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HAEVY というタグを知っていますか?

「買ってしまって気づくという最悪なパターン。どうしよう……」

 久しぶりにスーツケースを買おうと思った。そんな、豪華なスーツケースではなく、いたってシンプルだ。駅や街角でゴロゴロ音を立てて移動する。そんな、シンプルなスーツケースが欲しかった。
 
 検索を重ねて、というか重ねすぎてしまった。
「あ。まずい」この感じは買わない感じになってきた。
 
 検討に検討を重ねて買わないという決断。たまにある。けれど、今回は買わないといけないのだ。

 何処で妥協するかの、ボーダーラインを自分の中で決める。色は白がいい。これは譲れない。次は開閉方法だ。フレームタイプ(あのガチャというロックのあるもの)とファスナータイプの2種類があるらしい。
 
 ファスナーがいいなと思い選択する。が。急に何か思い出したように検索する。
「ボールペン」「ファスナータイプ」「窃盗」盗難防止がないファスナー式はこんなに簡単に開くのか! 驚くほどに開いてしまった。
 
 なぜ、思い出したかと言うととても偶然だった。どこかのニュースで一瞬取り上げたのを頭の片隅で、鮮明に覚えていたのだ。

 自分に身近な犯罪の身近なにおいを感じると、とても記憶に残っている。
その後、調べると、今では対策もされておりファスナー式でも窃盗の恐れはないと書いてあった。

 しかし、自分に生まれた、恐怖心が取り除けなくなったので、フレーム式に変更した。

 それから数日後、色々迷うと、結局買わないモードに陥るので、直感と価格と色で決める。そして、今回は、かばん屋さんへ行ってしまった。さすがはかばん屋さん。迷う位大変沢山のスーツケースが飾ってあった。

 ガラスケースに入っている私自身が知る限り、世界最高峰の一つ。「ゼロハリバートン」さすがである。たしか、月の石を持って帰ってきて有名になったのだ。月である。海外でなく、地球外である。パスポートいるのかな? と、とってもどうでもいいことを考えてしまった。


 そんな、贅沢もできず、現実に戻る。ウロウロと店内を見まわし、目的地のスーツケース売り場を発見。
 
 ようやく見つける。真新し機能があるスーツケースを迷いながら見渡す。「へー。ゴロゴロ音が出ない物もあるのだ」をスーツケースの進化を気にしていた。
 
 自分のこれだと思うスーツケースを2つに絞ることができた。値段との交渉で、一つにようやく絞れた。店員さんの話を聞いて、「では、これをください」購入の意思を伝えた。レジまで行く途中にふと、「機内荷物のサイズ」なるもののポスターを、チラッと見た気がした。

 その時は、そのまま通り過ぎようとしたのだが、思わず二度見していた。
「そうだ!購入する理由は、機内に持ち込める用のサイズだった!」なるべく、通る声で店員さんを呼び止める。
 
 あやうく「買ってしまって気づくという最悪なパターン」「どうしようか」的なパターンになる所だった。
 
 記録していた、メモを確認すると、わずかに大きかったため、先ほどの迷って諦めた方の寸法を計測する。「よかった」これは、なんとかクリアしていた。
 
 購入したスーツケースに荷物を詰め込み、宅急便で空港まで送り届けてもらった。数日後、空港で荷物を受けとり、チェックインを済ませようとした時だった。
 
 何か忘れた気がする。とても、重要な物を忘れた気がした。そうだ!思い出した!カギだ!スーツケースのカギ!どこにしまったか全然思い出せない!
 
 最近は、スーツケースにカギがかかっていると、セキュリティー上、預け荷物に預けることができないのだ。実は私は見てしまったことがある。誤ってカギをかけてしまったスーツケースのなれの果て。どんな無残な姿で、到着地の荷物受取のコンベアからでてきたか……。
 
 それは、もう目に焼き付いて、悪夢にうなされる位の光景であった。カギを壊されたスーツケース。ロックができなくなる。そう。ロックができないので、ビニールひもで、ぐるぐる巻きで、出てくるのだ。あー! 想像しただけで痛々しい。切ない。これから、旅行やビジネスの気分になれないだろう。
 
 そう。この光景を目の当たりにしているので、荷物を預ける際、私は3回位確認してチェックインすることにしている。
 そして、カギだ。重要なカギ。思い当たる所を存分に確認した。精魂尽き果てた。
 
 最後にここにしかない、財布を確認する。希望のカギがここにあった!
 
 ようやく出会えた。よかった!購入して一カ月も経たないスーツケースを破壊する所であった。カギを開けてチェックインカウンターへ向かう。重量チェックをする。え!ちょっとまってくれ!重量がおかしい。というより、確か計測したことがなかった。でも、実はほっとしていた。何とかボーダーぎりぎりで収まってくれた。

 実はその2なのだが、私は重量オーバーしたことがある。その時は、超過料金が発生しまった。追い打ちをかける様に、「HEAVY」というタグまでつけられてしまうのだ。
 
 なぜか、悪いことをしていないのに、少し後ろめたい気分だった。
ようやくこれで、出発できる。今回も想像しただけで、好奇心を刺激する旅になりそうだ。

 最後までお読み頂きありがとうございました。少し遠出は難しそうですが、その時が来るまでもう少しの辛抱です。
 全てが始まるその日までに、色々計画を立てて行きましょう!

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