タスク管理で大事なことは、今日の一番を決めること。「今日のマストワン」

新年度になったこともあり、社員の日報を読むのを楽しみにしています。20新卒の中には日報を先輩だけでなく私にも送ってくれる人もいて、ときどき返信もしています。

社員の日報の中で、「1日があっという間にすぎてびっくりする」という感想が多いことに気付きました。いろんな種類の業務をやっていたり、集中して業務にとりかかると、あっという間に時間が過ぎているのを感じることがあります。もう夕方か!みたいな感じですね。

この中でのポイントは、1日振り返った時に「今日はこれができて良かった」と思うのか、「あれ、今日は何をやったんだろう?」となるのか。当然ですがこの2つのセリフには、埋め切れないほどの差があります。

私は以前、本当にタスク管理が下手でした。やることが多くて新しいタスクが増えるなど、タスク管理をどうするかについてこれまでいろんなものを試しています。ノートに書いたり、アプリを使ったり。どれも人によって相性があるので合う合わないはあるのですが、いろいろ活躍している人に話を聞くとある共通点がありました。それは、絞り込みです。

成果をあげる人は「今、何をやるべきなのか」を決めています。集中すべきものを、自分で決めているので集中できている。シンプルですが、「何に集中するのか」を決めない限り、集中できないというのが真実です。

できる人の観察を通じて、シンプルにできる方法が何かをずっと模索していましたが、自分も実践したうえで、他の人にもおすすめできるものがあります。

それをTwitterでシェアしたら、たくさんの反応をもらいました。

タスク管理の一番のおすすめは、「今日の一番を決めること」。

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タスクは本当に多岐に渡ります。タスクをリストアップするのもとても良いですが、「リストアップする時間がなくて、結果的にリストアップされてない状態が続く」という状況を私も経験したことがあります。

そこで私も試してよかったのが、「とりあえず一番を決めて、それに集中する」というものでした。タスクはいろいろある。それは間違いない。でもとりあえず、一番大事なものを決める。そしてその一番大事なものを、できるかぎり一番最初にやる。朝一番にその大事なものとは関係ない会議があれば、その次にやる。

ずっと会議が入っていて1日でその一番ができなそうなら、むしろ一番にしない。いっぱい詰まっている会議の中で最も大切なこと(上司と企画を合意するとか、お客様に提案でご満足いただくとか)を一番にする。

初めてこの「一番を決める」メソッドをやろうとすると、たった一つを決めるだけでも結構大変だということに気付くかもしれません。たとえば新入社員の場合、仮にやること3つあると、どれが一番かという判断ができないこともあるからです。そういう時はどんどん上司に相談しましょう。

大事なタスクを決めないと「全部大事のワナ」にハマります。全部大事となると他のタスクが気になって、業務に集中できません。結果どの業務も中途半端になって、「今日は1日、何をやっていたんだろう」という状態になりがちです。

「今日の一番」を決めておけば、その一番が少しでも前進したらそれが成果物。1日の成果が出たわけですから、今日の自分をよくやったと褒めることができます。できなかったとしても、なぜできなかったのかを冷静に振り返って、明日やろうと決めれば良い。

もし1日ひとつの成果がでれば、20営業日で20の成果が出ます。10人の部署なら1ヶ月で200の成果、100人なら2000の成果です。今日の一番を決めている人が強いのは、「毎日成果が確認できること」にくわえて「毎日自分をできた・できないで評価することができる」という、自己成長を加速させることができています。

さらに、この今日の一番を決めることの効果はまだあります。決断力を高めることができるのです。

「今日の一番を決める」という言葉の通り、決断をすることになります。何が最も大事なのかを決めるということは、何が2番目以降なのかを決めること。つまり「捨てる」ということにもつながります。

経営や事業の戦略決定も「何をやって、何をやらないか」を決めること。「自分という経営資源」を今日1日、どこに投資するのか。最大の成果を出すために、何に集中するのか・捨てるのか。この繰り返しを毎日やることで、決断力が磨かれていきます。

新しい業務をはじめた時や、新規事業を立ち上げている時は、タスクに何があってどれくらい時間がかかるかなんてわからないことが多いもの。しかし一番を決めて集中すれば、最速で動けて成果物につながります。

タスク管理で悩んでいる人には、ぜひこの「今日の一番」を試してもらえればと思います。ちなみにサイバーエージェントでは、目標や社内キャンペーンでよく使う言葉に「マストワン」という言葉があります。MUSTなONE、つまり絶対やるべきひとつという意味です。このブログの話題でいえば「今日のマストワン」です。このマストワンメソッドを覚えておくと、目標設定やキャンペーンも絞りが出てやりやすくなるのでおすすめです。

リモートワークの環境になっている人にも、このやり方はとてもおすすめです。物理的に上司や先輩がいないこともあり、やるべきことがずれてしまったり成果が見えなかったりしがちです。「今日の一番」メソッドを使って上司や先輩と自ら話をすることで、成果物がはっきり見えて今後のアドバイスやサポートをもらいやすくなります。一方、上司やトレーナーのみなさんは「今日の一番って何かな?」と聞いてあげてみてもらえると良いと思います。この今日の一番のすりあわせを毎日やるだけでも、メンバーは大いに伸びると思います。

「絞り」は迷いをなくし、突破力をつくります。

タスク管理の鉄則は、今日の一番を決めること。


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