってしまいびっくり、もちろん高く買って頂ける方に売りました。
そこは元々私が買ったお店で、ピアノは無事帰って行きました。めでたしめでたし?

今リビングのそこにあるのは、憧れのヴィンテージ家具。ピアノと全く同じ横幅、しかもほぼピアノ売った値段プラスαで買えました。めでたし???

その頃、習って弾いていたドビュッシーのアラベスクという曲があります。私はこの曲を聴くと、たくさんの蝶々が舞い上がり、ひらひら飛び交っている情景を思い浮かべるのですが、先生に聞くとアラベスクは「唐草模様」という意味でした。
「そうねぇ!」と共感が貰えると思いきや、先生の反応は意外と薄かったです………。
でも絶対これは蝶々です!

もしよかったら、少しだけ聴いてみてください(^-^)

◇ ◇ ◇

当時、先生宅のお庭で元気に咲いている水仙を数株頂きました。そのままその日にうちの庭に植えましたが何年経っても葉っぱしか出ず、花が全然咲きません。    (?_?)
去年、花屋さんで咲いている水仙をたくさん買い、その水仙の横に植えました。もしかしたらつられて咲くのではないかと……まさか。
そしたら今年、去年買い足した水仙まで咲きません。はぁ?
土壌が悪いのでしょうか?
あのヤマハUXが私という悪い土壌の上に置かれたように (^^ゞ

お散歩でチビ水仙見付けました(^ω^U)
道ですら元気に咲いている水仙なのに何故???

#今日の短歌


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