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ゲームのログインボーナスに生かされていた日々


この記事の後日談。
予定を全部すっぽかして未遂したら失敗した日の後。

死ねなかった恥ずかしさや後悔の中、しばらくは引きこもっていたかった。
それでも、生き延びたからには生活をせねばならず、バイトにいく必要があった。それだけは何とかこなした。(事務連絡以外ほぼしゃべってなかった。不機嫌に見えたかも。ごめんなさい)

人と関わりたくなかったし、誰とも連絡をとりたくなくて、特に学校の先生から連絡が来ているか見るのが怖くて、バナーとか通知アイコンがつかない設定に変えるまでした。

生きている理由は何もなくて、ここから良くなるとも思えなくて、現世に居場所なんてなかった。

そんな私はゲームの世界に沈み込んだ。
物語とゲームそのものを進め、部屋でひとり、その世界に逃げ込んでいた。

睡眠もうまく取れていなかったから、スクリーンタイムを見ると、1日で20時間プレイしたこともある。さすがに自分でも末期だなと思った。

でもその世界にしか、私が居ていい場所はなかった。その物語の中には、もっと過酷な状況を生き抜いてきた女の子たちがいて、大変な過去を背負ってでも諦めずに闘い、生きようとする同志がいた。その世界だけには、私が居ても許される気がしていた。

そして、ゲームにはログインボーナスというものがある。
何もできなくて自己効力感なんて底をついている中、「生きているだけでちょっと良いこと明日起こる」ことが決まっているのだ。
素晴らしいシステム。良いことなんて何も見出せないメンタルの中、ゲームが更新されることだけが明日を迎える理由になっていた。

明日、または未来、「何か良いことが起こるかもしれない」と思う力がないと、人は消えたくなる。



ゲームの世界で過ごし、物語の言葉に救われ、時間が経つにつれて現実に触れるだけのエネルギーが溜まってきた。

徐々に、社会とつながり直し始めた。

まずは、ずっとオフにしていた通知の設定を変えた。
様々ならSNSアイコンに、赤いマークがついた。
1番恐れていた、学校の先生からの連絡は、数週間前に一度、さらに数日前にも送ってくれていた。

申し訳なくなって、でもメッセージを考える思考力もなくて、とても短い言葉で「次のゼミは行く」という内容を伝えた気がする。

今から思えば、心配をかけていたと思う。申し訳なかった。
しばらく無断欠席をしていたから、次会ったら殴られるかなとか本気で思っていたけれど、いざ会ってみると、先生は座ったまま「来たね〜。久しぶり」と言ってくれた。もちろん、殴られなんてしなかった。

世界は思っているより優しいのかもしれない。

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